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全マシ。チートを貰った俺の領地経営勇者伝 -いつかはもふもふの国-  作者: のみかん@遠野蜜柑
『領地経営』編

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第86話『湖』






◇◇◇◇◇



 ケイモノ……けもの隊の参加で騎士の人数が一気に増え、彼女たちの宿舎を増設したりと慌ただしい日々が続く。


 本日は水回りの工事をする職人を連れてきた連邦の商人、ジゼル・ウレザムと水道インフラに使う水源を二人で下見に行く予定が入っていた。


 いつも俺の護衛をしたがるベルナデットはイレーヌを始めとする獣人騎士たちに囲まれていたので置いてきた。


 後で恨みがましい目で見られるかな?

 でも、フレンズとの時間は大事にしてほしいからさ。

 悪意があってのけものにしたわけじゃないからわかってくれるよね?




「ブラックドラゴンから聞いたんだが、水源に使えそうな湖が魔境にあるらしいんだよ」


 町の外れをジゼルと二人で歩きながら説明する。


「なるほど……では、行きましょう、はいっ!」


「…………?」


 ジゼルが両腕を拡げて俺を見つめていた。


 果たして彼女は何を求めているのか。


「ヒョロイカ様、どうされたのです? 早く連れてってください」


 不思議そうに訊ねられる。不思議なのは君の行動ですよ。


「ヒョロイカ様がスキルで運んで下さるのでは?」


「いや、俺も場所わかんないから。ブラックドラゴンの背中に乗せてってもらうんだよ」


「あ、そうなのですか……」


 少しだけ残念そうに答えるジゼル。

 彼女は意外と甘えん坊なんだろうか?

 誰かに抱えられて移動することに慣れているような振る舞いだったが。


 ジゼルの慕うお兄様というやつが甘やかしているのかもしれんな。


 俺はそういうとこは厳しくする男だぞ。





『じろぉ、お待たせ~』


 しばらくすると、翼をはためかせたブラックドラゴンが上空から舞い降りてきた。

 巨大怪獣の来襲だけど領民たちはすでに慣れたもので、もはやノーリアクションです。

 みんなとっても逞しくなったね。


 さあ、黒の龍の背に乗って水場を目指そうか。





 ドラゴンに騎乗して空の旅。


 魔境の森の上をビュンビュン飛んでるよ。


「近くで見るとさらに迫力がありますねぇ……」


 魔境にそびえ立つ高さ1000メートル越えの塔を見てジゼルが呟く。

 鉱山を譲ってもらった代わりに俺が用意したブラックドラゴンの新居だった。

 その全体像はさながら大自然に屹立する巨大な墓石といったところ。


 高さだけなら同じものを一瞬で造れたのだが、安全性を考慮して強度重視で造ったせいで完成まで一か月以上も費やしてしまった。


 だが、おかげでブラックドラゴンが体当たりをしてもブレスをぶつけてもビクともしない無敵の建築物が完成していた。


「どや、すごいやろ?」


「はい。でも、近隣諸国で噂になってますよ。アレは魔王軍が作り出した新兵器なのかと」


「え、そんな騒ぎになってんの? つか、なんで他国に知られてんの?」


「それは周辺の土地からハッキリ見えますから……」


「あっ」


 よく考えたら大きさ的に遠くでも見えるの当たり前じゃん。

 うっかりしとったわ。

 てへへw


「そのうち各国から調査隊が派遣されてくるかもしれませんよ」


 うえ、それは面倒くさすぎる……。

 もし来たらどうやって追い返せばいいんだろう。

 担当者が不在ですって言えば納得してくれるかな。


『なになに? 新しい家にお客さんが来てくれるの?』


 ちげーよバカ。

 まったく、マイペースなトカゲ野郎だ。

 本当にこいつは困ったやつである。





 それから数分後、目的地に着いた。


『ここが湖だよ!』


 案内されたのはハッと息を呑んでしまうほど透き通った水で満たされた美しい湖。

 やべえ、水面がキラキラ輝いてる。

 見ていて心洗われますわぁ……。


「これは、どうやら聖水のようですね?」


 ジゼルが指先を水面につけ、ペロッと舐めて言った。

 へえ、聖水の湖ってすげえな。

 聖水には浄化作用があるから便器の掃除が楽に済みそうだ。


 実装できたら他国にない有能なトイレが完成するんじゃね?


「いいところだな。お前もよく来るの?」


『ぼくは滅多に来ないよ。ここに棲んでるオバサンが苦手なんだよね』


「オバサン?」


「オバサンってなんですか?」


 ドラゴンの言葉がわからないジゼルが俺に訊いてくる。


「いや、なんかここにはオバサンが棲んでるんだって」


「聖水の湖に棲んでいる……? それってもしかして――」



 そして、目の前でザババッと湖の水が吹き上がった。






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