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日陰の本棚  作者: invitro
【エッセイ】
22/23

ダイエットエッセイ②

 ―あらすじ―


 理解こそダイエットへの近道

 基礎編② + 食事の注意事項編


 全文訳2900字


 次は前回残した


②白色脂肪細胞の数を増やさないようにする

③白色脂肪細胞を不活性化させ中性脂肪を蓄えさせないようにする


 について説明していこう。




 ダイエットは痩せる前に、今以上に太らないことが大切だ。

 では脂肪細胞を増やさないようにするとはどういう意味か。

 脂肪細胞は中性脂肪を蓄えた状態を維持されると新しい働きをするようになる。それが細胞分裂と細胞分化だ。


※分裂とは自身の複製を作ること。

※分化とは成熟した細胞になる前段階の細胞(前駆細胞という)へ化学物質による刺激を与えて、特定の細胞に変化させること。



 中性脂肪はグルコース(糖)から合成されて白色脂肪細胞に保存される。要するに一度に血糖値を上げ過ぎなければ、中性脂肪はあまり合成されない。血糖値が上がることでインスリンが放出され、脂肪細胞は血液からグルコースを取り込むようになるからだ。

 つまりダイエット時の食事や間食で大切なのは、一度に食べ過ぎないこと。一度の食事量を減らして食事回数を増やすことで、一日に同じ量のエネルギーを摂取するにしても脂肪細胞にグルコースが取り込まれなくなる。これを生活習慣とすることで脂肪細胞の働きを徐々に減らし、機能できないようにしていけば白色脂肪細胞は増えなくなる。そしていずれ痩せ細った細胞となり、使われない細胞は休眠する。

 結論。食事によるダイエットは、不要なカロリーの総摂取量を減らすのは当然として、時間当たりの血糖値の変化を意識することも大切であると言える。




 ダイエット中の食事についての余談いろいろ


 女性のダイエットで、よく断食したり肉を食べないと言う人がいるが、長期で見た時これはかなり効率が悪い。

 先の文では血糖値を上げるのはダメだと書いた。しかし、下がり過ぎた状態を維持すると今度は身体が過剰にエネルギーを求めて脂肪を蓄えやすい体質になる。インスリン、コルチゾールといった脂肪を蓄えさせる為のホルモン、脂肪の分解を防ぐタンパク質が増加するリスクがある。

 カロリーの総摂取量を減らせば、脂肪を燃焼させてエネルギーを確保するしかないのだから痩せるのは当然だろう。しかし、体質としては痩せにくく太りやすいものへと変わっていく。負の循環にハマれば最後は体を壊すか手痛いリバウンドを喰らうかのどちらかだ。




 ダイエットをはじめたら顔や背中にニキビができた。なんて記憶がある人も多いだろう。

 これはおそらく豚肉や果物を食べなくなったために起きたビタミンB不足だ。栄養バランスが崩れれば、異変はまず皮膚に出る。ダイエットで痩せられても、ニキビが増えたり肌や唇がかさかさになってしまっては、追い求めていたはずの美からも健康からも遠ざかる。




 肉などの消化に時間のかかる物を敢えて食べることも必要だ。医師であっても栄養価だけで食事を考える人がいるが、人体は全ての臓器が影響しあっている。過度な食事の減量や偏食は、腸内細菌の種類や数の変動、消化器官の蠕動運動の減少をもたらし他の臓器に対して悪影響を及ぼすだろう。多くの臓器の代謝を下げると考えられる。




 また、女性の場合は特に多いのだが、タンパク質の摂取が足りないことで実際についている脂肪以上に太って見えていることもある。

 原因のひとつが筋力不足だ。姿勢を正して腹筋に力を入れれば、大抵の人は腹の贅肉が引っ込むだろう。しかし、脂肪細胞が突然消えるわけもない。普段からお腹が出て見えるのは、内臓を支える筋肉インナーマッスルがたるんでしまい、臓器が正しい位置に収まっていないからだ。臓器の位置がズレていれば、不自然な血管の圧迫などにより代謝も下がる。身体にとって良いことはまずない。筋肉の材料になるという意味でもタンパク質は摂った方がいい。


