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3話 グリザイユの青春

「七祈くん。君はまだエロゲをやったことがないって言ってたよね」


 ビジュアルノベル研究部に入部して初めての正式活動日。部室に入った俺を待ち受けていたのは、三人の女子達だった。

 彼女達は入室した俺の手を引き、パイプ椅子に座らせて取り囲んできた。そして、出てきたのが一先輩のさっきの台詞だ。


 ……何故かは知らないが、微妙に物々しい雰囲気が醸し出されてる。この前まではあんなに仲良さそうだったのに何があったんだ?


「ええ、まあやったことないですね。ギャルゲー原作のアニメを見たことあるくらいで……」

「ときメモみたいな恋愛シュミレーションゲームもシュタゲみたいなギャルゲ要素のあるアドベンチャーゲームもやったことなんだよね?」

「言葉の意味は分かりませんが、どっちのゲームもやったことないのは確かです」


 それこそアニメを観たことがあるくらいだ。ギャルゲー以前に、俺はゲームと言ったらポケモンとかマリオとか雪音と一緒に遊べるようなものしかやったことがない。


「うん、いいね。それくらい真っ白な方が染めがいがあるよ。絃ちゃん! 朱莉ちゃん!」


 一先輩は不穏な言葉と一緒にパチンと指を鳴らす。

 名前を呼ばれた二人は音を合図に、部室の端に置かれていたホワイトボードを俺の正面に配置した。

 俺とホワイトボードの間に向かい合わせにされている二つの長机があるせいで、いかにも会議が始まりますといった空気だ。


「さあ入学式から一週間経ったことだし、今日から新生ビジュアルノベル研究部の活動を開始するよ!」

「はぁ……、結局俺達以外の部員は入らなかったんですね」

「悲しい事実は言わなくていーの! 去年の倍は入ったんだから豊作とも言えるし!」


 確かに二年生は桜野先輩だけだから、俺達二人でも倍ではあるだろうけど。あえて倍という表現を使うのは欺瞞でしかなくない?


「そんなことより! 記念すべき今年度第一回の活動は七祈くん! 君にエロゲ教育を行うことに決まりました!」

「およそ高校生とは思えない発言ですね」


 高等教育機関の中でエロゲについて教えてるなんて世間に知れたらPTAが黙ってないぞ。今更ではあるけど。


「ところで、同じ一年なのに何で山吹はそっちに?」


 部屋に入った時から気になっていたが、俺と同じ日に入部した山吹が完全に先輩側に立っていることに疑問を禁じ得ない。


「私はあんたなんかとは知識が違うから当たり前じゃない。それにあんたは先週一度も来なかったけど、私は毎日顔出してたしね。もはやほとんど先輩みたいなものよ。これからは呼び捨てじゃなくて山吹先輩と呼んでくれてもいいのよ? もしくは山吹先生でもいいわ」

「また変な噂を増やしたいのかお前は」


 クラスでの俺達の風評はまだ払拭しきれてないんだぞ。そんな中、先輩や先生呼びしたらどんなプレイをしてるんだと思われる。


「先週来なかったのは悪かったよ。正式活動日は今週からって聞いてたし、先週は雪音の部活も決まってなかったからこっちに来る暇が無かったんだ」


 部活に参加してたら雪音と一緒に帰れなかったし。だが、雪音も色々見学して最終的には女子バスケ部に入部したそうで、下校時間も遅くなるらしい。

 とりあえず、男子部と女子部が分かれてる部活で良かった。これで心配事は一つ減った。


「そんなわけで今日からは部活に参加させてもらいますけど……エロゲ教育って何ですか?」

「それはもう読んで字の通り、エロゲの教育だよ! この世にどんなエロゲがあるのかを知ってもらって、その上で七祈くんがどういうエロゲをやりたいか決めてもらうの!」


 一先輩はホワイトボードの前で拳を握りしめて熱弁する。


「いや、別にやりたいゲームがないわけじゃないんですが。アニメを観て気になったやつやりたいなーって思ってましたし」

「…………うん! それはそれでいーの! だけど私達の講義を聞いたら他のエロゲをやりたくなるかもしれないし、聞いて損はないよ!」


 少しの沈黙の後、一先輩は誤魔化すようにまくし立てる。

 ……怪しい。入室した時の強引さといい、何か他の目的があるように見えて仕方がない。


「…………」

「……んっんー……んー」


 物言いたげな目でジッと一先輩を見つめてみると、先輩は目線を逸らし鼻歌を歌い始めた。

 わざとらしい……! 逆に怪しすぎて怪しくなくなってくるレベルの怪しさだ……!

