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誰かの声ではっと目が覚める。
声の主は今居候させて貰っている家の三男で6人家族の1番下であり同じ年齢だったので部屋を一緒にされて小さな部屋の同部屋の住人であるアルコの声だ。
よっしゃーーー!と大きな声を上げたのでビックリしたがすぐに今日がスキルを貰える日だと思い出し自分も同じ歳なので今日がスキルを貰える日なのでステータスを早速確認する事にした。
ステータスオープン、小さく呟き自分のステータスを確認する。
名前 テンカ 男
年齢 8
スキル 天獄反転
職業
『天獄反転?聞いた事ないな、確か反転のスキルは下から反転、上下反転、空地反転の三つでスキルの中ではかなりのハズレ枠になる。』
それでもテンカは教会で職業を貰うと同時にこの家を出る事が決まっているのだから死活問題でありその理由は先に父がその後に母が亡くなり母の妹のリエットさんの所に8歳のこの日までは面倒見てくれる様になりそこからは自分で何とかすると言うのがこの家に住まわせて貰える約束だったので今日でこの家ともお別れだ。
この世界では8歳のスキル、職業が貰える日が独り立ちの日とされていて成人は14歳である。
テンカは冒険者になり身分証を手に入れて日銭を稼いで生きていくしかなかったので今日から冒険者として生きていく事になる。
この様な形は特段珍しいことでは無く家族の下の方なども8歳で騎士見習いや冒険者になったり
そしてスキルについて何か分かる事はと考えているとアルコから声が掛けられた。
おはようテンカ!俺のスキルは剛剣だったぜ!俺は騎士に志願するぞ。
剣術のスキルは3種類あり力、速、柔の3種、その中で更に3段階のスキルがあり真ん中の二つ目であるが剣術などの使えるスキルを引き当てる事がまず困難であり更に1番と言っていい人気を誇るのが剣術系統のスキルなのだ。
上から順に良いとされているが伸び方などに差がありどれも一丁一端で一つ目なら属性が付くが二つ目なら属性が付かない分補正力は高く三つ目は二つ目の下位互換とされているが二つ目の方が初期値がかなり高いのでほとんど知られていないが二つ目は早熟型三つ目は晩成型の伸び方をする。
一般的な冒険者達には属性付きが人気が高いが高ランクや貴族などは属性付きの武器を購入出来るのでそのレベルまで辿り着く者は少ないが力剣が1番と唱える一派も居る。
火剛剣、剛剣、力剣
力を込めて剣を振るう時に力に補正が掛かる。
風飛剣、飛剣、速剣
動きながら剣を振るう時に速度に補正が掛かる。
水流剣、流剣、柔剣
受け流す技術を使う時に技術に補正が掛かる。
『おはようアルコ、僕は天獄反転って言う、』えーー反転はハズレスキルじゃん残念だったな。テンカ今日家から出て行って冒険者になるんだろ?大丈夫かよと言いながらほら早く下に行って父さんと母さんに報告しに行こうとアルコに手を引かれながらリビングへとバタバタと音を立てながら向かった。
おはよう!アルコはリビングの扉を勢い良く開けるとそこにはアルコの父、母、兄、姉、次男勢揃いで降りてくるのを待っていたようでアルコは声を上げる、スキルは剛剣だったぞ!俺は騎士に志願するぞ!と興奮冷めやらぬ状態であったがそれを聞いてみんなは喜び父はアルコを抱きしめ母は抱かれている背中をさすり兄弟達はおーー!と声を揃えて長男から兄弟で1番の当たりスキルを引いたなと感想だった。
そしてアルコからテンカは反転だったらしいぞ、今日から冒険者でやって行くのに大丈夫かなー?と笑いながら喋りそして職業で当たりだと良いなとアルコはニカっと笑った。
そうだねと苦笑いしながら返事して朝飯を食べ終えると家のみんなから今日から頑張れよと兄弟からは言われ叔父さん叔母さんからは無理しない程度に頑張って死ぬんじゃないよと言われてからアルコと一緒に家を出た。
荷物はカバン1つで中には革性の水筒と革の手袋そしてなけなしのお金が入った財布だ、そして腰には叔父さんから小さなナイフを、そして叔母そんからはナイフのホルダーを。
決して良い物では無いがナイフはしっかりと手入れされている物で叔父さんが使用していた物を譲って貰った形でホルダーは叔母さんの手作りだ。
とてもありがたい贈り物でこれからとてもお世話になるだろうと思いながら感謝して家の前に並んでいるみんなにお辞儀してお世話になりましたと言ってから家を離れて教会を目指してアルコとこれからの事を話しながら歩いていく。
