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200文字小説

盆栽

作者: 平 啓

 辻市で盆栽を買った。高麗深山の松を模したと目深頭巾の売り子が言う。月夜では首を括りたくなるほど良い枝振りです。

 盆栽でかと笑い、早速夜の濡れ縁に置いてみた。月下に杯を重ねて眺めるが、枝の奥闇が異様に深い。

 思わず身を乗り出せば、やにわ一尺の松が見上げるまでになった。頭上の枝から紐が垂れ、首にするりと回って締め上げる。

 己れの悲鳴で飛び起きた。

 盆栽の枝陰には、いつの間に張ったか小さな蜘蛛の巣が揺れていた。


200文字小説は、小説の盆栽みたいなものでしょうか?

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― 新着の感想 ―
[一言] 闇の薫り、空気の重さ、首に巻き付く糸の冷たさまで感じられる作品です。 一文字の無駄もなく洗練された緊張感から、盆栽が大樹だと錯覚させられ、最後のオチでそしてやはり盆栽だったのだと遊び心に気付…
[一言] やるじゃん。上手いじゃん (`・ω・´)
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