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「へー、今日ギンキが人材回収していく日なんだー」
風邪気味のユウカは頷く
「・・・だから、カナコやハンサも」
「そっか〜、勇者一行もひとまず解散かー」
ユウカ率いる『勇者一行』は、『魔物討伐』を目的とした集団で、あくまで『魔王討伐』が最終目的ではないため、基本はいつも一緒のようだったし、魔物の悪行の一区切りがついたときにユウマはいなくなったのだから、現在は『世界の反逆者ユウマ討伐部隊』という名目で動いていたのだ
「そっか〜。なら私はルシファーを派遣させようかなー」
「・・・興味ない」
ユウカは外を見た。彼らはまだ言い争っているようだった
「まだやってるね〜。うるさいくらいに」
「・・・ごめんなさい。すぐ静かにさせるわ」
そう言うと右手を前に突き出して目を閉じた
「・・・『ピクシー』」
その声の後、彼女の右手の掌に、小さく綺麗な羽の生えた『妖精』が召喚され」
「 」
「・・・マオ、何かお菓子ない?」
「相変わらずよくこの小さい声を聞き取れるわねー」
数秒後、ちょうどマオのポケットにあった『フラッシュサンター』なるチョコレートをユウカに渡して、それをピクシーが受け取り、目にも留まらぬ速さで平らげた
「・・・ピクシー、いい?」
「 」
「『貴方のために頑張れる範囲で頑張るわ』ですって」
「解説ありがとう。あ、ケルちゃんも行って来て」
「「「わん!」」」
さらに数秒後、雷の音と犬の遠吠えと二人の悲鳴が聞こえた数分後、ミステリーサークルを玄関に描いて、犬にまたがった妖精が戻ってきた