第一部『どうやら私はヒロインに転生したようです。』
※注意、主人公が性格破綻者。
転生ものでよく乙女ゲームの
悪役やライバルキャラに転生したり、
ヒロインも転生者で逆ハー狙ってたり…
最終的に転生ヒロイン
『ざまぁ』な展開がテンプレですよね?
私も以前は
「転生ヒロインざまぁw」とか思ってましたよ?
「この転生ヒロイン馬鹿すぎだろ」とか
…思ってましたよ
自分が『転生ヒロイン』になるまでは…
私は前世(と言うのでしょうか?)では
普通の女子高生でした。
すこーし同級生より精神年齢が上で、
すこーし人と違うだけの普通の少女でした。
(数少ない友人には真顔で
『ダウト。』と言われました。何故でしょう?)
そんな極普通な平凡な私は
『そうだ 京都、行こう。』的なノリで
『そうだ 自殺、しよう。』と思いました。
死に場所は決めていたので
そこで、…多分死んでこの世界に来たのでしょう。
それにしても、
元の世界の死体は見つかったのでしょうか?
…私としては見つかっても見つからなくても
面白いと思うんでどっちでもいいんですけどね…
私の通う高校の近所の
人の寄り付かない古びた神社の雑木林の
奥にあった椿の木の近くで首を吊った。
隣で紅い椿が不気味に『ぼとっ』と音を立てて
私の足跡しかない冷たい土の上に落ちた。
これが私の見た最期の記憶。
素敵でしょう?椿の花と共に心中なんて。
別に死にたかったわけじゃないんです。
ただ生きたくなかった。それだけのこと。
それに死後、どこへ行くのかが
興味が湧いてしまって、
気づいたら自殺してましたねぇ。
『好奇心は猫をも殺す。』というやつです。
私的には地獄というモノが有るなら
即地獄行きだと思っていたのですが…つまらない
私が前世で買って進めることなく終えた
乙女ゲームの世界に転生したのです。
そこで自分がゲームのヒロインに
転生していることに気づき歓喜に震えました。
攻略者を堕として
カッコイイ殿方と恋人になれるから?
逆ハー狙ってチヤホヤされるから?
そんなのどうでもいいわ!
私はこの世に
人を狂わすような愛らしい顔に生まれた。
(普通の人が見たら純粋無垢な天使のようでしょうが
…あ、私はナルシストじゃないですよ?
よく考えてください乙女ゲームのヒロインが
ドブスでそんな奴が身の程を弁えず
スペックの高いイケメンと恋人に…
はい、そんな糞ゲー売れませんね。
乙女ゲーヒロインの愛され系の顔=今の私です。)
だって!この世界なら私の大切な人はいない!
私が今まで隠してきた本性のままに生きても
嫌われるという恐怖がないのです!
こんな素晴らしいことは無い。
私はこの世界では
自分(の本性)に素直(忠実)に生きることにしました。
あっでも、こんなことになるなら
ヒロインじゃなくて悪役に転生したかったな…
そっちの方がこの『ゲーム』を
面白おかしくできた…と思うけど…
「…ふふふ、楽しくなぁーてきちゃぁーた♪」
私は近い未来を想像して狂気的な笑みをこぼした。
近い内、『私』の前世の小説を書こうかなと思ってます。