 現実でこんな誤魔化し方をする人がいると思ってなかった。


「はぁ……、白状するしかないですね」

「なんで!? まだ大丈夫だよ!」

「百パーセントバレてます。こうなれば全部言ったほうが話が早いですよ」


 桜野先輩は嘆息してから、ホワイトボードに文字を書き始めた。

 まずホワイトボードを三分割するように縦線を二つ入れ、それぞれの場所の上部に桜野、朱莉さん、波瑠さんと部員の名前が書かれていく。

 それらを書き終わると、桜野先輩は振り返ってマジックでホワイトボードを指す。


「七祈さん。今、ビジュアルノベル研究部は三つの勢力に分かれてます。詳しくは省きますが、推しジャンルの違い故の戦争ですね。誰も彼もが、自分のジャンルを主張して話し合いが平行線になってるんです。困ったものですよ、高校生にもなって他人の意見すら聞き入れられないなんて」

「他人事みたいに言ってるけど絃ちゃんも頑なに意見を譲らなかった一人だからね?」

「ま、待って下さい。それがなんで戦争になるんですか、ゲームなんて個々で好きなのやれば良いだけでは……」


 わざわざ喧嘩の火種を作らなくても個人が楽しめてればそれで済む話じゃないか。同じ部活の仲間で争わなくても。


「そうもいかないんですよ。一栄祭で優勝すれば願いが叶えられる話はしましたよね? その優勝賞品の使い道が決まりまして」

「俺がいない間に!?」


 仮にも部員なんですけど! ちょっとくらいは話を聞いてくれても良かったんじゃねぇかなぁ!?


「……私は七祈さんにも聞きましょうと提案したんですが、他の二人が反対してきたんですよ。事後承諾でもいいでしょう、と」

「提案したって言っても本当に軽く言っただけじゃない。事後承諾の話したら、桜野先輩も『それはそうですね』って一言も反対しなかったし」

「細かいことはいいじゃないですか。過去のことは忘れましょう」


 山吹に突っ込まれた桜野先輩はにっこりと笑って話を打ち切った。優しそうな見た目してるけど、この人も大概だな。


「まあ、いいんですけどね。三人が納得してるなら俺も従いますよ」

「七祈さんならそう言ってくれると思ってました! それでですね、話し合った結果、私達は優勝したら私達の望む私達だけの美少女ゲームを作ってもらうことにしました」

「はー、なるほど?」

「シナリオライター! イラストレーター! 歌手! 私達が神と崇める方々を学園長の力でお呼びして、私達のために美少女ゲームを作ってもらうんです! これほど贅沢なことはありません!」


 あまりピンとこないまま返事をしたら、想像以上の熱量で説明してくれた。

 確かに尊敬するプロの人達に自分専用の物を作ってもらうのは、この上ない幸せになるか。ビジュアルノベル研究部らしい願いでもあるしな。


「それで三人が争ってるのは人選をどうするかってことですか?」

「その通りです! シナリオにせよ、イラストにせよ、ルートによって別の方が担当するのはよくあることなのですが、私達の場合好きなジャンルが違いすぎて複数の方に依頼するのを前提としても意見がまとまらないんです」

「そこで月野木を調教しようって話が出たわけ。エロゲに造形の深くない月野木を上手いこと誘導して、自分の味方に付けようと三人共が画策してるのよ」

「明け透けだな!」


 思惑がバレたからといって言葉は選んでくれよ。というか賞品の話ばかりしてるけど、まだ四月だぞ。優勝どころか一栄祭が始まってもいない。まさに皮算用ってやつだ。


「……それ以前に、この部活で優勝って狙えるものなんですか? 部員数も来るか分からない部長を抜いたら四人です。競技内容は知りませんが、人数が少ないと厳しいって一先輩も言ってたような」

「何言ってるの! 不利だろうが何だろうが、やるとなったら優勝を狙う以外の道はないんだよ! 優勝出来なかった時のことなんて考えるだけ無駄なの!」


 一先輩の言葉に桜野先輩も山吹もウンウンと頷いている。

 ま、そりゃそうだな。言ってはみたものの、俺もやるなら優勝以外頭にない。勝負事は本気でやるからこそ楽しいんだ。


「じゃあ今度こそ授業を始めるよー! 七祈くんは心して聞くように! 多少偏った意見も出るかもしれないけど、全部飲み込んでいってね?」

「先輩、先行きが不安過ぎます」


 一先輩は可愛くウインクして惑わそうとするが、偏見も受け入れなきゃいけない授業とか嫌すぎる。


「大丈夫大丈夫。基本的な部分はちゃんとやるから」


 そう言って一先輩は三分割されたホワイトボードに横線を引いて、ボードを上下に分ける。

 そして下の部分にあった縦線を消して、左側にギャルゲー、右側にエロゲーと書いた。 


「まず、大きな分類として十八禁要素があるかないかで名称が変わるの。十八禁要素がなくて、女の子と仲良くなっていくこと目的とするをゲームをギャルゲー、同じことを目的としてて十八禁要素があるゲームをエロゲーって呼ぶんだ。それらを総称して美少女ゲームって呼んだりもするね」

「十八禁……」


 なんとなく分かってたことだったが、この部室には十八歳未満は禁止のゲームを置いてるんだよな……、山吹とか五年前からやってたとも言ってた。これは下手したら何らかの罪に問われるんじゃないか?


