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銀河戦國史 (アウター“ファング” 閃く)  作者: 歳越 宇宙 (ときごえ そら)
第6章  攻略
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第87話 ファル・ファリッジ最期

 カイクハルドの小さな叫びと共に、幾つもの金属片群の壁が、広大な宇宙の狭い一点で交差した。と同時に、幾つもの閃光が一斉に、黒一色の虚空を明るく彩った。軍政軍閥が相手となれば鬼神のごとき勇猛さを発揮し、数え切れないほどの戦闘艦や戦闘艇を地獄送りにして来た「軍政目の敵戦隊」の第5戦隊が、一瞬で消滅した。壮絶なる玉砕(ぎょくさい)だった。

 その先ではタキオントンネルのターミナルが、さっきまで放っていた濃い紫の光を消失させている。爆発物も可燃物もないターミナル施設は、火柱を吹く事も崩壊する事もないが、その機能は喪失させられたと見て間違い無い。地味だが、着実な戦果だった。

 敵は、増援部隊の輸送手段を失った。10艦もの増援の当てを外された軍政側防衛戦力は、「ラストヤード」の軍勢に押し潰されるに違いない。移動を少しだけ遅らせるつもりだったカイクハルドの作戦より、戦況は大きく“寄せ手”側有利に傾いたはずだ。百隻にも満たない戦闘艇団が、10艦以上の大部隊の進軍を食い止めて見せた成果は、大金星と言って良いものがある。

 そんな手柄と引き換えにして、第5戦隊は全滅したのだった。

 デイスプレイ上の、第5戦隊の反応が消えた辺りを長らく見詰めていたカイクハルドだったが、

「あいつららしいぜ。軍政相手の時は、修羅なんだよな。」

と、零した次の瞬間には、表情を元に戻していた。「よしっ、俺達は、あの敵は回避して離脱するぜ。」

 突如移動の手段を断たれた敵艦隊は、数分の間は「ファング」を追う構えを見せたが、もともと彼我の相対速度は高い。それに加えての、彼等の全力加速での離脱には、付いて来られなかった。

 更に1時間後、「ファング」はタキオントンネルの生成を付近に検出した。「ラストヤード」部隊のものである事は、識別信号で直ぐに確認できた。スリット上に「ラストヤード」部隊がタキオントンネルで切り込んで来ても、防衛の為の敵戦力が現れる気配は全く無い。それは、敵戦力が相当に撃ち減らされ、防衛が追いつかなくなっている戦況を示している。

 タキオントンネルから出て来た部隊に通信で話を聞くと、この部隊も既に、一群の敵勢力を全滅させて来たらしい。「ファング」が2回にわたって敵の増援を足止めした戦果が、「ラストヤード」のスリット突破に結実しつつあるのを物語っている。

 「ラストヤード」部隊に帯同していた「シュヴァルツヴァール」で、「ファング」は補給を受けた。ビルキースの差し金で、安全を確保した上で「シュヴァルツヴァール」を戦場に持って来られたわけだ。彼等への補給は速やかに実施された。「ファング」にしか使えない規格の弾薬も補給された。「シュヴァルツヴァール」を戦場に連れて来ないと、反復しての出撃が「ファング」にはできない。

 「ファング」が補給を実施している間に、「ラストヤード」部隊は3回の敵襲を受けた。30艦程を保有しているこの部隊に、軍政側は3から5艦くらいの部隊を、散発的に小出しにして来た。それ以上の部隊をまとめて繰り出す余力も統率も、もう軍事政権には無いようだ。

 向かって来る敵艦には、著しい損傷を受けているものも少なくない。スリット上の複数の箇所を対象に攻勢をかけた「ラストヤード」部隊に対して、軍政側は各所で蹴散らされたり、突破されたりしたものと見られる。敗残戦力が態勢を立て直して、「ファング」を収容した「ラストヤード」部隊に再襲撃を仕掛けて来ているみたいだが、小規模集団がパラパラと個別に湧いて来る攻撃では、進軍を止められるはずは無かった。

 止められはしないし、深刻な損害を被りはしないが、それでも敵は続々と湧いて来たので、いつしか戦域は、敵味方が入り乱れての混戦状態になっていた。全体としては「ラストヤード」部隊がかなり優勢だが、部分的に見れば、敵に囲まれ追い詰められた感のある「ラストヤード」側戦闘艦もいる。複雑化し流動化した戦場では、優勢の軍といえど死の危機は絶え間なく押し寄せて来る。もちろん、「ファング」にも。

 補給を終え、再出撃を目前にしていたカイクハルドは、「エッジャウス」の要塞総司令部に対して「ラストヤード」部隊の1つが攻撃を開始した、という報告を受け取る。つまり、敵の親玉の喉元に、刃が突き付けられたわけだ。

