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全マシ。チートを貰った俺の領地経営勇者伝 -いつかはもふもふの国-  作者: のみかん@遠野蜜柑
『領地経営』編

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第104話『お客さんを迎える用意はバッチリだ』

間違えて104話を先に投稿していることに気が付いて103話を挿入しました。

八月二十九日より前に最新話を読まれた方はご確認下さい。


申し訳ありませんでした。





◇◇◇◇◇



「今日も一日頑張るぞい!」


 朝、目を覚ました俺はカーテンを開けて気合を入れた。

 なんと、今日は俺が領主に就任して初めて貴族のお客さんが訪ねてくるのだ。

 やってくるのは隣の領地を治める伯爵家の当主。


 なんか俺に挨拶がしたいんだってさ。

 どうして今頃? って思ったけど。

 きっと引っ越しでバタバタしてる時期を考慮してくれていたんだろう。


 確かに来てすぐじゃ人をもてなすことなんてできなかったしな。

 ありがたい話だ。


 それはともかく。


 お隣さんということは、つまりニコルコとは切っても切れない相手ということである。

 ご近所関係というのはとても大切だ。

 俺はマンション暮らしだったからそこまで苦労はしてないが。


 元の世界じゃ、近所の人に嫌われるといろいろ大変なことになる事例もあると聞く。

 例えば回覧板が回ってこなかったりとか。

 あるいは捨てたはずのゴミが玄関先にリターンしてくるとか。


 とにかく大変なのだ。



 俺はいずれ元の世界に帰る。

 そんな俺の失態が尾を引いて代々に渡る双方の遺恨になったりしたら一大事だ。

 未来のニコルコ領民のためにも、今回の相手に粗相はできない。


 立つ鳥跡を濁さず。

 責任は重大である。

 まあ、相手の爵位は俺より下なのでそんな畏まる必要もないそうだが……。


 それでも、段取りとかを考えて準備はしてきた。

 ジゼル経由で連邦の高級店から正装も用意した。

 お隣の――オットット・ネバーギブアップ伯爵を迎える用意はバッチリだ。


 何も心配はいらないだろう。

 え? 名前が違う? マジで?

 …………。


 たぶん、心配はいらないと思う。





 

 お昼過ぎ。


 俺は町の入り口でお隣さんを待ち構えていた。

 フォロー役にジャード。

 護衛にゴルディオンの爺さんを引き連れて体裁も万全。


 いつでもバッチコイだ!



「…………」

 

 

 お、高級そうな馬車が街道の向こうから見えてきた。

 エレンの家のやつよりかは数段ショボそうだけど。

 きっとあれがお隣さんの馬車だろう。


 町の入り口に着いた馬車は俺たちの目の前で停止した。


「貴殿はもしや、ジロー・ヒョロイカ辺境伯でございますか……?」


 馬車のなかから金髪のおっさんが慌てた様子で降りてくる。

 この人がお隣の貴族様かな? 服装も貴族っぽい裾が長くて金の刺繍が入ってるやつだし。

 いきなり本人が現れるとは少し想定外だったが。


 てっきり従者とかの人が確認してから出てくると思ってた。


「はい、私がジロー・ヒョロイカです。我が領地へよくぞいらっしゃいました。歓迎いたしますよ、ネイ、ネイ……?」


 やべっ、名前うろ覚えのまま来ちゃった。

 えーと、何だっけ、ネイまでは来てる。

 ネイネイ……。


 頑張れ、俺の記憶力、覚醒して思い出せ。


 ネイ、ネイ――


「ネイバーフッド伯爵です」


 ジャードが背後から小さく耳打ちしてくれた。

 サンキュー、我が内政官、頼りになる。

 後で肩叩きでもしてやろう。


「ネイバーフッド伯爵、お待ちしておりました!」


 俺はいい笑顔で伯爵に挨拶をする。

 いやぁ、危なかった。

 もう少しで名前を覚えてない失礼な輩と思われるところだった。


 でも、なんとか上手くやりすごせたぜ――と、安堵していたのだが……。

 伯爵は胡散臭そうな目で俺を見ていた。

 バカな……! 


 もしかして、誤魔化せてないッ!?


「あーその、ヒョロイカ殿? なぜ貴殿が自ら町の入り口で待っておられたのですか……?」


 ネイバーフッド伯爵は視線を泳がせながら言った。

 なんだ、そんな疑問か。

 バレてるわけじゃなくてホッとした。


 俺は友好的なスマイルを向けて、


「ほら、せっかくですし、町を案内しながら屋敷までお連れしたいなと。いろいろ気になることもあるんじゃないかと思いまして……ね?」


 ニコルコの町は以前と比べるとかなり文明的になった。


 そこら辺の変化がお隣さんにとっては恐らく相当な衝撃となるだろうから、俺自身がガイドを務めて説明すべきと判断したわけだが。


「き、気になることなど、わ、私は……!」


「迷惑だったでしょうか?」


「い、いえ、そんなことは断じて……ありがたき心遣いに感謝いたします……」


 ネイバーフッド伯爵は俯き、そしてなぜか身震いしながら答えた。

 え? なに? この人、もしかして感激してんの……? 

 そこまでのことか? 


 もしかして他の貴族からいじめでも受けてるのかな……。

 それで親切のボーダーラインが下がりまくってるとか。

 俺は内心で首を傾げながらネイバーフッド伯爵を先導するのだった。




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