「安心して! ここにあるゲームは全部、部長や卒業生が買ってきてくれたものだから!」

「俺が気になったのはそこじゃ…………部長も高三なら買ってくるのは駄目では?」

「部長は二留してるから今年で二十歳なの。だからへーきへーき」

「それ本当に言ってもいい情報でした?」


 人によっては結構デリケートな部分ですよ? 


「本人は全く気にしてないから大丈夫!」

「それはまた……豪気な人なんですね」

「一応言っとくと、私もエロゲーを買う時はお兄ちゃんに頼んでるから心配いらないわ」

「別の意味で心配になるけどなぁ!」


 実の兄にエロゲーを買ってきてもらうとかどんな兄妹関係だ! 俺のことどうこう言えないじゃねぇか!


「俺はどっちかというと、誰が買ってきたかよりも先輩達がプレイしていいかが気になったんですけどね」 

「そこはノーコメント、でもプレイする人よりも購入した人に気を付けた方がいいのは確かだよ。沙織事件の再来になる可能性もあるわけだしね」

「沙織事件?」


 初めて聞く事件名だ。雪音に何を聞かれても答えられるようにニュースは欠かさず見ているが、沙織事件とやらは見た覚えがない。


「十八禁が出来たきっかけの事件だよ。昔に中学生がアダルトゲームを万引きしたことが発端でね、未成年に性的な興味を引かせるゲームなんてとんでもないってなったんだ。その時に万引きされたゲームのタイトルから付けられた名前が沙織事件。そこから十八禁シールが作られたり、ソフ倫が設立されたり、他にも色々アダルトゲームの歴史が変わる動きがあったんだよー。それから十八禁作品の販売も一層厳しくなって……だから私達は自分でエロゲーを買ったりしてないの。バレちゃったら色んな所に迷惑がかかるからね。おっけー?」

「お、オッケー」


 一先輩の眼力に圧倒されて、それ以上何も言えなかった。あまり触れちゃいけないことだったんだな……、まさか生まれる前の事件まで持ち出されて懇懇と説かれると思わなかったよ。


「うんうん。分かってくれたならいいよ。じゃあ続きだね、私達が主にやるのはエロゲーだからそっちから説明するね? 私達の議題も作ってもらうエロゲーのジャンルをどうするかだし」


 一先輩はそこで一旦話を区切り、ホワイトボードに文字を書き足していった。

 話の流れ的にエロゲーのジャンルと思しき熟語を、ボードの上半分に残された部員の名前近くに二、三個ずつ、更にボードの下半分にも複数個書き、一先輩は再びこちらに向き直った。


「まずね、エロゲーって言ってもエロに特化したものとそうじゃないものがあるの」

「? エロはエロなんですよね?」

「うん。エッチなシーンはもちろん全部にあるんだけど、どこに重きを置いてるかの違いかな。エロゲーの中でも物語の内容を重視して作られたものはシナリオゲーって呼ばれてるの。それで、そのシナリオゲーも話の方向性によって呼ばれ方が違ってね。例えば、ダ・カーポシリーズみたいに純愛の面が強いゲームは純愛ゲー、フェイトやディエスみたいにバトルを中心に話を展開する熱いゲームは燃えゲー、ゆずソフト作品みたいにキャラの可愛さで推していくゲームは萌ゲー……みたいな感じ!」

「そしてシナリオゲーの一つである泣きゲーを好んでプレイするのがこの私、桜野絃というわけです」


 矢継ぎ早にゲームの呼称を挙げていった一先輩が話し終えると、桜野先輩が一歩前に出て自分に手をかざした。

 桜野先輩は自分の名前の下に書かれた『泣きゲー』という言葉を指差し、一先輩の代わりに説明を続ける。


「泣きゲーの話をするならやはりKEY作品は外せないでしょう。AIR、KANON、クラナド、リトバス、サマポケ等々、枚挙にいとまがありません。アニメ化されている作品も多いので、七祈さんも聞いたことがあるタイトルもありますよね?」

「ですね、名前はちらほら……クラナドは観たことありますし」


 アニメを観始めた頃は絵柄が古くて敬遠していたが、最近になって観てみたら絵柄にも慣れてきて、最後には号泣したんだよな。家族の絆を感じられるシーンの数々に死ぬほど共感した。