 アクバル・ノースラインやファル・ファリッジにも、ようやく命の危機を感じる場面が訪れただろう。そして、今更危機に気付いても、もうどうにもならないところまで軍事政権は追い詰められている。

(いったい、どんな顔してんだか・・・)

 想像するだけで、嘲笑を禁じ得ないカイクハルドだった。


 だらーん、と開け放たれたままの口、うつろに彷徨う両の眼、弛緩し切った頬からは血の気が失せていて、真っ青どころかどす黒い印象だ。笑っていれば、恰幅の良い体格に似合いの丸顔が、その年齢にならではの愛嬌を感じさせる初老の男だが、今のファル・ファリッジは妖怪じみた不気味さを漂わせている。皺深い額を見るにつけ、大量の脂汗によって顔全体が、溶けて流れて行こうとしているのではあるまいか、と思えてしまう。

「お気を確かに。」

 アジタの気遣いの言葉も、耳に届いているかどうか怪しい。

「・・こ、こんな事が・・・」

 ようやく絞り出した言葉も、喘ぐような小声だ。「この難攻不落の宇宙要塞『エッジャウス』が・・・絶対に突破は不可能なはずのスリットなのに・・・踏み越えて来た大軍に、囲まれてしまって・・・・」

「申し訳ない、ファリッジ殿。ホットジュピターのガス雲に隠れ潜める場所が出現するという現象は、私が漏らしました。軍政の滅亡を願う住民に、是非役立てて欲しいと言われていた情報なので、その想いを叶える事にしました。」

「そんな現象など、百年以上ここに要塞を構えている我々も、全く知りませんでしたぞ。あなただけでなく、『シャフティ』星系の住民にまで、我々は嫌われていたという事ですか。」

「ええ。申し上げにくいが、『イストラ』領域に住む、『ノースライン』直轄の領民の中にも、他の軍政側軍閥の領民にも、軍事政権の存続を望む者はほとんどいません。鉄壁のはずの防御を突破された事より、これほどにまで信頼を失墜していた事に、驚愕して頂きたいですな。」

 コンソールに手を突いて、がっくりと項垂(うなだ)れるファル・ファリッジ。そんな姿勢をとれるからには、ここには重力があるはずだ。

 「シャフティ」星系第1惑星の、L2-ラグランジュ点の中央付近に浮かぶ円筒形宙空建造物の中に、宇宙要塞「エッジャウス」の総司令部は置かれている。遠心力による疑似重力を提供し得る大地を、広大な面積に及んで包含している。

 円筒形建造物の外周壁内面に創出される大地の面積は、リング状建造物の比では無い。その分、強度維持などに高度な技術や希少な素材が必要とされる。これを保有しているというだけで、軍政の繁栄の程が推察できる。

 そこには森があり、山脈が峰を連ね、川が大地を洗い、小さいながらも塩辛い水たまりまである。要するに、疑似的な海だ。円筒の外周壁内面に立ち並ぶ家々も、希少な木材をふんだんに使って、独特の味わい深いムードを演出している。

 家々に住む人々は、色とりどりの上質な衣服で身を飾り、「グレイガルディア」のほとんどの民が見たことも無い豪勢な料理に舌鼓みを、毎日朝から晩まで連打している。外周壁内面にある農場で採れた作物、牧場で育った家畜、海で漁獲された水産物、などなどがその料理の素材だ。化学経路や生物経路の食材も使われてはいるが、半分以上は生物由来食材だ。

 何もかもが、この国の人々にとっては異次元で異質の、目を見張る程に贅沢な暮らしぶりだ。

「我等の栄華を誇った姿が、民の怨嗟を生んだ、と言いたいのですか?」

 初老の男が、悪戯を叱られた子供のような眼で、アジタを振り仰いだ。周囲で忙し気に立ち働く彼の部下達も、時折不安気な視線を彼等の上司に投げかけて来ている。

「何度も申し上げたはずです。賄賂を沢山提供する軍閥を優遇するとか、あれこれ大義名分を(こしら)えて不当に税を上積みするとか、貧苦に喘ぐ民への負担軽減策を全く講じないとか、そんな所業を続けていては、いずれ身を亡ぼすハメになると。」

 その言葉を、もっと強い口調で喚き立ててやりたい、と常々思っていたアジタだが、破滅を目前に憔悴(しょうすい)し切った顔を見せる男が相手では、力が籠るはずも無かった。

「我等は、この『グレイガルディア』を統べる軍事政権の、最高権力者ですぞ。それなりの贅沢や、それなりの特別扱いは、当然なのではないのですか?我等の支配があるからこそ、民の生活も成り立つのだから、民が我等の栄華を支えるのは、当たり前ではないのですか?」

