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永遠なる……
もし、彼を言葉で喩えるなら何が正解だろうか?
邪悪な天才?
魔導の王?
未知なる発明の天才児?
……きっと、そのどれもが正解で、そのどれもが大きな間違いだ。
もし彼を最も知る者が彼を語ったなら、それはおそらく――
――愛されたくて、愛するすべを知りたかった、ただ愛情に餓えた幼い獣――
そう、評したはずだ。
人を愛したくて、誰かを愛したくて、だれかに愛されたくて……
だけど、そのすべを知らない愚者。
天才であり、世界の宝であり、そして世界にとって忌むべき猛毒であり……
ただ、道に迷い泣き続けた小犬――
それが、それこそが彼の正体だ。
次回、本編開始です。