「素晴らしいです。クラナドにはR18シーンがないので、正確にはエロゲーではありませんが……細かいことはいいでしょう。クラナドを観て感情が少しでも揺り動かされたなら、七祈さんには泣きゲーにハマる素質がありますよ」

「うーん……まあ、手は出しやすいですよね」


 そもそも俺がエロゲーをやりたいって思ったのも、エロいものをしたいのが理由じゃなくエロゲーが原作のアニメが面白かったからだ。

 そうなればエロが前面に押し出されてるやつじゃなく、シナリオ重視のものからやり始めるのが普通だろう。俺が知ってる作品も多分、シナリオゲーって呼ばれてる類のものばっかりな気がする。


「そうです! 友情! 愛情! 青春! これらが嫌いな人間はいません! だからこそ人は泣きゲーをやれば感情が動かされ、知らず知らずの内に涙を流すんです! 好きなヒロインを攻略しにいき、ヒロインの悩みを解決し、時としては主人公の悩みも解消され、長い長い物語の後に結ばれるんです! 操作した時間が長い分、キャラへの思い入れも深くなる! そこに感動の要素も強くなれば面白くならないわけがありません!」

「おお……!」


 確かに! 自分でキャラを動かすんだから感情移入もしやすくなる! 感慨もひとしおになるに違いない!


「分かってくれたみたいですね。素直な後輩を持って私は幸せです。後、純粋な泣きゲーだけではなく、あの晴れわたる空より高くのような青春を感じられるゲームや、グリザイアシリーズのように主人公とヒロインたちが絆を深め合い苦難を共に乗り越えるゲームも大好きです。そちらもぜひ。部活物は素晴らしいですよ、ええ本当に」

「良さそうですね。同じ高校生の話ならより親近感も湧きそうです」

「ではではお勧めのゲームとしてこれらを……」


 桜野先輩は即座に棚からゲームを十本前後持ってくると、俺の眼前に置いていきググッと差し出してきた。

 一つ一つの箱がでかいな、おかげでかなりの迫力がある。……これを全部やるとなるとどれくらいの時間がかかるんだろうか?


「待って! 絃ちゃんの口車に乗っちゃいけないよ!」


 桜野先輩が持ってきれくれたゲームをおっかなびっくり受け取ろうとしていると、一先輩が割り込んできた。


「泣きゲーは良いもの。それについては全く異論ないよ。泣きゲーに限らずシナリオゲーを一本やり終えた後の達成感は何とも言い難い快感だしね。だけど! シナリオゲーは話に力を入れてるからプレイ時間が長いの! 物によって違いはあるけど、大体どれも数十時間はかかるんだから!」

「そうね、プレイ速度によっては百時間近くかかるものもあるわ」

「ひゃっ……」


 それは……長いな。週三の部活で毎回二時間、頑張って三時間やったとしてもクリアまで二ヶ月以上かかる。それに部活を休むこともあるはずだし、最低でも三ヶ月はかかるとみていいだろう。最初の方の話とか忘れていきそうだ。


「偏向報道です! 二十時間くらいで終わるものもありますし、プレイ時間が長いものでも面白ければまるで気になりません! 時間はいつの間にか過ぎてます!」

「どうかな、七祈くんはエロゲ初心者なんだよ? ずっとパソコンの前に座って文字を読むのはしんどいはず。集中力は無限じゃないし、体だって疲れてくるよ」

「そ、そんなの精神が肉体を凌駕すればいいだけです! 集中力だって読んでる内にむしろ高まってきますよ! ねぇ!? 七祈さん!」


 過度な期待を持たれて恐縮だが、そんな攘夷志士みたいな精神性を求められても応えられるはずがない。こちとらただの男子高校生だぞ。謙遜でも何でも無く、どっからどう見ても普通の域を出ない。

 ……という自信のなさが表情に出てたのか、桜野先輩は鬼の形相で詰め寄ってきた。


「なんですかその顔は! 出来ますよね!? 出来ると言って下さい! 無理だと思うから無理なんです!」

「ブラック企業ですか!」


 しかもかなり下の人間を追い詰めていくタイプの悪しき考え方だ。無理だと思わなくても、無理なものは無理なんだと知ってほしい。


「はいはい、後輩をいじめるのはやめてね。ほら、しばらく静かにしてて」


 一先輩は荒ぶる桜野先輩の口に……なんか、真ん中にボールの付いた猿轡のようなものを取り付けて強制的に黙らせた。やたら手際が良かったんだけど、やり慣れてるのか……?