 アジタは、溜め息を禁じ得なかった。そんな思い込みを生まれながらに身に着けて、ファル・ファリッジやその取り巻きは暮らして来たのだろう。その固定観念は、彼等だけの責任ではないのかもしれないが、それが巻き起こした事態の深刻さは、取り返しが付かないものだ。

「庶民の生活実態については、何度もご報告申し上げたではありませんか。余り真面目に取り合っては頂けませんでしたが、今、それを思い出し、御自身の生活と照らし合わせ、それでも“それなりに”などと申せますか?あの庶民に、あなたの暮らしぶりを見せて、そのあまりにもの差を“当然だ”などと、面と向かって庶民に言い放つ事ができますか?」

「う・・うっ・・くっ・・・」

 言葉に詰まるファル・ファリッジ。心の片隅くらいには、微かな罪悪感を覚えていたのかもしれない。だが、日々の満たされた暮らしの中で、そんな罪悪感に目を向けられる人間は、なかなかいない。彼だけではない。世の中に貧苦に喘ぐ人々がいると知っても、自分の生活水準を落してまでその人々を救ってやろうと思える人間は、少ない。

「それに、今あなたは、御自身を権力者だと申されたが、本来の軍事政権の最高権力者は、ラフィー・ノースライン殿ですぞ。」

「ううっ・・・」

「現在の軍事政権の支配機構は、代々の『ノースライン』ファミリー棟梁の方々が、苦心惨憺して作り上げて来たものです。それらの方々は、もっと慎ましやかな生活を自身にも周囲にも徹底し、民には慈愛と慰撫を持って接しておられました。そうして築き上げた権威や信頼は、本来はラフィー・ノースライン閣下が受け継がれるはずだった。」

 静かだが怒りに満ちた眼光で、アジタはファル・ファリッジを睨み据え、言葉を繋ぐ。

「だが、『ノースライン』ファミリーの家宰を長年務めて、人脈を張り巡らせて来た状況を利用し、あなたは統治の実権を我が物になされた。時に金で買収し、時に弱みに付け込んで脅し、政府の要職にある方々を意のままに操れる立場を手に入れられた。そんなあなたやあなたの一族が、贅を尽くし栄華を(ほしいまま)にする事が、当然なのですか?」

「・・・そんなにも恨まれるとは、思わなかったのだ。そんなに怒りを買う所業だとは・・。もう少し、贅沢がしたい。あと少し、一族の者の我儘を聞いてやりたい。そう思いながら、1つ1つ権力や財産を手に入れて行った。不当な手段と分かっていても、手に入れられる可能性があると思った権力や財産には、手を伸ばさずにはいられなかった。一度手に入れたものは、何としても手放すのは嫌だった。だが、そんな事、誰でも思うのではないのか?たまたま、わしには運と実力があり、そういったものが次々に転がり込んで来ただけで・・」

「歴代の軍政総帥の方々は、そしてラフィー・ノースライン殿も、自身は決して贅沢をなさらず、権力も身勝手には振るわずに、周囲の意見をよく聞いてから行使なされていた。そんな事ができる者は、極めて少数なのかもしれませんが、権力の座に就くには必須の資質でもありましょう。」

 どさり、とファル・ファリッジは、コンソールの前に置かれている椅子に腰を落とした。どこまでも沈み込んで行きそうに、脱力している。しばらくは紡ぐ言葉とて見つからぬ様子で、ただ滅亡の接近を喚き立てるデイスプレイに、虚ろな視線を送り続けていた。

「・・・そうだな。家宰という立場を利用し、権力を我が手中に集め、専横を振るって来た。」

 消え入りそうな、懺悔の言葉が零れる。「いつか、こんな日が来そうな気配を、そう言えば、心の片隅で感じていたようにも思える。どこかで、破滅の到来を恐れていた自分が、いたやもしれん。自分でも、自分の行いの醜悪さに、気付いておったのかも知れませぬ。なのに、自分を改める事ができなかった。こうなるのは当然の報い、というわけか。」

 また、長くの沈黙に、彼等は彼等の身を委ねた。やおら、ファル・ファリッジの目に力が籠り、少し声を高くして話し出す。

「わしは、どうなっても仕方が無い。それだけの悪事を働いて来た、と思う。だが、孫娘は、あの()だけは、許してやって欲しい。我儘勝手に振る舞い、多くの怨嗟の的になっているあの娘だが、それは全て、わしの躾がまずかったせいだ。あの娘に罪は無いのだ。頼む、あの娘だけは、助けてやってくれ。」

「あの御令嬢も、名も顔も国中に広く知れ渡っており、激しい恨みや怒りを買っておりますからな。相応の処罰が下されねば、人々の気勢は治まらぬでしょう。まるきり無事、というわけにも行きますまいな。」

