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異世界から来た女王蜂様は働き方改革を断行します  作者: 水渕成分


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51/129

51 女王蜂様 ミュージカルに出演する

「ラーメン屋……」


「それは高いところに作った棚にテレビ受像機を置いてあるところ……それも……見るからに古い……それは、実はデジタル化していなくて、アナログのままだけれど、気合で映ってるじゃないかと思えるくらいの古さ……それを一日中延々と流し続ける……」


 先生っ! いくらなんでもラーメン屋さんディスり過ぎですと僕が言おうとした、その瞬間、千里万里(せんりばんり)さんがスポットライトの下、すっくと立ちあがる。

「そうだっ! 俺はっ!」


 千里万里(せんりばんり)さんの行動に言葉が思わず引っ込んだ僕。そんなことには全く関係なく、千里万里(せんりばんり)さんは立ち上がったまま歌い始めた。


「♪毎日~毎日~毎日~毎日~っ! ラーメンを作り続けていた~っ! テレビの映像を見ながら~っ!」


 続いて、隆山(りゅうざん)先生も立ち上がって、歌い始める。おおうっ!

「♪そして~、あなたは~、腰を痛めた~」


 千里万里(せんりばんり)さんが歌で応える。

「♪今度は~っ! 毎日~毎日~っ! 安静の日々~っ! そんな時の心の支えは~」


 千里万里(せんりばんり)さんと隆山(りゅうざん)先生、肩を組んで

「♪テ~レ~ビ~」


 二人いったん離れて、千里万里(せんりばんり)さん、隆山(りゅうざん)先生に呼びかけ、

「♪おおっ! 治ったっ! 魔法で腰が……治ったっ! でも、俺は~っ、今度は~っ! ラーメン屋じゃなくて、テレビクルーになりたいっ! ぞ~っ! テレビが大好きになったんっだ~っ!」


 隆山(りゅうざん)先生、千里万里(せんりばんり)さんに答えて、

「♪それは~っ! 素敵な夢ね~っ! あたしの夢は~っ、『美食倶楽部(びしょくくらぶ)』を作りたい~。でも、それで……」


 二人、また、肩を組んで……

「♪いいのかしら~?」


 ここで急に音楽が急に明るいアップテンポに、そして……


 スポットライトが蜂野先生に当たる。むうっ、最初からこれがやりたかったんですね。

「♪いいのよ~、いいのよ~。好きなことを~、好きなように~、やっていれば~」


 最後は三人で肩を組んで、

「♪何とかなっちゃうもん~なんだからぁ~」


 じゃんじゃん


 そして、再び、辺り一面真っ暗に。観客(ギャラリー)たちはしばらく茫然としていたが、やがて、拍手と「ブラボー」の声。


 更に拍手は盛大になり、「アンコール」「アンコール」という声が湧いてくる。


 う~ん。みんな。ノリがいいなあ。


 アンコールの声に応えて、隆山(りゅうざん)先生と蜂野先生が登場。また、辺り一面真っ暗に。二人だけにスポットライトが当たる。


 周囲に手を振りながら、笑顔で歩いてきた二人は、横に並んで、胸を張って立つ。


「♪あたしたちは~」


「♪巨乳っ!」

 胸を突き出す。


 次に前方を指差すと

「♪あなたたちは~」


「♪貧乳(ひんぬ~)っ!」


 じゃんじゃん


 辺り一面が真っ暗になると共に、またも拍手が……しかしっ!


 暗闇の中で僕は左肩を砕かれんばかりの力で掴まれた。振り向くとそこには般若の形相をした紗季未(さきみ)が……

「こうちゃん。私、さっきもあの二人何とかしてって言ったよね……」


 更に今度は右肩が砕かれんばかりの激痛が……

「おいっ! ヘタレDTっ! 料理勝負は一体どこに行ったんだっ!」

 これまた激怒しておられる疲労子(ひろうこ)さん。


 また、僕が怒られた。毎度のことながら理不尽な……   

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― 新着の感想 ―
[一言] まさかのミュージカル!! ここまで来るとアニメよりは実写でしょう!!(迫真
[良い点] ラーメン無しで押し切る演出が素敵です☆彡 歌の歌詞も過激 ( ゜Д゜)ww
[良い点] >高いところに作った棚にテレビ チェーン店じゃないラーメン屋や定食屋のあるあるですねw 飲み物は瓶入りのビール、コーラ、バヤリースとか。
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