テンカはスキルがハズレでも職業がもしハズレでも上手くやって行けると思うぜ、だってうちに来た時ももっとゴタゴタとかするかと思ったし俺あまり同じ年の子と上手く仲良く出来なかったからテンカとだってどうせダメなんだろうなと思ってたけどテンカは多分俺の事を上手く誘導してくれてたんだろ?お陰で今までギスギスしてた奴らとも仲良くなれたし兄弟喧嘩だってほぼしなくなったしな。
もし食いつめて死にそうになってたらその時は俺が騎士になってたら飯くらい偶に奢るからさとそんな話をしながら進んでいきポツポツと教会に行く子達も見当たる様になりそして教会に着いた時には教会の周りに15〜20人程の集まりができた。
この教会は5つの村から子供達が集まり今年はかなり多い年だそうでアルコの姉の年は5人だったそうでかなり少なかったと話を聞いていたのでどれ位かと思っていたが近年では最多数の人数が教会に集まった様だ。
そして教会の前で司祭が子供から名前を聞き名簿にチェックを入れていきそして授かったスキルを司祭に報告させてから中へ誘導していきテンカもアルコと共に教会の中へと入っていく事になったのだがここでもアルコが俺はアルコ、スキルは剛剣で後ろの奴はテンカでスキルは反転だと言ってしまいそのまま通される事になった。
教会は何故スキルを提示させるかと言うと職業との組み合わせ次第で教会への就職が可能な場合があるのでスキルを開示させていてこれはどこのどこ国でも同じ仕組みとなっている。
勿論の事、支部の教会から情報が集められ各国の王都にある教会の総本部裏ではあらゆる所から寄付と称して情報が売り買いされている事実もあるので力のある貴族などは我が子の情報を開示させずその場合は多額の寄付と称して教会に金銭を支払う事になるがそんな事実を知らない者達の方が大多数である。
子供達は教会の椅子に並んで座っていき少し待つと神殿長が出てきて前に立ち後ろには教会の司祭や神父関係者がずらりと並び凄い圧迫感であるが神殿長は優しい顔をしながら話を始める。
ではこれより今年の職業のお告げを始める、まずは司祭に合図を送り司祭達総出で魔力を込めると神殿に魔法陣が現れ此処に1人ずつ入ってもらい入ると光のでそれがおさまったら出てきてそれを順番にしてもらいスムーズに頼むぞ、今年はただでさえ人数が多いのでなと言ってからではその手前の席の者から魔法陣の前に並んで早速始めようか。
神殿長がそう言うと子供達は我先にと行きたがるが神父達によって統制され椅子に座った順番のまま並び初めの1人目が魔法陣の中への足を進めると小さく1人目の男の子が光り5秒ほどで魔法陣から出てきて神殿長に職業はどうだったかな?と聞かれるとはい、僕は細工師と出ました。そう答えるとこれからの人生に役立てなさいと一言告げてから元の席に座って他の人を待っておく様にと言ってからでは次の者と言うと2人目が魔法陣の中へと足を踏み入れた。
そしてまた職業を聞かれ弓使いと答えてまた次へそしてどんどん進んでいきアルコの前の女の子の順番になり魔法陣の中へと進んでいくと今までとは違う光の強さで目も開けていられない程であったが10秒ほどで光は収まり魔法陣から彼女は出てきて神殿長に職業を聞かれると聖騎士と答えみんなは驚き拍手が巻き起こる。
聖騎士はパラディンと言われ職業の中でも一線級の超当たりスキルで戦闘系職業では最上位に当たる人気とそれに伴った強さを誇り更に神殿長が驚いたのは彼女のスキル、事前に教会はスキルを聞いていたので組み合わせもすぐにわかり彼女のスキルは水流槍、教会が喉から手が出る逸材が目の前に現れ神殿長はすぐに教会で働く気は無いかな?特別待遇を約束出来ると話しすると彼女はとりあえず即決はできないから考えるとだけ言い席へと帰って行った。
アルコはすげーなルーのやつ大当たりを引きやがったな、俺も負けてられねぇと気合いを入れて魔法陣へと足を進め中へ入るとまた同じレベルの光が起こり光が収まるとアルコは握り拳を作って神殿長に聞かれる前に職業を告げた、魔剣士だ。
魔剣士は属性魔法を剣に纏い戦える職業で適正によっては様々な属性を使いこなせ似た職業で魔法剣士があるがこちらは器用貧乏になりやすくあまり人気の職業ではないがそれでも当たりの職業である、しかし魔剣士は属性が付くのみで戦闘能力としては剣士の技量が最優先されるので強い剣士になれば成る程に戦える幅が広がりそして何より強さ希少性人気全てにおいて聖騎士と並ぶレベルである。
神殿長はアルコにも教会に勧誘し君には騎士団から勧誘もあるだろうし更にはもっと上にまで話がいくかも知れないから親御さんとも話し合いよく考えて人生を選ぶんだよと声を掛けてアルコも席に戻った。