「そ・・そんな。何とか・・何とかして欲しい。頼む・・お願いだ・・」

「・・まあ、私の知り合いに身柄を託せば、一時の辱しめに耐える辛苦は避けられずとも、命だけは、助けてもらえるかもしれませんな。『シックエブ』の要塞総司令官だったシャハン殿の奥方であられた、ルカイヤ殿も、そんな処遇を受けたようですし。」

「・・・っ!!そ・・そうか。し・・しかし、もう、この際、命が助かるだけで、良しとするしか・・あるまい・・・。分かった、孫娘を、ここへ呼び寄せる。あなたに身柄を託す。あの娘の命が助かるように、何とか、取り計らって頂きたい。」

「・・分かりました。命だけは助かるように、最善を尽くしましょう。」

 数分後、要塞総司令室に、ファル・ファリッジの孫娘のリューシャが姿を見せた。行き交う軍の制服姿の武骨な男共に混じり、鮮やかな衣に包まれたか細い姿は、いかにもはかな気に見えた。

 アジタから少し距離を置いた部屋の隅に、リューシャを伴って行くと、ファル・ファリッジはその耳元に何やら語り掛ける。見る見る顔色を青ざめさせて行ったリューシャは、突如取り乱したような金切り声で、意味不明の言葉を喚き出した。必死で宥める様子のファル・ファリッジと全く治まる気配のない孫娘。押し問答のような言葉の応酬が、しばし繰り広げられた。

 30分もそんな状態が続いた後、ファル・ファリッジを振りほどくようにして、アジタのもとにリューシャは駆け寄って来た。さっきまでと同じ金切り声で、アジタに嘆願する。

「あ・・ああ、アジタ様、お・・お願いです。おじい様・・ファル・ファリッジも・・彼も、一緒に、連れて行ってください。一緒に、逃げ延びさせて下さい。おじい様のお命も、助けて頂けるように、な、なにとぞ・・なにとぞ、お力添え下さい。お・・おじい様は、何も悪くないのです。わ・・私が、我儘ばかりを言ったから、勝手なおねだりを沢山してしまったから、おじい様はそれに応えようとして、様々な悪事に手を染めてしまったのです。私が・・・自分を抑えられず、庶民の怨嗟を知りながら・・・。わ・・私はどうなっても構いません、どんな恥辱にも責め苦にも耐えます。この命で償えるのなら、私は殺されてもかまいません。ですから、おじい様だけは・・・」

「・・申し訳ありません、リューシャ殿。ファル・ファリッジ殿のお命は、私には、どうやっても救える手立てが見つかりません。余りにも多くの命が、ファリッジ殿の悪政の結果として、失われてしまっています。その怒りと恨みを、私には抑える術がありません。」

「・・そ、そんな・・・・」

 顔を手で覆って、塞ぎ込んでしまった彼女の向こうから、ファル・ファリッジが表情を失った顔を突き出して来た。

「さあ、アジタ殿、この娘を連れて、あなたは早く脱出して下さい。銀河連邦エージェントとしての識別信号を発信していれば、今ならあなたは、攻撃を受けないはず。ですが、戦闘がもっと激化して来れば、それもどうなるかは分かりません。早くなされた方が良い。さあ。」

「アクバル・ノースライン殿は、いかがなされるのです?」

「あのお方は、身体は大きくなられても、頭の中は子供のままです。自分では、自分の身の処し方は分からぬでしょう。私がこの手で、引導を渡してさし上げるつもりです。あのお方も、あなたには助命の手立てを見つけられぬでしょう。さあ、その事はお気になさらずに、お行きください。」

「・・分かりました。」

 迷いを振り切るように、アジタは決然と告げた。「もっと別の時代に、別の形で知り合っておれば、あなたとも良き友人になれたかもしれませぬ。ですが、今の世では、これまで。おさらば致します。」

「ええ、おさらばです。もし、転生というものがあるのなら、次の世ではあなたの弟子になって、人としての正しい生き方を教わりたいものです。・・では。」

 一礼をして踵を返し、ファル・ファリッジは最後の指揮をとるべく、部下達の方へと歩を進めていった。

「さあ、リューシャ殿。気を確かに、行きましょうぞ。」

 抱き起され、アジタに支えられるようにして、ファル・ファリッジの孫娘、リューシャはその場を後にして行く。何度も後ろを振り返り、指揮をとる祖父の凛とした最後の横顔を、目に焼き付けようとしていた。

「戦いを止めよ!全ての将兵に降伏を宣言させよ!もう誰も死んではならぬ。殺してもならぬ。これ以降の死は、全て犬死と心得よ。軍事政権は滅んだ。もうこれ以上、誰も我らの犠牲にはなるでない!」