「絃ちゃんも協力的になってくれたことだし、続きを話すね」

「んー! んんー!」

「めっちゃ抗議してるように見えますけどね……」


 桜野先輩は口に嵌められた異物を取ろうとしていたが、その前に山吹に手を抑えられ呻き声を上げることしか出来なくなった。

 今、教師が部室に入ってきたら何らかの処分を受けることは免れない。


「シナリオゲーについてはある程度話したから次はエロに特化した作品、所謂抜きゲーについて話すね」

「また……えらく直接的な呼び方ですね」


 説明してる一先輩だけでなく、他の二人も平然としてその言葉を受け入れている。

 本当にここは高校の部室か? 三人共中身おっさんだったりしない?


「そこから先は私が説明するわ!」

「いや、まあ出てくるとは思ったよ」


 山吹は桜野先輩から手を放し、つかつかと俺の前まで歩いてきた。

 ホワイトボードに書かれた山吹の名前の下に抜きゲーって書かれてるし、さっきの桜野先輩と同じく、話したくてウズウズしてたんだろうな。


「月野木、あんたはエロゲーがやりたいのよね? 一般向けのRPGや格ゲーじゃなくてエロゲーをやりたくてここに来た」

「エロゲーがやりたかったっていうか、面白いと思ったアニメが偶然エロゲ原作だからってだけで……」

「言い訳はいいのよ! たとえシナリオが気になったんだとしても、そこにエロがあると知ったのならあんたは期待した! 可愛いヒロインのエロが見られるのではと心が浮足立った! そうよね!」

「うぐっ!」


 痛い所を突いてくる。そりゃあ俺だって思春期男子だ、やましい気持ちが無かったと言えば嘘になる。家には雪音がいるから、そういう部分は一切見せないようにしてるし、自室に卑猥な物も置いてないが、それ故にビジュアルノベル研究部にエロを求めていた。


「いいの、あんたは間違ってないわ。人間は本能的にエロいものが好きなの、抑圧する必要はない。理性なんて脱ぎ捨てていいのよ」

「それはよくねぇだろ」


 どさくさに紛れて人の尊厳を壊そうとするな。その発言を真に受けて、俺が明日にでも犯罪者になったらどうするつもりだ。


「私が言いたいのは、エロゲをやりたいならエロから逃げるなってことなのよ。エロゲは名の通りエロいゲームなんだから、エロを全力で楽しまなきゃいけないの」

「言いたいことは分からないでもない」

「抜きゲーとはその名の通り、抜かせることを目的としたドエロなゲームなの。シナリオの中にエロがあるんじゃない、エロの中にシナリオがあるゲームよ。だから、あんたは抜きゲーをやりなさい」

「……やっぱり分からなくなった」


 エロを楽しむだけならシナリオゲーでも出来るだろ。

 先輩達が教えてくれたことを鑑みて俺はそう思ったのだが、山吹は大袈裟にため息を吐いて肩を竦めた。


「はぁー……、駄目ね。全然駄目。エロは頭を空っぽにしてこそ楽しめるものなのよ。馬鹿みたいに馬鹿な話で、馬鹿みたいなエロを堪能するの。パンツに変身して女の子をクンクンペロペロしたり、なんの説明もなくヒロインが皆母乳を出したり、エロゲーを作るためにヒロインと変態プレイをしたり……そういうのが大切なのよ」

「お前の言ってること一個も理解出来ないんだけど!?」


 特殊な状況下での話しかない! 抜きゲーってそういうもんなのか!?


「普通のエロシーンばっかりの抜きゲーはないのか!?」

「普通って何よ。面倒くさいこと言わないで」

「こっちの台詞だよ!」


 言葉以上の意味はないから素直に受け取ってくれ! 普通の基準は人それぞれだけど、普通の限度を越えてるかどうかは分かるだろ!


「言い方を変えてやるよ、もっと現実的なものはないのかって話だ」

「ないことはないわ。だけどよく考えてみて、現実的なことは現実でやればいいのよ。エロゲではエロゲでしか出来ないシチュエーションを楽しむべきだと私は思ってるわ。それに、現実的じゃないって意味ならシナリオゲーだって充分現実的じゃないのよ。非現実的な話は受け入れられて、非現実的なエロシーンは受け入れられない道理はないでしょ?」

「う、あ……え?」


 た、確かに……? 現実で聖杯戦争は起こらないし、神族や魔族も存在しない。そう思えば、風変わりなエロシーンに突っ込みを入れるのも野暮か……?


