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終わりゆく世界に紡がれる魔導と剣の物語  作者: 夏目 空桜
第二部 第三章 アルトリアの未来
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衛士ファフナ、つくづく驚愕する

お久しぶりです

次の更新は早くします的なことを書いたが気もしますが気のせいです。


……私が敬愛してやまない偉大なる作者H・A様(仮名)が名言を残しております。

おとなはウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです……


ええ、【近々更新】なんて前回の後書きで血迷って書いたのが間違いだったのです。

「止めて下さい、殺す気ですか!?」


 怖い。

 今までも幾度となくこの少年の才能に震えたことはあったが、それはどちらかと言えば憧れにも似た感情だった。

 だけど……

 これは、違う。

 目の前の少年の本質が、人のそれとはまったく異質の怪物のようにさえ見えた。


「何が気に入らなかったのか分かりませんが、助けた命です」


 止める私を黒き双眸が射貫く。

 まるで全てを見透かすような瞳が、猫のように、いやヘビが獲物を観察するかのように値踏みする。

 背筋に冷たい汗が流れ落ち喉がカラカラと渇いていくのが分かる。


「ファフナ……」

「は、はい」

「お前が平時においては誰よりも優秀で、覚悟を決めたら腹をくくれる男なのは知っている。だが、その逆では凡才以下だな」

「う……」


 何故そんな事を言われねばならないのかがわからない。

 だが、その評価をされた(・・・)理由はわかる。

 でも、何故ここでそんな事を言われねばならないのか……


「きっとお前のその感性は尊い物なんだろうな――」


 小さく息を呑む音が聞こえた。


「それはボクみたいに欠落したやつでもわかる。だが、乱世においてその甘ったるいだけの優しさは真実を曇らせるだけの麻薬以下の猛毒になりかねない」

「欠、落……? いえ、それよりも、私が甘いのは重々承知しております。ですが、それとその人を害することは違う話です」

「違わないさ。この()はボク達を襲撃した魔猿共を操っていた親玉だ。さぁて、黒幕は何者だ?」

「ふっ!」


 その瞬間、女性、いや男性? は気炎を吐くと、内股から取り出したナイフで口内を拘束するアルフォンス様の左手を切りつけた。


「よっ……と」


 それは刃物で襲われたとは思えないほど気軽な声音。

 いや、その声音は当然だったのだろう。

 まるでその攻撃は予想していたとばかりに、危うげ無く躱したのだ。

 剣呑な視線を向ける女(?)とどこまでも透明な笑みを浮かべる少年。

 熱に対する冷、憎悪に対する無。

 そんな真逆な印象。


「そこのエルフは気が付いてなかったみたいだが、何時から?」

「質問が不明瞭だな。明確な事実を知りたいなら、問いかけ方にも知性が必要なのを知らないのか?」


 ギチリ、と女(?)の歯ぎしり。

 気軽な口調での問いかけながら自尊心を傷付ける煽り方。

 性格の悪……いや、実に彼らしい煽り方である。


「ああ、ちなみにボクは無駄が嫌いだから一応警告も兼ねて説明してやろうと思うが、聞くか?」


 忌ま忌ましげな表情からギチギチと鈍い歯ぎしりの音が聞こえる。

 遊びも何も無い、何処までも容赦なく人の神経を逆撫でする煽り。

 ……一瞬、ほんのわずかですが、この女性(?)に感情移入しそうになったのは秘密中の秘密です。


「なんだ聞く気も無いのか? じゃあ、もうそろそろ死ぬか?」

「ま、待って、お、お願いだ、から……」


 その声音は黒獅子(死神)に魅入られた野ウサギのようにか細く、いまにも消え入りそうだった。

 ゆらりと死神が動く。

 止めなければ。そう思った矢先、

 

「ふむ……まぁ良いだろう」


 それは予想外。

 問答無用で破壊する(ころす)のかと思い焦りましたが……


「後ろのヤツが敵でも慈悲をかけないと五月蠅そうなんでな」


 え? 私に気を遣っ――


「これからまだ旅が続くってのに、ギスギスするのは面倒なんでな」


 ……ですよねぇ。

 ただ、思っててもそう言うことは口に出して言わないで欲しかった。


「あぁ、そうそう、貴様が質問したかっただろうことのついでに警告も兼ねてボクから話してやる。ボクは貴様が森の奥で息を潜めていたのに気が付いていた」

「そ、そんな……時からバレて……」

「待って下さい。あの時貴方は寝てましたよね。それなのに?」

「ん? ああ、森が静かすぎた」


 私に振り返ること無くあっさりと答える。

 って言うか、そうではなくて……

 寝ていたのに、気が付いていた事に驚いているんですが。


「寝るには心地良いが逆に不気味すぎだ。ついでに言うと、森が静まりかえった頃に、地面から微妙な振動を感じた」

「微妙な、振動ですか?」

「ああ、魔猿共の忍び足だ。ふん、悪知恵は働くが、傲慢な連中が徒党を組みながら息を潜めて行軍するなど異常以外の何ものでも無い」


 え、嘘ですよね?

 地面の震動って、確かに異様に静かな森でしたが魔猿とは随分離れてたんですよ。

 そんな僅かとも言えないような震動を感じ取る事なんて不可能に等しい。


「ましてや突然女のような悲鳴だ。アイツらが獲物を前に興奮しない、その時点でお前の作戦は有り得なかったんだよ」

「あ、ぐぐくく……」


 屈辱にくぐもった唸り声。

 自分の作戦を見透かされたことによる怒り、と言ったところか。

 だが、この少年が話した力が真実なら、プライドを傷付けられて怒りに我を忘れていられるのはせめてもの救いだ。

 ……今目の前に居るのが、その見た目では決して収まることの無い、いや収まるはずの無い強大な能力を秘めた怪物なのだから。


「ちなみにだが、お前の性別を確信したのはついさっきだ。起き上がった時に内股に何かしらの武器を隠しているのは分かったが、座るさいの動作は男の骨盤のそれだった。見た目は誤魔化すことが出来ても、骨格の動きまでは無理だったみたいだな」

「「……はぁ?」」


 心底言っている言葉の意味が分からない。

 それは図らずもこの襲撃者と同じ反応をした瞬間だった。

短い?

気のせいです……


あ、ごめんなさい!

難産だったんです。

二万文字くらい書いたつもりが、二千文字ちょっとしかなかったとか気のせいです。

決してプライベートでホタテうめーとかウニ丼うめぇぇぇえぇぇえっ!とかして酒浴びてたとかなかったです……

ええ、なかったです!←嘘つき

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