 アジタがファル・ファリッジの口から聞いた、初めての、権力者にふさわしい言葉だったかもしれない。そういう心根があるのなら、なぜもっと早くに発揮しなかったのか。

 円筒形建造物の、中心軸付近に宇宙港は設置されている。エレベーターで外周壁内面から移動して来たアジタたちは、そこに係留されている彼専用の宇宙船に乗り込む。銀河連邦から提供されている、エージェント専用のものだ。かつてビルキースを助けたのも、この宇宙船だった。

 建造物の回転軸に沿う方向に、宇宙船は滑り出した。直ぐに、識別信号を周囲に発する。

「銀河連邦エージェント殿の宇宙船と確認しました。以降、責任を持って護衛させて頂きます。」

 “寄せ手”部隊の1つから、そんな通信が寄せられた。

「敵施設より飛来した我等に、早速の良識ある対応を示して頂き、感謝致します。ターンティヤー・ラストヤード殿の率いる部隊と拝察いたしますが、激戦の最中にあっての、理性的で統率された部隊運用に、敬服の念を感じております。」

「いえ、連邦エージェント殿の身をお守りするのは、当然のことです。ですが、軍事政権の幹部だった者を同伴なされているのなら、その身柄は是非、こちらに引き渡して頂きたい。」

「幹部は、誰も同伴しておりませぬ。兵士を数人こちらに移乗させ、確認して頂いても構いません。ただ、ファル・ファリッジ殿の孫娘、リューシャ殿は同伴しております。」

「おおっ、あの悪名高き強欲娘の、リューシャを!では、その身柄、是非こちらに・・」

「いえ、この娘に関しては、傭兵団である『ファング』という者たちに身柄を預けるよう、ターンティヤー・ラストヤード殿の指示が出ておるはずですが。」

 ビルキースがターンティヤーをベッドの中で操って、そういう指示を出させているはずだとアジタは信じていた。

「・・・た、確かに、そのような指示が出ている事が、確認されました。それでは、リューシャに関しては、あなたの方から『ファング』とやらに、身柄を引き渡して頂くという事で・・」

「はい、確かに。それにしても、これだけの混戦の中で、細かい指示が末端に至るまで行き渡っているのですな。恐れ入りました。重ね重ね、敬服いたしますぞ。」

 守ると約束した女人(ひと)を守り抜けそうだ、と確信させられる通信であったので、アジタの言葉は、大袈裟でも社交辞令でも無かった。心からの感謝と喜びを、素直に伝えただけだった。

 更に二言三言のやり取りで「ラストヤード」部隊との通信を終え、安心感と共に航宙指揮室の座席に深く腰を落ち着けたアジタに、ディスプレイが様々な戦況を伝えて来た。

 戦闘を中止した「エッジャウス」から、投降兵が非武装のシャトルに乗って続々と出て来て、「ラストヤード」の戦闘艦に収容されている様子も示された。いずれも末端の兵ばかりで、幹部クラスの姿は見えないようだ。

 幹部クラスの投降を促す呼びかけが、何度か「ラストヤード」部隊から発せられたが、姿を確認する事はできない。そうするうちに、自分達が最後だというシャトルも円筒形建造物から泳ぎ出て来て、その直後に、アクバル・ノースラインを名乗る者からの通信が発せられる。

「軍事政権幹部クラス以外の、総員の退去は確認した。『ノースライン』一族並びにその家宰等、軍事政権幹部クラスの者共は、これより一同打ち揃って集団自決する。当施設内は安全な状態にあるので、乗り込んで来て我等が(むくろ)を確認されたし。」

 淡々と語られる軍事政権前総帥の言葉は、達観と覚悟に満ちていた。ファル・ファリッジの最後の一仕事である、彼への渾身の説得が功を奏したと見える。やや声が上ずっているのは、最後に彼等が酒でも酌み交わしたからのようだ。悪名を轟かせたとはいえ、死に臨んで盃を廻して互いを労う様は、一つの時代に頂点を極めた傑物たちの最期に、ふさわしいものなのかもしれなかった。

 アクバルの声が聞こえた時には、リューシャは嗚咽の声を漏らした。だが、取り乱す様子も無く、現実を厳粛に受け止めるように体を硬直させていた。

 更に2時間程すると、円筒形建造物に乗り込んだ兵達から、集団自決した者達の遺体を発見した、との連絡が入る。ファル・ファリッジやアクバル・ノースラインを始めとして、およそ千人の軍事政権中枢の執権者や将官等が、折り重なるようにして死んでいたらしい。酒瓶を挟んで互いを見つめ合うように横たわるファル・ファリッジとアクバル・ノースラインの表情は、穏やかで、少し笑っているようにも見えた、という事だった。

