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ユウカは今、唯一の親友の見舞いに来ていた
「ゴホゴホ・・・・・・」
「・・・昔からバカよね」
「ばがどはなにざ!」
「ほらほら水」
「・・・・・・ありがどう」
マオは昨日の一件で風邪をひいてしまったのだ
「ほら、『幸畑製薬』特製の風邪薬よ」
「ゔん、ありが・・・・・・って幸畑?!あの薬が抜群な!」
「あ、私そこの社長の一人娘って設定ね」
「へー、あだじど同じおがねもぢかー」
「だから、部屋が広くて寂しい・・・・・・」
「あ、それ分かる!」
二人は笑った
「あ、ユウカ。頼みがあるの」
「?なに」
「・・・・・・ユウマを昨日見たの」
ユウカは絶句した
「そりゃ、あたしもびっくりよ!でも家に帰るのを優先させられで追えなかっだの」
「・・・・・・分かった。探してみる」
「うん、お願い」
この後すぐ、周りを回ってみたけれど、ユウマはその日見かけることはなかった
「・・・ヘェ〜、ユウマがね〜」
その事をギンキに言うと、意外でもなさそうに言う
「だってよ、本当に見たのかが分からねーんじゃ調べようねーじゃん」
「・・・・・・うん、分かってる」
「・・・そんな顔するなよユウカ。俺らも全力で探してみるから」
「・・・・・・お願い」
「おう!大船に乗った気でいろ!」
「・・・・・・泥舟なきが」
「大船だ!」
「・・・・・・ありがとう」
「おうよ。だから、今は堂々としていてくれ。あんたに倒れられちゃこっちが困るからな」
「うん・・・・・・ところで、その荷物は何?」
と、ギンキが大きな荷物に部屋のものを入れているのを聞く
「ああ、明日から天人共に上役は任せて、俺とセンサとカナコの三人で分野を広げに行くんだ」
「え、じゃあ」
「ああ、しばしの別れさ」
「・・・・・・一人なの?」
「・・・・・・・・・そんな目で見んなよ・・・・・・・・・・・・しちまうだろ・・・」
「?」
「・・・・・・いや何でもねえ。別にケータイで連絡くれれば送り返してやるよ」
「・・・・・・分かった」
「・・・さて、そろそろ行くわ」
「・・・・・・またね」
「おう、またな」
そう言うと、ギンキは大きな荷物をぶつけながら部屋から出て行った
こうして、ユウカは一人ぼっちになったのだった
その次の日、ユウカはふらりと公園に来た
なんとなく会えるかな、と思うと
「あ、おねえちゃん!」
と二日前の少女が声をかけてきた
「おねえちゃん、この前のおねえちゃんは?」
「・・・・・・風邪ひいて寝込んでるよ」
「え!かぜひいたの?!」
「・・・・・・大丈夫よ。もうそろそろ治るからね」
「そうなんだー、よかったー!」
少女は曇らせた顔を明るくした。その笑顔にユウカも笑った
「ねえねえ!いっしょにあそぼ!」
「・・・ごめんね、私これから用事があるの」
「そっかー。またねー!」
少し残念がりながら、彼女は走って行った
『ねえねえあそほ!』
『・・・・・・わたしはいいの』
『いいからあそぶの!』
『・・・・・・うるさい』
『うるさいじょうとう!ねえあそぼうよー!』
『・・・・・・わかった、あそぶ』
『やったきまり!じゃあゆうかがおにね!』
『?!それおか』
『きゃーにげろー』
『・・・・・・にがさない』
ふと昔のことを思い出していた。昔に比べれば大人しくなった方なのだろう、と