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終わりゆく世界に紡がれる魔導と剣の物語  作者: 夏目 空桜
第二部 第三章 アルトリアの未来
208/266

衛士ファフナ、困惑の前兆

無理矢理毎日更新伸ばした感(汗)

「なんだよ」


 そんなちょっと剣呑な反応も可愛いとか思ってしまうのは、この人の普段の言動とは違う青臭い一面を知れたからだろう。

 いや、この人は元からこうだった。

 ちょっと、いやかなり天邪鬼で果てしなくへそ曲がりなところもあるけれど、実は誰よりも人情家。

 なるほど。

 エルダリア陛下やバドハー様が一目を置き信用するわけですね。


「だから何笑ってんだよ」

「さあ、笑ってましたか?」

「ふん」


 照れ隠しみたいな反応のまま、わざとらしく(マナー悪く)音を立ててガツガツと食事をする。

 ホント困った方ですね。


「お前も早く食えよ、椅子に座っての食事がしたくてごねたんだろ」

「あ、そうですね。あとごねたとか言わないで下さい」


 しばらく続いたギスギスした雰囲気も無くなった気がした。


「で?」

「で、とは?」

「他にも聞きたいことがあったんだろ? じぃさんの金で旨いものくって今は気分が良い、今なら答えてやるかもしれんぞ」


 そんな上から目線の言葉に、それでも喉がゴクリと鳴る。

 聞きたいことは山ほどある。

 それを答えてくれるというのだ、このチャンスを逃すことは出来ない。

 だが、どれを聞いても一歩間違えれば彼の逆鱗に触れかねない。

 ……何から聞くべきだ。


「無いのか? それじゃメシも喰ったし、そろそろ」

「あります!」

「ん。で、何が聞きたいんだ?」

「隊長と私の関係は何ですか?」

「は?」

「あ、や……えっと……」

「まぁ一般的には上司と部下、ボク的にはボクを注意出来る希有な友ってところか?」

「友……」


 思わず、その言葉をギュッと噛み絞めてしまう。


「で、他に無いのか?」

「あ、いえ今のは思わずイレギュラーな質問というかテンパって間違ったというか」

「この程度でテンパるなよ」

「それだけ私には貴方が特別な存在だってことです」


 ……我ながら、異性への告白みたいなことを言ってしまった。


「告白か? 生憎ボクにはその方面も含めて恋愛等のは分からんぞ」

「ちち、違います! こんな時ばかり、変な歯車の噛み合い方しないでください」

「んじゃ、何がききたいんだよ?」

「あの、えっと……怒らないで下さいね」

「怒るようなことを聞けばキレる」

「それって聞くなってことですよね」

「そんなことは言ってない」

「言ってないんですか?」

「ああ、言ってないぞ。ただ、言葉は選べよ」

「脅しじゃ無いですか!」

「違う」

「違う……?」


 それはどこまでも透明な声音。

 ただ、深く透明なのに、底の見えない仄暗い井戸の底を覗くような怖気が背筋を走る。


「聞きたくも無い真実に触れれば、それは不快な結果しか残らんってことさ」

「正直、貴方が何を言いたいのかわかりません」

「いいね、その回答。変に分かったフリをされるよりもよっぽどマシだ。ボクがお前を相棒(パートナー)に選んだのはそんなところもあることを忘れてくれるな」

「だから、貴方は……ああ、もう! 私が聞きたいのは、貴方がこの国を憎む理由です! 正直、貴方はこの国に近付けば近づくほどに元々悪かった性格が輪をかけて悪くなると言うか拗れています」

「……言うねぇ、ま、そのくらい言えないとボクの相方は務まらんよな」

「教えてくれますか?」


 私の問いかけに返ってきたのは、


「ヒルコって知ってるか」


 それはいったい何を意味する言葉だったのか……

 私はその言葉の意味を、程なくして知ることになる。

今日はもう限界です

明日更新頑張るます!

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