 全ての報告を聞き終え小さく頷いたリューシャには、深い悲しみの色は見えても、怒りや反発の感情は見えない。左目からの一筋の涙と共に、決意を持って次の時代へと、彼女も進んで行くようだ。たとえどんな屈辱に塗れようとも、命懸けで与えてもらった命を、最後まで命懸けで生き抜く覚悟を、アジタは彼女から感じ取っていた。

「よう、アジタ。無事に抜け出して来たな。なかなか見つからねえんで、戦闘に巻き込まれて死んじまったのかと、心配したじゃねえか。」

 そんな通信が彼の宇宙船に届いたのは、軍政幹部の集団自決の報から3時間も過ぎたころだっただろうか。彼の宇宙船は、「エッジャウス」からはずいぶん離れた位置にまでたどり着いていた。

「カイクハルドか。久しいな。とうとう、やり遂げおったのう。一介の盗賊兼傭兵の身の上で、一国家の回天にこれほど深く参画するとはな。」

「はあ?何の事だ?俺達は、好き勝手に暴れ回って、気に食わねえ奴に噛み付きまくってただけだぜ。」

 カイクハルドの言葉に、アジタの頬はたちまちにして緩んで行く。これほど清々しい気分になるのは久しぶりだ、との実感がアジタを満たす。笑い声も、自然に零れた。

「あっはっはっは、そうか。いずれにせよ、お前も無事で何よりだ。『ファング』に入ると聞かされた時には、10年以上後にも生きて再会できるなどとは、思いもしなかったからな。」

「無事なもんかよ。もう3分の1以上が、やられちまったんだぜ、この戦闘で『ファング』は。混戦になると、どうしても、損害が大きくなっちまうんだよな。」

「もう、お前達が戦う必要など、無いのではないか?」

 努めて軽快に話すカイクハルドの、心底に滞積するものを感じ取り、アジタは思わずそんな意見を口にした。

「そうなんだがな、パイロット共が、やらせろって聞かねえんだ。だから、好き勝手にやらせている状態だ。好き勝手に暴れて、次々と、好き勝手に死んで行ってやがるぜ。もう、単位ごとに分かれての乱戦が定着しちまって、誰がどこで何をやっているのか、さっぱりだ。降参した敵艦に乗り込んで、女共を片端から漁りまくってる不届きな野郎もいるみたいだが、それも含めて、徹底して好き勝手にさせてるぜ。」

「そうか、好き勝手を徹底している、か。それは私も同じだな。自分勝手に軍事政権の可能性を信じ、支援し続けてきた。で、その結果、誰も救えず、何一つ改善できず、もしかしたら、この国の不幸の数を増やしただけだったのかもしれぬ。国の最底辺にある『アウトサイダー』に力を与え、存在感を示すお前達の活動の方が、正しかったという事なのかもな。」

「どっちかが正しくて、どっちかが間違ってる、なんてもんじゃねえだろ。あんたがいなきゃ、軍政打倒だって達成できなかったんだ。それに、軍政打倒が本当に『グレイガルディア』を良くするのかも、未だ分かったもんじゃねえ。誰にも、偉そうにする権利も卑屈になる必要もねえ。取りあえずは、目の前の戦争を早く終わらせよう。」

 軍政の最高権力者は、停戦を指示した上で自決してしまったが、戦闘は完全には収束していない。未だに頑強な抵抗を続ける部隊は、幾つもある。一度始めてしまった戦争を終わらせるのは、簡単では無かった。

 「ラストヤード」部隊に護衛されているアジタの宇宙船に、カイクハルドの単位も同行して、安全な宙域にまで移動した。「ラストヤード」の旗艦艦隊にがっちりと周囲を取り囲んでもらったし、戦闘宙域からも十分に距離を置いた。「シュヴァルツヴァール」も今はそこにいて、アジタの宇宙船と併進する形になった。

 補給の為に「ファング」の各単位は、代わる代わるに「シュヴァルツヴァール」への帰投を、何度も繰り返している。数十時間に渡って闘い通しだったので、カイクハルドは少し長めの休憩を、彼の単位に与える事にした。戦況から見ても、それ程焦って出撃する局面ではなかった。

 自室に戻ったカイクハルドは、扉が開くと同時に、ギョッ、とさせられる。

「な、何だよ、お前ら・・。3人揃って、そんな風に待ち構えるなんて・・・。そんな事、今まで一度も・・・」

 普段は、寝室に1人が待ち構えていて、それ以外は姿を隠しているものだった。居たとしても、ラーニーは彼の執務室に籠っているものだったし、他の女もリビングにいる事など滅多に無かった。