「笑って、抜ける。抜きゲーには人間が感じられる幸せの全てが詰まってると言っても過言じゃないわ。なにも私は自分の好みを押し付けようとしてるわけじゃないの、あんたにも幸せのお裾分けをしたいだけなのよ」

「そうだったのか……」


 肩に手を置いて真っ直ぐ見つめてくる山吹の目は純粋そのものだ。

 ああ、俺は山吹という人間を勘違いしてたのかもしれない。欲望に正直で、見境がなくて、頭の中はR18なことで一杯なのかと思ってたけど、他人を慮れる良い奴じゃないか。考えてみれば、初対面の人間の道案内を自分から買って出てくれるような奴だ。聖人じゃないはずがない。

 そんな山吹が勧めるんなら、きっと抜きゲーも良いものなんだろう。


「分かってくれたみたいね。じゃあ手始めに私のお勧めとしてここら辺のゲームを……」

「ああ!」 


 デジャブを感じながら山吹が選んでくれたゲームを受け取ろうとすると、またもや一先輩が割って入ってきて受け渡しを阻止された。


「騙されないで七祈くん! 言葉を使い分けてるだけで、朱莉ちゃんも自分の趣味を布教しようとしてるだけだよ! 調教って言ってたのを思い出して!」

「ちっ」


 一先輩に止められた山吹は不機嫌な顔を隠そうともせず、俺と山吹の間にいる一先輩を見下ろす。


「邪魔しないでくれる? 私は月野木を幸せにするために行動してるの。波瑠ちゃん先輩に阻まれる理由はないわ」

「あるよ! そんな抜きゲーばっかりやらせて、七祈くんの我慢が効かなくなったらどうするの! 部室でナニカを始めちゃうかもしれないよ!?」

「……それの何が問題なの?」

「駄目だこの子! 頭が抜きゲーに侵されてる!」

「つうかいくらエロいもの見たとしても、公共の場でそんなことしませんよ」


 心配しなくても、TPOくらい弁えられる。するかもしれないと思われただけでも軽くショックだ。


「冗談冗談、七祈くんは朱莉ちゃんとは違うもんね」

「私だって部室でそんなこと……しないと思うわよ」

「しないって言い切ってくれよ!」


 目も泳いでたし明らかにする奴の態度じゃねぇか! 

 今も『するか……いやしない。……チャンスがあればするかも?』とかよからぬこと呟いてるし。


「あの痴態を見れば朱莉ちゃんが七祈くんのことを思って……とか殊勝なことを考えてなかったのは分かるよね?」

「ええ、目が覚めましたよ」


 山吹は道案内もしてくれたけど、あの日山吹が遅刻したのは(恐らく)エロゲーをしてたからなんだってことも思い出した。同じ沼に俺も落とそうとしてたわけだ。


「よし! じゃ、私の番だね! 朱莉ちゃんが自問自答の迷路に入ってる内に進めちゃうよっ!」

「はーい」


 桜野先輩、山吹、と来たし順当な流れだな。

 きっと一先輩の名前の下にあるジャンルの話をするんだろうけど……、


「リョナゲー?」

「おおっと! 大丈夫! 言葉の意味を知らなくても今から誠心誠意説明していくから!」


 ホワイトボードに書かれた文字を読んで首を傾げると、一先輩が胸を張って自信に満ちた笑みを浮かべた。


「私が推してるのは……言うなればフェチゲーかな? シナリオゲーにも抜きゲーにも一定数ある一つの性癖を突き詰めたゲームだよ」

「性癖を……ですか」

「そう! ロリゲー、熟女ゲー、巨乳ゲー、奇乳ゲー、スク水ゲー、金髪ゲーみたいに種類は様々! 人の性癖の数だけフェチゲーは存在するの! そして私が好きなジャンルこそがその中の一つであるリョナゲーなの!」


 なるほど、つまりリョナってのも何かの性癖ってことか。……この人は自分の性癖を人前で説明しようとしてるのか。


「リョナゲーのリョナって言うのはネットから出来た言葉で、猟奇オナニーを略してリョナニー、さらに短くリョナってなって定着したんだ。今じゃシチュエーションを指す言葉だね。一口にリョナって言っても定義は人によって違ったりするんだけど、私は羞恥や屈辱を感じさせる精神的苦痛、欠損や拷問、暴力による肉体的苦痛が起こるシチュエーションをリョナって思ってるかな。そういう恐怖や痛みを感じてる女の子を見て性的興奮を感じる人をリョナラーって言って、リョナラーが興奮するプレイばっかりするエロゲーがリョナゲーって呼ばれてるんだ」

「…………………………」

「波瑠さん。七祈さんに深呼吸する時間をあげて下さい。絶句してます」


 見てない内に口枷を外していた桜野先輩が一先輩を止めてくれた。とてもありがたい。数多の過激な発言を処理する時間が欲しかったところだ。

 この……輝いた目で俺を見てる小さな先輩がなんだ? 苦しんでる人に興奮を覚えるだって? 人は見かけによらないとは言うけど、それにしたってギャップが凄い。

 部室に初めて来た時にインパクトのある音声は流れてたし、薄々勘付いてもいたけど、本人から直接告白されると理解するのに時間がかかる。

 だって雪音より年下に見えるこの人が、まさか、なぁ……?


