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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

ハンサム令嬢シリーズ

獣人とハンサム令嬢と

作者: 菁 犬兎
掲載日:2020/07/17

ここは魔族の国デリタ。

この国では人間ではない者が数多く暮らしている。


私の名前はメープル。

獣人族という種族の生き物で、今は魔王様の宮殿で働かせてもらっている。


ここに来た当初は魔王様がナルシスト過ぎて、どうなる事かと思ったけど隣国から手違いで嫁いで来た人間エメ様のお世話係になってから概ね平和。


同じく獣人の従姉妹シロップと毎日頑張って働いている。


「シロップ、メープルおはよう」


そして、何故かその仕事が褒美になってる。


私達がお世話する事になった甘いマスクのイケメンが今日も朝から輝きを放っている。


そう私達の新しいご主人様は超絶美形のハンサムマンだったのだ。


え?なにそれ。どんな幸運?


「あれ?メープルそれ、新しいリボン?初めて見たけど、凄く可愛いい」


「あ、そうなんですよ。この前シロップとお出かけした時に見つけて・・・ねぇ?シロップ?」


新調のリボンを褒められて、ご機嫌にシロップを振り向いて見れば・・・ちょっと!シロップなんて顔?

スライムみたいに膨れて凄い不細工。


最近シロップはエメ様大好きを隠さない。

私、ちょっと心配なの。


だってエメ様は男性だけど、魔王様の婚約者なんだもの。

そう、何を勘違いしたのか、人間国。魔族は同性でも夫婦になれると思ってるみたいなんだ。人間ってやっぱ阿呆なの?


その流れで何故かエメ様、そのまま婚約者候補として魔王様のお側にいる事になったの。

・・・やっぱりうちの魔王様、馬鹿なの?


「どうしたのシロップ?ほっぺがやたらと可愛いけど。あ、いや。ほっぺ以外も可愛いけど・・・」


「きゃん!エメ様お上手ですぅ〜」


凄い。シロップの不機嫌を一瞬で相殺したよエメ様。

これ、無意識だよね?考えてやってたら凄いなコレ。


エメ様は人間で高位な出の方なのに、全然偉ぶらない。

ハンサムでモテモテなのに、謙虚で物腰柔らかくて、よく気が回る素敵な男性だ。


あと、男性なのに全然いやらしくない。

悪く言えば男性特有のフェロモンが少ないと思う。


これは私が獣人族で鼻が効くから思うんだけど、エメ様どうも女性に興味がないのでは?と私は思ってる。


「邪魔するぞ。そろそろ時間だ、出れるかエメ?」


「あ、カトラ。もうそんな時間?まだもう少しゆっくりしたいんだけど・・・」


もじもじしているエメ様に、私とシロップはすかさず両隣りに控えた。それでも躊躇うエメ様の為に頭を寄せてあげる。


「どうぞどうぞ。お好きなだけ撫でて下さい」


「えへへ〜!私エメ様に撫でられるの、大好きですぅ!」


「そ、そう?じゃあ少しだけ・・・失礼します」


そうなのだ。

私とシロップは獣人なのでケモ耳が生えている。


エメ様はどうも、私達のふわふわお耳が堪らなくお好きらしい。


「ああ〜ふわふわだ〜可愛いいなぁー」


これが他の奴ならば「げ!何コイツきっっもぉ!!女の子の耳撫で回して何デレデレしてんだ変態め!成敗してやる!」ぐらい言ってやるのだが、エメ様がやると全然そうならない。


寧ろ、こちらが癒される。

この人男の人なのに、なんでこんなに可愛いの?

