表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/129

61 女王蜂様 アップ用の動画を撮る

「わあ~っ、大変大変。さあさ、このソファーに横になって」


 蜂野先生は僕を校長室のソファーに誘導した。そして、何を始めたかというと……


「あ、男が出るか? 女が出るか? あ、男が出るか? 女が出るか?」


 蜂の針を振り振り、ソファーの周りを踊りだした。


 先生~。それは1970年代に、料理研究家の〇野レミさんがラジオでかまし、〇リフターズの〇藤茶さんがコントでやったギャグ~。古すぎます~。じゃなくてえ。


「…… 先生、真面目にやって下さい」

 ここは紗季未(さきみ)が静かに一喝。


「はっ、はひっ」


 ◇◇◇


「ところで、先生……」

 また大きくなったお腹を前に僕は質問。


「な~に? 妊夫(にんぷ)さ~ん?」


「ここまで引っ張っといて、実は僕のお腹が『空気入れ破裂ゲーム』の風船だったというオチはないですよね。それやったら、今度という今度はほんっきで、ほんっとに苦情が来ますからね」


「ぎっくう~」


 ちょっと待って、ぎっくう~って何? ぎっくう~って


 ◇◇◇


「先生。今のこうちゃんの質問にちゃんと答えて下さい」

 紗季未(さきみ)。いや、紗季未(さきみ)さん。どんどん迫力が増してきています。


「いやいやいや。や~ねえ。本当に『妊娠』してるわよお」


「だったら、ちゃんと対応して下さい。男である以上、自然分娩は出来ないでしょう」


「それはそうね。あっ、せ~のっ、どんっ!」

 蜂野先生が蜂の針を一振りすると……


 ◇◇◇


 とんがった髪の毛に、顔に縫い傷、真っ黒い服に変身! こっ、これは……


「ピーッノコッ! メスッ!」


「何です? 『ピーッノコ』って、私、『紗季未(さきみ)』です」


「ピーッノコッ! おまえは私の助手じゃないかっ! 最高の奥さんじゃないかっ!」


「何言ってるんだか、さっぱり分かりません」


 蜂野先生、大きな溜息。

「やれやれ。今の若い衆(わけえし)は『〇ラックジャック』も知らないの~。なってないわね~。深夜アニメで『ヤング〇ラックジャック』もやってたじゃん」


「そういう小ネタはいいので、こうちゃんを何とかしてやって下さい」


 て、言うか、また、僕のお腹が大きく…… わあっ!


 ◇◇◇


 僕の体の周りが白い光に包まれ出した。お腹の周りは見えなくなるほど強く白い光に覆われている。


「来た、来た、来たあっ! いよいよ始まったわねぇ~っ! これは『聖母マリア』以来の奇跡よん。私も初めて見るわ~」


 え? ちょっと待って、先生っ! 何、今の「初めて見る」って、何?


「あ、こうしちゃいられないわ。スマホ、スマホっと、動画撮ってアップしないと~、これはいくつ『いいね』がつくかしらん、楽しみ~」


 先生、完全に他人事だと思ってますね。紗季未(さきみ)も呆然として、突っ込む気力を失っているし……

次回で決着します。多分……

空気の入った風船が破裂するオチはないです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 異世界人が、生き物の、男女を超越した妊娠を自由に実現させようだなんて……おこがましいと思わんかね?(本間センセ(ォィ
[一言] ブラックジャック懐かしいですね (*´▽`*) いろいろとネタが凄し♪
[良い点]  さすが蜂の赤ちゃん、成長がめちゃくちゃ早いですね❗  どうやって生まれるんでしょうね。  あんまり早すぎて、安産祈願する暇も無いですが。笑 [一言]  この妊娠、処女懐胎よりも健全すぎて…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