「絃ちゃん、朱莉ちゃん、どうしよう。七祈くんが私を見てフリーズしちゃったんだけど」

「仕方ないんじゃない? 素人がいきなりエロゲのコアな部分をぶつけられちゃあ混乱もするわよ」

「ですね。それに朱莉さんが言うならともかく、幼い波瑠さんが言うんですもの。整理する時間も必要になります」

「絃ちゃん先輩? 暗に私ならどんな性癖持っててもおかしくないって言ってる? そりゃあリョナゲーも人並みには嗜むけどね」

「幼いって……これでも最年長なんだけど」


 二人は苦言を呈していたが、桜野先輩の言う通りだ。

 リョナゲーの話をしたのが山吹だったら、俺もここまで動揺しなかったはずだ。山吹ならもうどんなゲームをしてても不思議じゃない。

 だけど、まあこれは俺の視野が狭かったってだけの話だ。凄い性癖をしてようと、他人に迷惑さえかけなければ自由だしな。誰が何に興奮してもおかしいなんてことはない。


「うん、大丈夫です。落ち着きました。すいません、ちょっと俺が世界を知らなさすぎて驚いちゃいました」

「ううん、いいの。こっちこそごめんね、朱莉ちゃんを挟んだから大丈夫かなって思ってアクセル全開にしちゃった」

「先輩達は私が何言われても傷付かないとでも思ってるのかしら……?」


 山吹は腑に落ちない顔をしているが、俺が部活に来てなかった時にも今日の比じゃないくらいヤバい発言をしてたんだろうし、この扱いも自業自得と言える。


「それに私はリョナゲー好きだけど、他の二人みたいにそれを押し付けたりはしないよ。好きになってくれたら嬉しいけど、無理に七祈くんにやらせようとはしないから」

「本当ですか? ……でも、一先輩も優勝した時のために味方を増やしたかったんですよね?」

「そうだね、だけど私はリョナゲーを作って貰いたいわけじゃないんだ。私は皆が自分の好きを追求できるように、ヒロインのルートごとにそれぞれ自分の性癖に沿ったものを作ったらって提案したの。だけど二人は徹頭徹尾、作品を自分の好きなジャンルに染めることしか考えて無くて……」 

「それは我儘ですね。高校生にもなって全く……」


 一先輩は一番年上だけど、年齢差は一、二歳だけだ。そんな人が大人な意見を出してくれてるのに自分の望みだけを叶えようとするなんて、あの二人はどれだけ子供なんだ。


「異議あり! 譲歩したって感じに言ってるけど、波瑠ちゃん先輩もフェチゲーを作ることは譲らなかったわ!」

「そうですよ! フェチゲーにはシナリオゲーも抜きゲーもあるのは分かってますが、フェチゲーというだけでかなり話の展開は限定されます! 結局は波瑠さんも自分の欲望を叶えようとしてるだけですよ!」


 黙っていられないとばかりに二人は一先輩に噛み付いてきた。

 しかし二人に糾弾された一先輩は反論を受け入れるでもなく、口を尖らせて不満そうにするだけだった。


「えぇー……、二人より皆の意見を聞こうとしてるのは間違いないでしょー? 性癖自体は皆持ってるんだし」

「私の性癖は一つや二つで収まるものじゃないわ。両手両足の指で数えても足りないくらいはあるの。それらを同居させるには抜きゲーが一番なのよ」

「私は美少女ゲームにアダルト要素をあまり求めてないんです。無ければ無いで物足りないと感じるのも事実ですが、18禁シーンにフェチと呼べるほどもこだわりももってません」

