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全マシ。チートを貰った俺の領地経営勇者伝 -いつかはもふもふの国-  作者: のみかん@遠野蜜柑
『全マシ。チートを貰った俺』編

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第33話『そうそうたる面子?』




 簡単に身支度を済ませ、用意されていた馬車でエレンの屋敷に向かう。

 馬車は思ったほど揺れがなかった。


「どうだヒロオカ殿。この馬車は乗り心地がいいだろう? 連邦国のとある商会が考案した馬車なんだが『さすぺんしょん』というのが使われていて、これがあると振動が驚くほど緩和されるんだ」


 なぜか得意げなエレン。

 正直、ふーんって感じだったけど、とりあえず『すげー』って言っておいた。

 つか、連邦国って? また知らん国が出てきたな。


 この世界には国が一体いくつあるんだろ。エレンに聞いてみると、この大陸には俺たち勇者が送られた四つの国の他に、カッツォ帝国、エビ連邦、それから属国の小国がちらほらあるとのことだった。


 国力を比較すると武力では帝国、経済力では連邦が頭一つ抜けていて、その下に四国が同列に位置しているらしい。

 ハルン公国と連邦国は国境が直に繋がっておらず、連邦の優れた商品を入手するには他国を経由しなくてはならない。

 そのため連邦の商品は公国内では貴重かつ、高価格で取り引きされていて、所持しているのはひとつのステータスになるのだとか。


 エレンが得意満面だったのはそういうことか。


「連邦の馬車は貴族でもなかなか持っている家は少ないんだぞ? ヒロオカ殿を迎えに行くのに失礼はできないから、無理言って使わせてもらったんだ」

 

 エレンはほんのり頬を赤くし、特別な馬車であることを強調して言ってくる。

 おもちゃを自慢する子供みたいでちょっと面白い。

 堅苦しい口調が目立ってたけど、意外と少女らしい子供っぽさもあるんだな。


 俺は少しほっこりした。





 それから馬車のなかでエレンは他国のことをいろいろ教えてくれた。


 大聖国には代々聖女がいるとか、共和国にはエルフの偉い人がいるとか、屋敷までの道のりで俺はそういう話を聞いた。


 あれ、聖女って勇者のビッチJKがそんな力を貰ってなかったっけ? キャラかぶってるけどいいのか? 『ふたりは聖女!』みたいな感じで魔王を倒すのかな。


 それは尊い感じがして、とてもいいと思います。

 でもあのビッチじゃなぁ……。

 まあ、なんでもいいか。


 ちゃんとノルマを果たしてくれれば。

 他のやつらが残りの魔王を倒してくれないと日本に帰れないからな。

 そこだけはしっかり頼むぜ。


 いざとなったら救援に向かってやらないこともないけど。





 エレンの家、エアルドレッド辺境伯邸に到着した。

 屋敷はめっちゃでかくて、武装した門番がいたり、白ひげの執事が出迎えてくれたりで俺はリアル富豪の社会科見学をしている気分になった。

 エレンが『お嬢様』と呼ばれたときは吹き出しそうにもなった。



「……ヒロオカ殿、何がおかしい?」


「…………」



 ふふ、怒らせちゃった。





 エレンに案内され、エレンの親父さんや他の冒険者が待っているという部屋に通される。



「よかったぁ、ジロー、エレン、ようやく来てくれたのね! ……もう、この雰囲気に耐え切れなくて大変だったのよ」



 部屋に入ると、デルフィーヌが心から安堵したように駆け寄ってきた。

 部屋には見知った顔が雁首を揃えてそこにいた。


 横柄な態度でふんぞり返り、椅子に座るホットドッグ。

 腕組みをして瞑目するバルバトス。

 そして露出ビキニアーマーファッションのクレマンス。


 あとはよく知らないやつらが二、三人。

 多分、B級以上の冒険者なんだろう。

 まあ、この世界基準で言えばそうそうたる面子になるのかな?


 ホットドッグとか絶対役に立たないと思うけど。

 肩書きだけは立派だからなぁ……。


 室内はデルフィーヌの言う通り、ものすごく険悪な空気が漂っていた。

 あからさまに冒険者を見下した様子のホットドッグとそれに苛立つクレマンス。

 厳つい顔で存在感を示しながら黙り込んでいるバルバトス。


 まあ、組み合わせがよくないよな……。デルフィーヌも自分を奴隷にしようとした男と同じ部屋に詰められて災難だったな。



 というか、エレンの親父さんは?



「エアルドレッド卿は少し席を外しているわ。すぐに戻ってくると思うけど」


 俺の誰かを探すような目線に気が付いたのだろう。

 デルフィーヌが教えてくれた。


「ところで……ジロー、ちょっとちょっと」


 手招きをされ、近づいてくるようにと言われる。

 お、なんだ。内緒話か? 

 デルフィーヌはエレンの顔をちらりと窺い、顔を寄せてきた。


「エレンのことだけど……悪く思わないであげてね」


「身分を黙っていたことか? 別に気にしてないぞ」


「ふふ、そうよね。ジローならそう言うと思った」


 デルフィーヌは小さく笑い、俺の肩をぽんぽん叩いてきた。

 よくわからんけど、信頼されてるってことでいいのかな。



「デルフィーヌ? ヒロオカ殿? 二人で何を話しているのだ?」

 


 不思議そうにしているエレン。

 なんでもないわ、とデルフィーヌは悪戯っぽく微笑んだ。



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