第六部『カッターと粛正の時。』
隠しキャラ(かもしれない)
風紀委員、柊木冬夜の兄
生徒会顧問兼1-Sクラス担任
【柊木雪夜】登場。
「なんの騒ぎだ?叫び声が聞こえたんだが…」
騒ぎを聞いて駆けつけた担任の教師こそ
彼女が隠れキャラだと思っている攻略者。
風紀委員の柊木冬夜の兄であり、
春夏秋冬学園生徒会顧問兼1-Sクラス担任
【隠しキャラ? 柊木 雪夜】
『雪夜先生ぇ助けて!私怖いっ!』
「ぇ、晦?」
「……また、お前か十二月三十一日。
それと何度も言ってるが下の名前で呼ぶな。」
ほら十二月三十一日晦さんが上目遣いで迫る。
…さっきまで自分を庇ってくれてた
風紀委員は、もういいんですか?
自分ではなく兄の元へかけていく
想い人を見てどんな心境か
その辺、詳しく教えて欲しいものです。
「雪夜兄さ…柊木先生、彼女誰かに私物を盗まれてるんです。
その犯人を四季が知っているのですが匿名で誰が盗んだのか教えないんです。」
「…冬夜、お前、
この状況で犯人を引き出すつもりか?」
「…?そうですが?」
「よく考えてみろ、いくら物を盗んだといって
こんな場所で告発されたらそいつの今後の学園生活はどうなる?」
「晦の私物を盗んだんですよ。そのくらいの処罰は当然の報いです。」
「……本気で言ってんのか?」
『先生っ!私っ怖いんです!
誰かが私のもの盗んで…お願いっ先生っ私を守ってぇ…』
「……はあぁ、十二月三十一日…お前は後で生徒指導室に来い。少し聞きたいことがある。」
『っ!はぁい!』
瞳に熱を灯し
まるで愛しい人を見つめるように頬を赤らめた。
彼女は何か勘違いしてるようだが生徒指導室で
待っているのは甘い告白なんかじゃない。
先日、私が複数の男子生徒に襲われた時の話しだ。
実は以前から柊木先生には、
彼女にされた嫌がらせについて
証拠付きで事細かに話してある。
私を襲った生徒達は彼女のファンだったので
とてもわかりやすい嫌がらせだと思った。
あの時は先生が助けてくれたから
よかったものの普通そこまでしますか?
「あと四季は後日、
十二月三十一日の私物を盗んだ奴を教えてくれ。
生徒指導の元、厳重な処罰を下すから。」
「わかりました。柊木先生。」
『ちょっと、なんで先生だけフルネームで呼ばないの!
私の先生に気安く話しかけないでよぉ!』
「…は?」
私は基本的には他人をフルネームで呼ぶ。
気に入った人は別だが…何故、それだけのことで
彼女は怒っているのでしょうか?
常人である私には理解できません。
「ハァ…誰がお前のだ。」
柊木先生はため息混じりに
そう言って彼女の頭を軽く叩いた。
『な、なんでぇ!?好感度が足りなかったの?!
これも全部アンタのせいよっ!!』
鬼の形相で私に迫り
右手を高々と上げる十二月三十一日晦さん。
このくらい簡単に避けれるけど
ここで彼女が私を叩けば傷害罪でも訴えられる。
パチンっ)
しかし、私の頬に痛みは走らない。
目の前にはいつの間にか
間に入ったドM…もとい幼なじみがいた。
「…やっぱりルウちゃんじゃないと感じないなぁ」
『…?ってなんで春太くんがソイツを庇うのっ!』
「は?なんでぼくが大切な幼なじみ(女王様)守っちゃダメなの?
第一きみ、ぼくのルウちゃん(女王様)に
手を上げるなんて許されると思ってるの?
きみが裏でルウちゃんに悪質な嫌がらせをしてたのも
一般生徒を使って虐めてたのも皆知ってるんだから。」
……複製音が聞こえなければ、
凄くいい事言ってんだけどな……
ていうか君ヘタレ系わんこキャラじゃなかったっけ?
凄い冷徹じゃん。複製音と普段とのキャラの違いせいで
二重の意味で怖いんだけど…。
『なんでよっ!なんで!なんで!なんで!
なんでなんでなんでなんでなんでなんでっ!!』
十二月三十一日晦さんが唯一攻略出来なかった
春太に否定されて発狂する。
私はその声にびっくりして自分の机に
ぶつかりペンケースを落としてしまった。
ファスナーが開いていたみたいで
中身のシャーペンやらカッターやらが散乱する。
十二月三十一日晦さんは
落ちたペンケースを見つめてた。
正確には落ちたカッターを……
『…そうよ。アンタが死ねば私の思い通りのまま!皆私を愛してくれる!だってこの世界は女神様が不幸な私にくれた『ゲーム』の世界なんだもん!!邪魔な『バグ』は死ねっ!!』
カッターを拾い上げた
十二月三十一日晦さんはそのまま私を襲ってきた。
柊木先生と春太
…以外にも風紀委員も動いたが遅い。
私は軌道を逸らし、頬に傷を追う。
その間に生徒会長と
榎月夏目に取り押さえられた彼女は私に
暴言を吐きながら生徒指導室へ連れていかれた。
こうして私の長い1日が終わった。
最後に生徒会長や風紀委員や赤髪不良が
助けたのはこの騒動で
十二月三十一日への気持ちが無くなり、
ヒロイン(四季 閏)への好感度が上がったから
という裏設定がありました。
次で最後(の予定)。