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やわらかいアレ

誤字報告、ブックマーク、評価、そして感想ありがとうございます。今日も失踪せずに済みました。

 放課後


 俺は帰りのホームルームが終わってすぐに家に帰った。昨日みたいに絡まれるような時間は俺にはないのだ。


 家に帰り、こうなってもいいように朝事前に部屋の清掃はしておいたが、再度おかしな点はないか確認した。


 室温もクーラーで適温に調節してあるし、部屋の匂いもそこら中にファブ○ーズを吹きかけまくったので大丈夫だろうし、飲み物に関しても何種類か用意したので西大路の好みのものを出せる。


 俺にできることは全てやったはずなのだが、なぜかそれでも心は落ち着かず、ずっとソワソワとしていた。自宅なのにインターホンが鳴るまで、リビングの真ん中で正座していた始末だ。


 そしてリビングで正座をすること15分後インターホンが鳴った。玄関の前についている来客用のカメラを見ると西大路が立っていた。制服でないので一度着替えてから来たようだ。


 ついに来たか...


 出迎えるために立ち上がろうとしたが足が完全にしびれてしまっていた。


 なんとか立ち上がって、壁伝いにヨロヨロと玄関に向かう。そしてやっとのことで西大路を出迎えた。


「すいません遅くなってしまって、色々と準備に手間取ってしまいました。というか顔色が優れませんか大丈夫ですか?」


 ここで正座のせいで足が痺れてしまったというのはさすがに恥ずかしいので言いたくない。


「大丈夫だ。なんでもない」


「そうですか?まぁ東君がそういうならいいですけど」


 西大路は訝しみながらも俺の答えに納得してくれた。


「いつまでも扉の前で話しているわけにもいかないし、どうぞ中に入ってくれ」


 俺はそう言って、西大路を家に招き入れた。


「んっ...!」


 俺は思わず声にならない声を出してしまった。


 西大路が玄関に入ってきた瞬間、鼻腔にほんのりと甘くて、フルーティーな香りがおしよせてきたからだ。


 そして西大路と物理的に距離が近づくことで気が付いたが、彼女の髪は前見た時よりも確実に艶やかでサラサラとしていたので、ただでさえ綺麗な黒髪が更に魅力的に感じた。


 確実にお風呂上がりだよなこれ?緊張しすぎて時間の感覚俺も鈍ってたけど、よくよく考えてみれば家来るまでに結構時間が経ってたのはそういう事だったのか。


 待て待て待て、今日の目的は勉強会だよな?俺の知らない間に異性の家に行くときはお風呂に入りましょうが世の中の当たり前になってたの?


「あの西大路さんや俺の勘違いでなければ、お風呂上がりですよね?」


 俺がそう声をかけると西大路はギクッという音が聞こえてきそうな感じで肩を震わせた。


「いえあの...その…最近暑いですから、汗かいちゃってて、勉強を教えるとなると至近距離ですし、それで東君に汗臭いとか思われたくなくて...」


 後半になるにつれて西大路は、か細くなっていく声でそう言ってきた。そういう理由なら香水とかでも良かったのではと思ったがこれは胸にしまっておこう...


 気を遣っていただいて大変結構なんだが、良い匂い過ぎるのも考えものなんだよなぁ...しかもこれから密室で至近距離で二人きりだというのに...


「そっそうだったのか、なんか気を使ってもらって悪いな」


 このままここで話していても埒が明かないので、もう切り替えてさっさと部屋へ行くとしよう。


 俺がさっそく部屋に行こうと促し、西大路が靴を脱いだので、俺は部屋へと進もうと一歩踏み出した瞬間、足に電流が走ったみたいな感覚に襲われた。西大路のお風呂の件のインパクトで完全に足が痺れている事を失念していた。


 俺はそこから、踏み出した先の地面がなくなったかのようによろめいた。なんとか体制を立て直そうと前に傾けていた重心を後ろに戻そうとした。


 しかし結果から言うとそれが完全に悪手だった。後ろに重心を戻すことには成功したのだが踏み出していない方の足も痺れていたので、体制を維持できずあろうことか西大路のいる方に倒れてしまった。


「東君危ないっ!きゃっ!」


 西大路は瞬時に俺を受け止めてくれた。おかげで後頭部を固い床にぶつけることはなかったが......


 俺の後頭部を固い床の代わりに受け止めてくれたのは、マシュマロのように柔らかく、弾力のあるアレだったのだ。


 やばいなんて柔らかさなんだ...というか距離がゼロ距離になったせいでさっきよりも西大路の匂いがより濃厚に...


「大丈夫ですか?東君!」


 西大路はかなり焦った様子で俺に聞いてきた。俺はその声で我に返った。


 そりゃ目の前で突然人が倒れたら焦るよな。


 いつまでもこの柔らかさに身を任せているわけにもいかないので、俺は西大路から離れて「大丈夫だ。心配をかけて本当にすまない」と声をかけた。


 西大路はそんな俺を見てもまだ心配そうな顔をしていた。こんな西大路を見て思うべきことではないのかも知れないが西大路は俺を心配するあまりに俺が柔らかいアレに触れたことは気が付いていないようだった。


 これ以上西大路が心配させて悪いので、ちゃんとなんでこんなことが起きたのか白状しよう。


 俺は自分の足が痺れていた事とその理由、そしてそれが理由でよろけてしまったことを白状した。


 それを聞いた西大路は「東君もちゃんと私が家に来ることを意識してくれていたんですねっ」とクスクスと笑った。


 そのクスクスと笑う様子はとても無邪気で、足が痺れていた経緯を聞かれて恥ずかしかったが俺もその様子には思わず微笑んでしまった。


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なんとか毎日投稿継続です。明日からも頑張ります...

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