結果発表
お久しぶりの方はじめましての方それぞれよろしくお願いいたします。
最近の俺の日々の時間割はルーティン化されつつある。
まず朝起きて朝食を取りながら昨晩やった暗記物が頭に入っているかの確認をして、学校へ行く。今学校の授業で勉強している範囲は次の学力テスト外なので、学校は体力回復に充てるため基本的には寝ている。そして家に帰り、西大路に勉強を教えてもらい、西大路が帰った後はぶっ倒れるまで1人で勉強して、アラームで朝目が覚める。そんな感じだ。
ちなみにぶっ倒れるまでというのは誇張表現ではなく、本当にぶっ倒れるまで勉強している。
俺は集中力を極限まで高めるという特技を持っているが、それは仕組みを言ってしまえば通常脳がこれ以上集中しすぎると危険だと無意識にセーブしているものを意識的に無視して自分のできる限界に集中力を持っていくということだ。
つまり身体の危険を知らせる警鐘を無視しているので限界が来れば、倒れてしまうのが道理だ。
初めて限界を超えて倒れてしまった時は怖かったが、その時に出た結果はそれまでよりも確実に良化していたので、当時の俺は兄貴に勝つために何度もこの集中を繰り返した。
中学二年の時に初めてこれができるようになってから、中学三年で心が折れるまで要所でこれをして倒れてきたが、限界を超えて倒れるだけでそのほか特にペナルティないので、今でも安心してこの特技を使っている。
まぁだからって体に良いってことは絶対にないと思うのでこういう要所以外では使うべきではないと考えている。
そしてそんな日を繰り返すうちにテスト当日になった。
西大路からは『今までの成果を出せるように頑張ってください!』とメッセージが送られてきた。今まで勉強を教えてくれた西大路の為にも今日は結果を出さないとな。
今回の全国学力テストは学内順位など特に出ないが、全国で5教科の総得点が上位10位以内だった生徒は成績優秀者として昇降口前の掲示板に名前と順位が張り出される。
兄貴に勝つのはまだ無理だろうが、まずは掲示板入りを目指そう。
俺は学校に行き、暗記科目の最後の詰めを行っていた。周囲はこのテストが特に成績などに反映されないからか弛緩した空気が流れていた。もちろん春川も爆睡だ。
そしてついに教壇に立つ先生の指示のもとテストが開始された。テストは一日かけて行われた。テストの中にはいくつか西大路の作ってくれた小テストの問題と被っているものもあり、今回は本当に西大路様様であるなと感じた。
「それでは筆記用具を置いてください」
教壇に立つ先生のその一言で今日のテストが全て終了した。テストの結果が発表されるのは今日からちょうど一週間後である。その日はそのまま家に帰宅し、西大路に改めてお礼のメッセージを送り眠りについた。
そして運命の結果発表の日がやってきた。今回のテスト西大路と解答を照らし合わせるなどして自己採点をしてみて手ごたえを感じた部分もあったが、それ以上になにかを背負って本気でテストを受けるという状況に身体が慣れておらず、その緊張での凡ミスが目立った。
テスト前の予想通りいきなり兄貴に勝っているなんてことはまずないがなんとか掲示板入りして俺の存在を兄貴に改めて知らしめてやりたいとは思っている。
登校してすぐに結果を見に行きたかったが昨日西大路から一緒に見に行こうという誘いを受けたので、一度教室に行ってから結果の張り出してある掲示板に行く。
教室に入ると西大路と春川が俺の席の近くで話していた。あの二人はテストが終わってから今日まで俺を介して仲良くなった。最近は俺と春川と西大路の三人で一緒に弁当を食べる仲である。
2人は俺が教室に入ってきたことに気づくと西大路は胸元辺りで、春川は腕をいっぱいまで伸ばして手を振ってきた。
「遅いよヒガシ―今日の主役はヒガシーなのに」
「おはようございます。東君」
「西大路も春川もおはよう。2人を待たせてしまったみたいだし早速掲示板を見に行こうか」
掲示板には意外と人が集まっていた。これで成績が決まるわけではないが誰が良い成績を残したのか気になるのだろうか。まぁ俺のように自分が上位十人に入っているか気になる人間も一定数いるだろうしある程度の人だかりができていてもおかしくはないか。
「なんだか東君のことなのに私が緊張してきてしまいました」
「あっそれなんかわかる俺もなんかドキドキしちゃってるよ」
2人は俺以上にそわそわしていた。人だかりを少しずつかき分けて進むとやっと結果が見える位置まで来た。さて俺の名前はあるのか...
10位 東 済人 425点
10位ではあったがなんとか掲示板に名前を載せることができ、俺はほっと息をついた。自己採点の結果が芳しくなかったこともあり、10位とはいえ無事掲示板に名前を残すことができたことに安堵した。
俺の結果を見た西大路と春川からそれぞれ祝福の言葉をもらった。西大路は俺よりもこの結果を喜んでくれているようでさっきから目がウルウルとしており、今にも泣きだしそうだ。
西大路のこういうピュアの部分にはいつも心を暖められる。しかしここで本当に泣かれてしまうと人だかりができてる分かなりの注目を集め、俺が有名な西大路を泣かせたというあらぬ噂が学校中を駆け巡ることとなるので抑えてほしい。喜んでくれる気持ちは嬉しいんだけどね。
そして改めて掲示板の内容を確認すると自分以外の知り合いで掲示板に名前が乗っていたのは3名だった。5位の西大路彩乃、そして3位の東条純子に満点で圧倒的1位の俺の双子の兄、東学人である。
変更点や今後の方針を活動報告に書いておきますのでよろしければご確認お願いします。
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