 筋力不足は四肢の末端にむくみを招くこともある。むくみが出れば、脂肪ではなく水分による体の丸みにより自分が必要以上に太っていると勘違いしてしまう。

 更に、絶食や偏食による栄養不足は血中のアルブミンを減らしてしまう不安もある。アルブミンは血液の中ではかなり分子量の大きいタンパク質だ。いろんな物質と結合して、それらを別の臓器へ運ぶという働きの他に、膠質浸透圧を維持するという役目もある。この膠質浸透圧とは血管内に水分を引き込む力を意味する。

 人体の水分量は体重の約60%。体重の約5%が血液だ。では血液以外の水分はどこのあるのかという話になるが、細胞内の水分(細胞内液)と細胞と細胞の間にある体液(細胞間質液)に含まれている。低アルブミン血症により膠質浸透圧が落ちると、血液に含まれるはずの水分が細胞間質液の方へ逃げてしまう。細胞と細胞の隙間に水分が増えれば、皮膚組織がぶよぶよに膨れたむくみとなる。つまり太って見えてしまうのだ。

 できるだけ栄養を摂りたくないと考えるダイエット中であっても、敢えて小さじ一杯のプロテインを飲むことが有効になる場合もある。




 ダイエットするなら野菜を食べろと言うが何故か。

 これは野菜に含まれる食物繊維を摂れという話だ。

 では食物繊維とは何か。

 食物繊維とは、食べられる物(人体にとって少量で明確に毒にならない物)の中で人間の消化器官で分解できない成分の総称である。暴論になってしまうが、人体の毒にならない・消化吸収できない繊維質はみんな食物繊維と言っていい。


 次に植物性食物繊維の働き。これは腸内の清掃が主な役割となる。

 正確に言えば、食物繊維は吸収されない程度には小さく分解される。トイレを思い出してもらえばわかるが、野菜を丸呑みしても完全な原形のまま出てくる物は少ないだろう。

 細かくされた食物繊維は水分と合わさり粘性の高い塊になって膨らむ。これにより、まず腸が刺激されて蠕動運動が活発になる。うねるような動きで小腸から大腸まで内容物の移動をスムーズにする。粘性の高い塊となった食物繊維は、多くの栄養素をその粘液でコーティングする。栄養素を分解・吸収されにくくする。また、腸内に溜まっていた脂や有害物をくっつけて便として排出する。

 分かりやすく言えば、食物繊維は食事のペースをゆっくりにする。そして食事の効率を落とす。体内に取り入れた栄養を吸収させず無駄に捨てさせる働きがあるとも言える。

 食物繊維自身にカロリーはなく、他の不要な脂分などを捨ててくれるのだ。先に書いたように血糖値の急速な上昇を防ぐコントロールにも有効なため、ダイエットに向いている栄養素となっている。

 また、食物繊維は人間にとって吸収できる栄養素ではないが、腸内細菌の中にはこれを餌としているものいるため、腸内環境の維持にも必要だ。






 ここまでを踏まえ、ダイエットで守るべきルールを以下に定める。


①消費カロリー以上に栄養を摂らない

②血糖値を上げ過ぎない

③血糖値を下げ過ぎない(運動時は別)

④運動で細胞内に溜められた中性脂肪を消費する

⑤筋肉をつけて基礎代謝を上げる


 この五つのルールを守り続けることで、白色脂肪細胞を縮小させ、徐々に働かないようにさせる。人体において、どの細胞も使われなければ機能を弱らせていくのは共通だ。体重を落とした後、日常生活に必要な分を除いて、白色脂肪細胞が簡単に糖を取り込まない、中性脂肪を合成しないような体質になれたら、そこで初めてダイエットは成功だと言える。


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