 それなのに今は、彼の囲っている3人の女が、リビングの扉に対して横一列の陣形で、彼を待ち伏せしていたように立っていた。

 ラーニー・ハロフィルドとペクダとミーム、それが彼の部屋の女住人だったが、3人の顔を同時に視界に収めるのも、これが初めてかもしれない。一番の古株は無論ラーニーだが、親密な時を過ごして来たのは、後の2人だ。

「もう、『ファング』が戦う必要は、無くなったのではありませんか?」

 3人を代表するように、ラーニーが口を開いた。

「そうよ。軍政は降参を宣言して打倒は成されたのだし、『ラストヤード』部隊の勝利は確定的なのじゃなくて?」

 ペクダが続き、ミームは、うんうん、と頷いている。

「俺達がいつ、誰かに必要とされて戦ったんだ。俺達はいつだって、自分達の為だけに、好き勝手に暴れ回ってるだけだぜ。何が成ろうが成らなかろうが、誰が勝とうが降参しようが、関係ねえ。暴れたい時に暴れて、噛み付きたい奴に噛み付く。そして奪いたいものを奪い、犯したい女を犯す。お前達も、そうされたようにな。今は、俺達は暴れてえんだし、噛み付きたい奴等が、周囲にうようよしてるんだ。」

「そうですか、では、まだまだ、出撃なさるおつもりですか。」

「あ・・ああ。」

 突き刺すように見つめるラーニー。唇を噛んでいるペクダ。ミームは、何故かうっすら涙を浮かべている。

「何だよ、お前らのその珍妙な顔は。いつもの事だろう?『ファング』が好き勝手に暴れまわるのは。」

「いいえ。」

 きっぱり、とした口調で首を素早く横に振ったラーニー。「この戦いが始まってからのあなたは、今までとは全く違います。今までは、戦いの後の、先々の些末な事まで、あなたは計画し、それを口にしておられました。ですが、この戦いの後の事を、あなたは何もおっしゃっていません。」

「そ・・そうか?そうだったか?俺には、自覚はねえが、軍政打倒が終わっちまったら、とりあえず差し当たってやる事もねえから、何も言わねえだけだろう。」

「・・それだけなら、良いのですが。何か、軍政打倒が終わった時点で、あなたや『ファング』も、終わってしまうかのような・・・」

「・・何だよ、それ。良いじゃねえか。俺が死んで『ファング』も終わったら、お前らは晴れて自由の身だぜ。根拠地で暮らすも良し、故郷に帰るも良し、別の生き方を探すも良し、思い通りの人生が選べるようになるんじゃねえか。」

「私達が」

 今まで黙っていた、ミームが口を開く。「今のこの生活が続く事を、望んでいるとしたら?」

「・・まあ、『シュヴァルツヴァール』が残ってさえいれば、ここを(ねぐら)にする暮らしは、続けていけるだろうぜ。」

「あなたがいなくなったら、今の生活が続いている事には、ならないでしょう。」

 ペクダが、非難口調で声を高めた。

「おいおい、何だお前ら、阿呆になったのか?俺は盗賊兼傭兵なんだから、いつ死んだって不思議じゃねえ身の上だろう。今までだって、ずっと、いつ死んでもおかしくねえと思って、やって来たんじゃねえのか?今更、俺が死ぬ事に、どうこう言ってくれてんじゃねえよ。だいたい、拉致して来られて無理矢理囲われてるお前らが、何でこの生活の継続を望むんだよ。」

「それは、私達の勝手よ。」

 ペクダは唇を尖らせた。「あなたが死ぬのも勝手だし、それは、今までも分かっていたわ。でも・・・」

「今までのあなたには」

 今度はラーニーが喋り出した。「生き残るための、執念のようなものが感じられました。いつ死んでもおかしくない、と思いながらでも、あなたからその執念を感じている限りは、そんな事は滅多に無いと思えました。それに、たとえそうなっても、受け入れられる気もしていました。」

「何だよ。俺が、生きる気力を無くしちまった、みてえな言い草じゃねえか。そんな事、あるかよ。」

「今までみたいな執念は、無いもん。作戦を絶対に成功させて、仲間を一人でも多く生き残らせてやるって意気込みが、この戦いでは、感じられないんだもん。」

 ミームが、言葉に力を込めた。

「知らねえよ、そんな事。お前らの、根拠もねえ一方的な思い込みだろ。」

 うんざりした顔のカイクハルドに、ラーニーがさらに鋭い眼光を叩き込んで来た。

「約束してください。必ず生きて帰る、と。次の出撃でも、絶対に死なない、と。」

「するかぁ!約束なんかするのが大嫌いだから、盗賊とか傭兵とかをやってるんだ。囲われ女の分際で、約束なんか要求できると思ってるのか?俺は好き放題に暴れる。死ぬ時は死ぬ。生きるのが面倒臭せえと思ったり、死んで行った仲間に会いたい気分になったりしたら、いつでも迷わず死ぬさ。お前らの事なんぞ、考えもせずにな。」