イケメンで爽やかで可愛いってなんなの?最高かよ。


しかも撫で方が、とってもお上手。

毎回撫でられてウットリしちゃうのは、ここだけの話。


「うふぅ〜・・気持ちいい〜」


いや、ちゃんと隠そうよシロップ。

毎回そんな顔晒すから・・・。


「エメ、その辺にしとけよ。それ以上やると問題になる」


「ぴゃ!そんなぁ〜〜!!」


「ハッ!そ、そうだね。ありがとう二人とも、これで今日一日も頑張れる!」


撫でられておいてなんだけど、エメ様ってかなり変わっていると思う。だからかな?ここにいる人達、なんだかんだでエメ様に振り回されていると思うんだよね。


それは、例外なく今エメ様を止めたこの男にも言える事だと思うのだけれど。


物足りなそうに見送るシロップに、服を洗いに行くと伝えてこっそりエメ様達の後をついて行ってみる。


魔王様とエメ様の面会時間まで、まだ大分時間がある事を私は知っている。


シロップは気が付いて無かったけど。


「カ、カトラ。無理しなくてもいいよ?さっき二人に触らせて貰ったし、その。癒しの補充は出来たというか・・・」


「いいのか?俺はあの二人と違っていつでも触らせてやれる訳じゃねぇーぞ?エメがいいなら別にいいけど」


「・・・・うっ!ぐぅ〜・・・触らせて下さい」


やっぱりな。


宮廷の庭の奥、外からは死角になる場所でカトラは自分の耳をエメ様に触らせていた。

・・・それだけではなく、エメ様を自分の膝の上に乗せている。


何故、魔王護衛団団長が魔王様の婚約者を自分の膝の上に乗せている?私はカトラに激しく突っ込みを入れたいのだけど?


「お前、いくら許可が下りたからって余り女の体に触るなよ。勘違いされるぞ」


「そうだよねぇ〜。でも、目の前に柔らかそうな毛玉があるとついつい愛でたくなっちゃうんだよねぇ〜」


何故だろう。

男同士なのにエメ様がイケメンな所為か、それともカトラがガッチリした体型でエメ様が細く見えるせいか・・・カトラに抱っこされたエメ様を見ても違和感がない。


寧ろ、エメ様にドレスを着せたら仲睦まじいカップルだと勘違いしちゃいそう。


・・・勘違い、だよね?


「でも、不思議。シロップとメープルの耳を触らせて貰う様になって気付いたけど皆それぞれ毛質が違うんだよね。シロップはふわふわで凄く軽くてメープルは耳の毛束がしっかりしてて柔らかい。それでカトラは・・・」


カトラ?

なんでさっきからウットリした面持ちでエメ様を見て?

ちょっと前突然エメ様が撫でるのやめた時も様子がおかしかったけど、あの人本当に大丈夫なのかな?


まさか、撫でられるのが気持ち良過ぎて本物の犬に戻ったとかないよね?


「・・・カトラ?どうしたの?もしかして触り過ぎて気分悪くした?」


違う違う。

あの顔は、どちらかと言えばご主人様に気持ちいい場所を撫で撫でされて悦入ってる表情だから!これは、止めに入った方がいいかもしれない。


ないとは思うけど、カトラ男のエメ様にマーキングしたいとか・・・考えてないよね?


「・・・・・・噛み付きたい」


思ってたぁー!!

しかも言葉に出しちゃってるじゃない?

カトラそれは駄目だよ!同じ獣人の私でもそれは駄目だって分かるよ?一体全体どうしたらその結論にたどり着くの?


「え!?もうお腹空いたの?朝食食べて来なかった?私が食べられるのは困るから何か食べてから魔王様の所に行く?」


あ、そうか!

エメ様人間だから私達の求愛行動の事知らないんだ。

いや、知っててもコレは分からないだろうけども!


だって私もカトラの行動の意味が全く理解出来ないもんね?

あの人、なに言っちゃってんの?


「いや、腹は一杯だ。・・・エメ」


突入しよう。


あの人駄目だわ。

私、事態を甘く身過ぎていたわ。


なにエメ様の肩に顔埋うずめてんのー!?

許さん!!


『皆の衆ぅーーーー!私を、見よ!!』


思わず二人目掛けて走り出した私の真上から、大声量で声が降って来た。


それでその声の主は、やたらと眩しくて目障りなエフェクトかましながら二人の前に軽快に舞い降りて来た。


因みに着地した後【ジャッジャーン!】て効果音を出しながら決めポーズも忘れなかった。


あの。なんのおつもりか聞いてもいいですか?魔王アルガダ様。


「アルカダ様?どうされたのです?突然空から降って来て」


エメ様。平然と尋ねたよね?