「ね? 二人共ずっとこうやって私の話を聞いてくれないの」

「とりあえず一先輩も二人と大差ないことは分かりました」


 譲れない部分が三者三様あるみたいで、これじゃ話し合いがまとまらないのも無理はない。


「そんな! 七祈くんまでそんなこと言うの!? 七祈くんだってゲームに反映させたい性癖くらい持ってるでしょ! 私に賛同してくれればそれが叶えられるんだよ!?」

「言われましても……」


 男子として女子には興味はあるが、これといって特徴的な性癖は持ってない。

 特殊なプレイを見てみようと思ったこともないしなぁ……。


「そんなに難しく考えなくてもいいよ。ただ、心の底から好きと言えるものを思い浮かべてみて。それが性癖にも繋がってるはずだから」


 頭を悩ませていたら一先輩が迷える子羊を導く顔で助言をくれた。

 性癖の話でさえ無かったら敬虔なキリスト教徒にも見えたかもしれない。


「心の底から好きと言ったら考えるまでもありませんね。我が愛しの妹、雪音一択です」

「あ、ああー……うん」

「なんで俺が雪音の話をしたら、一様に微妙な表情をするんですか」


 納得がいかない。純粋に家族として雪音を愛してる俺よりも、他の部員の方がよっぽど変人なはずなのに。


「いやね、妹萌えっていうのも一大ジャンルと言えるくらいメジャーな性癖ではあるんだよ。超有名所で言うならシスタープリンセスや加奈、さらに時代を遡って夢幻泡影……それと妹ゲーとはちょっと違うけど歴史的な妹キャラを生み出した同級生2とかね。一ゲームに一キャラは妹キャラがいた時代もあるし、フェチゲーの中でも一番数が多いかもしれない性癖かもしれないね」

「いいじゃないですか。そんなにありふれてるなら俺に引く理由はないでしょう」

「そうだねぇ……、私達も七祈くんの性癖に引いてるってわけじゃないんだよ」


 一先輩はそこで一度言葉を区切ると、凄く気まずそうにしながら見上げてきた。


「……七祈くんって二次元と三次元の区別はつくタイプ?」

「つくに決まってるだろ!」


 やべ、つい語気が荒くなってしまった。

 だけどあんな質問は、つかない可能性があるって思ってないと出てこない。その失礼極まる評価を撤回させるためにも、ちょっとくらいの粗相は許してもらいたい。


「ほんとに? ひた隠しにしようとしてるわけじゃなくて?」

「なんでそこまで疑うんですか!? 今までそんな片鱗見せたことないでしょう!? 大体、仮に、万が一、百歩譲って、俺が二次元と三次元の区別がつかないとして、妹とのことと何の関係があるんですか」

「いやー……、ほら、もしも七祈くんがそういうタイプだったら、妹ゲーの影響で現実の妹にも同じことをしちゃうんじゃないかなぁって不安になって……率直に言うと雪音ちゃんに手を出しそうで怖いんだよね。性的な意味で」

「オブラートって知ってます?」


 包み隠さなさすぎる。何かしらのハラスメントで訴えてやろうか。


「あのですねぇ。相手は妹ですよ、妹。女として見てるはずがないでしょう。妹ゲーに興味はあるっちゃありますが、プレイしたとしてゲームの妹と雪音を同一視するとかありえませんから」

「普通はそうなんだけど、あんたの場合やりかねないのよね」


 身の潔白を証明しようとしていたら山吹が横から口を挟んできた。

 この人達は何を根拠に俺をここまで疑ってるんだ。


「心外そうな顔してるけど、あんたがクラスで付けられてるあだ名教えてあげましょうか?」 

「あだ名? 入学して一週間でもうそんなの付けられてるなんて、俺って実は人気者だったのか……?」 

「私が知ってるのもあくまで一部だけど、例えば……常識と倫理の向こう側、シスコンの擬人化、こんな兄は嫌だ、ストーカー予備軍、現代の闇、妹暴走機関車、スヌーズ思い出話、とかかしら。短期間でこれだけのあだ名が付けられるなんて、確かにある意味人気者ね」

「あだ名っていうか悪口が羅列されただけなんだけど!?」


 本当に!? 本当にクラスメイトからそうやって呼ばれてるのか!? もはやそれはいじめじゃないのか!?


「人聞きが悪いわね。ちょっと攻撃的でお茶目な愛称じゃない」

「蔑称だろ!」


 どこにも愛は感じられなかったよ! むしろ人間の悪意を垣間見たわ! 

 こうなったら先輩から注意してもらうしかない。陰口なんてしたらいけないと。


「今の聞きました? 先輩達から厳しく言ってやってくださいよ!」

「え? そうですね……、私は好きになる相手は自由だと思いますがお互いの同意だけは忘れてはいけませんよ? それに近親婚だと子供に遺伝子的な問題が出てくる可能性も高いので、出産はよく話し合ってから行ってくださいね」

「いや、俺にじゃなくてですね!」


 山吹に言ってくれって話だったんですけど!

 それに注意がことごとく生々しいのは何なんですか! 俺が雪音に手を出す前提で話してるし!


「まあ、七祈くんはしばらく妹ゲー禁止ね? 雪音ちゃんへの執着が薄れるか、エロゲーは創作だと割り切れるようになったら解禁ということで」

「大丈夫だって言ってんでしょ!」

 

 結局、この日は俺がいかに健全な意味で雪音を愛してるかを伝えるだけで部活が終わってしまった。

 ……活動初日なのにゲームを起動することすらしないとは思わなかった。あれだけ言葉を重ねたのに誤解は解けず、妹ゲーも禁止されたままだし。

 はぁ……、先が思いやられる。


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