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異世界から来た女王蜂様は働き方改革を断行します  作者: 水渕成分


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126/129

126 女王蜂様 ご先代様 睡魔と戦う気なし

 紗季未(さきみ)が蜂野先生を監視していることに安心しているのだか、それとも、元より気にしていないのだか分からないけど、三俣(みつまた)はどんどん「分封(ぶんぽう)組」を誘導していく。


 次は「ドラゴン酒造」の一部メンバーだ。


 仲間との別れを惜しみながらも、「ヤシの実なんかもあるみたいだぞ。果実酒なんかもいいよなー」とか話している。


 そして、いよいよ「ドラゴンコンクエスト」のメンバーたちだ。僕とは特に親交が深かっただけに名残惜しい。


「なあ、新川(にっかわ)。やっぱり中鳥島(なかのとりしま)に来る気ないのか?」

「やっぱさあ、メンバーに錬金術士(アルケミスト)がいると心強いんだけどなあ」

 勇者の伊藤と武闘家の鈴木は最後まで声をかけてくれる。


 自分のなりたかった錬金術士(アルケミスト)になれて、しかも人に強く誘ってもらえる。以前の僕では考えられなかったことだ。ありがたい話だよ。でも……


「ふっふっふ、分かってるよ。紗季未(さきみ)ちゃんと一緒にいたいんだよね」

「まったく妬けるんだから。このリア充」


 その通りです。魔法使いの田中さんと僧侶の中村さん。


 やっぱこういうのは女の子の方が分かってらっしゃる。


「分かった。じゃあ、どのくらい先になるか分からないけど、絶対、また会おうな。新川(にっかわ)に北原。最後にもう一度俺たちと握手してくれ」

 勇者の伊藤の言葉に、僕も紗季未(さきみ)も握手で応える。


 別れは惜しいが、やっぱりこいつらも楽しそうだ。うらやましいけど、僕は蜂幡市(ここ)に残る。


 あっ、レール娘の京太朗(きょうたろう)兄ちゃんが手を振ってくれている。


 僕も振り返した。実感が湧いて来た。本当に「分封(ぶんぽう)」やってるんだなって、あれ?


「先生っ! また寝てましたねっ?」


「やあねえ。起きてるわよん。北原さん。ぐおーっ、すーぴー」


「先生っ! 寝てましたねっ!」


「起きてるわよん。すーぴー」


「先生っ! 寝てるじゃないですかっ!」


「しっつれいねん。起きて……ぐおおおおお」


分封(ぶんぽう)」は確かにやっている。でも、無事に終わるのかなあ?



 ◇◇◇


 時刻は午後五時を回った。


分封(ぶんぽう)」される者はみんな中鳥島(なかのとりしま)に行った。二名を除いて。


 中鳥島(向こう側)に行っていない二名。それすなわち、蜂野先生とその助手三俣(みつまた)


「先生。他は全員が中鳥島(向こう側)に行きました。私たちも行きましょう」


「ぐおおおおおお。すぴー」


 うーん。熟睡状態。さすがは蜂野先生。軌道エレベーターもぶら下げられるような強靭な神経してますな。


 紗季未(さきみ)は新しいビール瓶を二本持ってくると一本を三俣(みつまた)に渡すと頷き合う。


「おはようございますっ! 蜂野先生っ!」

「おはようございますっ! 蜂野先生っ!」

「今日は絶好の『分封(ぶんぽう)』日和ですっ! もう夕方だけどっ!」

中鳥島(なかのとりしま)に行ったメンバーはもう太陽光パネルの設置を始めてますっ!」

「女王蜂様としての自覚を持って下さいっ!」

「もう、釣りを始めてるメンバーもいますっ!」


 また、ビールかけかいっ。まあ、これが一番有効なのかも。あっ、蜂野先生が目を開けたっ!


「ふっ、ふあああああ~っ、おはようっ、眼鏡っ()ちゃん」


「おはようございます。蜂野先生。もう夕方の五時過ぎですが。とにかくお迎えにあがりました」


「あ、そうなのん。大儀ねん。で、どこ連れて行ってくれるのん? 居酒屋? バー? スナック?」


 三俣(みつまた)は大きく前方につんのめった。頑張れっ! 三俣(みつまた)っ! これでめげていては蜂野先生(この方)の助手はつとまらんぞっ! 

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― 新着の感想 ―
[一言] 蜂野センセが過眠症にならないか心配です(゜Д゜;)
[一言] 先生の助手は大変ですね ><。
[良い点] 底なしに飲める先生が羨ましいです。自分には無理です。そういえば昔、ヤバいくらい飲める人がいて、「あいつはザルじゃない。枠(ワク)だ」って言われていましたが、その人のことをふと思い出しました…
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