表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界から来た女王蜂様は働き方改革を断行します  作者: 水渕成分


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/129

99 女王蜂様 新しい方はしっかり者

 カチカチッ カチカチッ


 うわっ、「オオスズメバチ」の威嚇音が大きくなった。


「そりゃあ、こっちの女王蜂様が彼氏とイチャついてるんだから、『オオスズメバチ(あっち)』も怒るわよん」


 蜂野先生~。イチャついてるって、僕が紗季未(さきみ)から蜂の針で殴られただけで……わあっ!


 カチカチッ カチカチッ


 ツッコミを入れている場合じゃなかった。でも、どうすれば?


 ◇◇◇


真理(まり)ちゃん。『オオスズメバチ(あいつ)』の目的は?」

 紗季未(さきみ)が淡々と三俣(みつまた)に問う。


「私はマリ・キウリと言ってる場合じゃないね。『オオスズメバチ(あいつ)』は偵察だよ。潰さないと本隊を連れて来られちゃうね」


「潰すには?」


「『ニホンミツバチ』は熱殺蜂球(ほうきゅう)って言って、『オオスズメバチ』囲んで球作って、蒸し殺すけど、この方法だと真ん中辺にいる仲間も死んじゃうよ」


「駄目だね。仲間を犠牲にする方法は使わない。私が女王蜂様と言うのならね」


 紗季未(さきみ)。いきなりかっこよくなってない? 僕が置いて行かれている感凄いんですけど……


 ◇◇◇


「新しい女王蜂様。僕が行きますっ!」

 そう言うが早いか筋斗雲に飛び乗った猿渡君(孫悟空)が「オオスズメバチ」に向かって、突撃する。


「頑張ってっ! 猿渡(悟空)君。でも、絶対に無理はしないでっ!」

 紗季未(さきみ)が声をかける。うーん。しっかりしてるな。これはいいタイミングで蜂野先生と代替わりしたのかも。蜂野先生だと全部ギャグにしちゃいそうだし。


 ガツンッ! ガツンッ!


 猿渡君(孫悟空)は如意棒を振るって、「オオスズメバチ」の頭部に打撃を加える。


 でも、駄目だ。押されている。首を振る「オオスズメバチ」の勢いの方が強い。


「女王蜂様」

「女王蜂様」

「女王蜂様」

 大暴れ(おおあばれ)大将軍(だいしょうぐん)のお三方、相変わらず息が合ってますね。


「何でしょう?」


「このままでは猿渡君(孫悟空)が危険です」

「このままでは猿渡君(孫悟空)が危険です」

「このままでは猿渡君(孫悟空)が危険です」


「そうね。押されてる」


「退却させてください」

「退却させてください」

「退却させてください」

 

「うん。退却させましょう」


「そこでっ!」

「そこでっ!」

「そこでっ!」

 三人の大暴れ(おおあばれ)大将軍(だいしょうぐん)はいきなり左肩をもろだしにする。

 

 僕は思わず目をそらす。この人たち変身前は女性だし……

 

 でも、やっぱ欠侘苛(けつだいら)(まん)さんだよね。上半身左側もろだしにしたところで、男の「おっぷぁい」。慌てて大損した。


 そんな僕の葛藤を尻目に三人の大暴れ(おおあばれ)大将軍(だいしょうぐん)はどこからともなく弓矢を取り出した。

「このわしがあの『オオスズメバチ』を撃ち落として見せましょう」

「このわしがあの『オオスズメバチ』を撃ち落として見せましょう」

「このわしがあの『オオスズメバチ』を撃ち落として見せましょう」


「うん。私が猿渡(悟空)君に引き上げるように言うから、そこで狙ってください」


 紗季未(さきみ)の言葉に三人の大暴れ(おおあばれ)大将軍(だいしょうぐん)は弓矢を引き絞る。


 ♪ちゃらら~ ちゃらら らっちゃら


 うわ、どこからともなく「大暴れ(おおあばれ)大将軍(だいしょうぐん)」のアイキャッチのBGMが……


 見れば蜂野先生が音源を流してるし。「自然の掟」で自分には「オオスズメバチ」退治はどうにもならないとか言ってて、そういうことは出来るの?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 紗季未ちゃんの覚醒っぷりが留まる事を知らない( ´∀` ) 漫画の方じゃ、オオスズメバチはテニスのラケット捌きでなんとか打ち落とせるような、小回りな機動はできないらしいって情報がありますが…
[良い点] ニホンミツバチだった! と思ったら、蜂球封印!? 先生は手は出せないけど、応援(煽り?)はできる感じですかねw
[一言] 紗季未は頼りになりますね。今までネタと思われた人たちが活躍するのは心が躍ります。  蜂野先生は平常運転で安心しました。  ではまた。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