「そうですか。・・そうですね。私達はあなたに、何も約束してもらえない立場なのでしたね。捕虜や奴隷みたいな、ものでしたわね。」

 女3人が、同時に深い溜め息を付いた。交し合う視線からは、残念に思いながらも、納得があるようにも見受けられる。こうなる事は始めから予期していて、やっぱりそうなったわね、と確認し合っているような溜め息だった。

「では、私達も、思い残す事が無いようにしなければね。」

 ラーニーの顔が旋回し、再び鋭い視線をカイクハルドに向ける。

「そうね。私達3人共、未だに子宝にも恵まれていないし。」

「うん。これが、最後の機会になるかもしれないんだものね。」

「え・・ええ?」

 後退(あとずさ)るカイクハルド。「ま、まさかお前ら、2人一遍に、相手にしろなんて・・・」

 2人、という言葉に、ラーニーの眉がピクンとつり上がる。「この期に及んでさえ、未だに私は除外ですか」とその眼は物語っているかもしれない。

「私達は、結構よ。でも、ラーニーは・・・」

 ペクダがそう言い、ミームも続いた。

「そうよ。2年以上も囲われていて、未だに何も無いなんて・・」

「は?何だよ、それ・・・」

「まだ、熟成がどうのこうのと、おっしゃるのですか?」

 ズン、と一歩前に踏み込むラーニー。更に後退るカイクハルド。

「熟成してねえだろ、どう見ても。一目瞭然じゃねえか。」

「何の事なの?熟成って。」

 ミームは首をかしげる。

「ビルキースさんとも、楽しく過ごしたんでしょ?ラーニーがダメなの、おかしくない?」

 ペクダは、女ならではの筋の通らない理屈を振りかざす。

「馬鹿野郎!関係ねえだろ、そんなの。ビルキースとラーニーじゃ、全然違うし。向うは完全に熟成してるじゃねえか。」

「どうしても、ラーニーは熟成してない、なんて屁理屈を、言い張るの?」

「熟成してない、なんてわけの分からない言い訳を、まだ続けるわけ?」

 ペクダとミームの連続連携口撃だ。

「屁理屈でも良いわけでもねえよ。見ればわかるだろ?」

「ですから、私にも分かるように教えて下さい。私の、どこが、どう、熟成していないのですか?」

「だから、そんなん、一目瞭然だって言ってるだろう。隣を見てみろよ。ペクダともミームとも、全然違うだろ。もちろんビルキースとも、全然違うしな。ひと目見りゃわかるだろう、熟成してねえって!」

「分かりません。具体的におっしゃって下さい。何が、どう、熟成していないのか。」

「そんなもん、自分の眼で見て判断しやがれ。見れば分かる事なんだぞ。全然、熟成してねえって。」

「太腿の肉付きの話を、しているのですか!? 」

「ちがうわーっ!」

 今回の投稿は、ここまでです。   次回の投稿は、 '19/9/28  です。

 ファル・ファリッジとリューシャが、この大詰めに至って初めて登場しました。何度も話題には上がっていた2人でしたが、ご本人登場は初めてですし、リューシャに至っては、名前が出るのも初めてです。当初はもっと、軍事政権中枢の人達の悪政ぶりや専横ぶりを詳しく描こうかとも思っていたのですが、話が想定以上に長くなったこともあり、また悪政ぶりや専横ぶりも詳しく描こうとすると型には嵌ったものになりそうな感じもしたので、ここまで本人を登場させない描き方になりました。自分なりに、こういう‟悪役”の描き方が今後の課題だなぁ、なんて痛感させられています。完全に悪一色の人物なんて、描く気にはなりませんし、誰にでもそうなる可能性はあるとか、立場が立場なら自分だって同じことをしたかもしれない、なんてのを読者に印象付ける書き方をしたいところなのですが、難しいです。「ファング」やカイクハルドも、もっと‟悪者”っぽく描くつもりだったし、上手くいかないなあ・・・。というわけで、

次回   第88話 帝都にて三傑の鼎談   です。

 ‟三傑”が誰なのか、直ぐに分かって頂ける読者様は、相当深く物語をご理解頂けているのでしょう。ちゃんと読んだけど誰だか分からない読者様や、そこまで深くは読み込んでいない読者様がおられるようならば、それはまだまだ、作者が力不足なのでしょう。「ファング」が後にして来た「帝都」で、誰が何の為に顔を合わせるのか、是非ご想像頂きながら、次回をお待ち願いたいです。

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