いや、驚いてあげて下さい。


きっと今の、アルカダ様渾身の登場の仕方だったと思う。

まともな神経の持ち主なら、今頃恥ずかしくて地底に埋まってると思う。


アルカダ様まともじゃないから大丈夫だけども!


「どうもこうもない。いつまで経っても現れないから私自ら迎えに来てやったのだ!美しい私が映える最高の登場シーンを考えながらな。ちゃんと目に焼き付けたか?エメ!!」


「はい、しっかりと。衝撃的過ぎて忘れる事は出来ないでしょう。わざわざ迎えに来て下さり有り難うございます」


うわぁ〜エメ様。

よくもまぁそんな坦々と思ってもない事を・・・。


「うむ!では行くぞエメ!今日はこの艶々な髪の秘密を私自ら伝授してやろう!」


そういえば流石カトラ。

素早い動きでいつの間にかエメ様から離れてる。

そうそう離れて?


あと、次はあんな事エメ様にしたら絶対許さないから。


「カトラ置いて行かれちゃったね?」


「・・・居たなら止めろよ。・・・危なかった」


「え?カトラ、もしかして自分がおかしいって自覚あるの?」


ビックリ!

カトラ無自覚だと思ってたら違うみたい。

え?じゃあ本当にどういうつもりで?


「アイツの匂いヤバいんだよ。メープルは平気なのか?」


匂い?


エメ様は確かにいい匂いだけど・・・匂いでおかしくなった事なんてないけどな?それに、匂いでおかしくなるのって・・・。


「エメ様は男性だよ?いくら綺麗な方でもカトラがエメ様の匂いに誘発される事はないと思う」


「・・・だよな?なんなんだ一体」


私達は好きな相手を匂いで嗅ぎ分ける。

その匂いが好ましい程、相性も良いらしい。

私もいつか、そんな人に出会えたらいいな。


「あ、でも確かに・・・カトラから少し良い匂いがする!エメ様の残り香かな?確かに、これなら勘違いするかもね?」



「あん?ああ・・・くっついてたからなぁ。次から気を付けねぇと。魔王様がまたケモ耳付けるとか言い出したらたまんねぇ」


本当だよ。

あれ諦めさせるのにエメ様がどれだけ大変だったか・・・。

私も後から聞いて知ったんだけど?


魔王様に獣人の耳とか笑えない冗談だよね?

この国本当にまともな人少なくて困る。


あ〜エメ様くらい素敵な私の王子様、現れないかなぁ。






「・・・もう少し撫でたかったなぁ」


「エメ。私の本気を見せてやろうか?」


「アルカダ様がケモ耳を付けても撫でませんよ?偽物は本物に敵わないとアルカダ様が仰いましたよね?」


「ムムッ!?」


まぁここで働いてる間は無理か。

今は恋人を作る事よりも、エメ様のお側でお仕え出来ることが楽しいものね?


ところで、魔王様はいつエメ様との婚約を解消するのかしら?いくらエメ様がお気に入りでも、男のエメ様とは結婚なんて出来ないのにね?本当に困った魔王様だよね?






エメ様が実は女性だって知らなかった私はこの時こんな呑気な事考えてたの。


後に皆にバレて大きな騒動になるんだけど・・・それはまた、別のお話。


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― 新着の感想 ―
[良い点]  面白かったです。最後はお約束なのですね。 [気になる点]  モフ企画に感じました(笑) [一言]  読ませて頂きありがとうございました。
[一言] すみません。文章を間違えたので一度削除しました。再度、送らせていただきます。 入江です。 主人公が可愛いです( ^ω^ ) ハンサムなエメ様がカッコ良いし←。 そうして派手に登場した魔王様に…
[一言] ふぁぁぁエメ様天然タラシ~! 割烹見て速攻読みに来ましたよ!!! もーホントこれ面白い!大好き!!
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