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異世界から来た女王蜂様は働き方改革を断行します  作者: 水渕成分


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115/129

115 女王蜂様 ご先代様 大トリで登場

 紗季未(さきみ)が注文出して、疲労子(ひろうこ)さんが持って来てくれた食べ物と飲み物の他に、寿司握りバトルリーグ戦を開催していた四つの回転寿司店、スシタロー、蔵之介寿司、浜ちゃん寿司、KP寿司が蜂幡市(この町)を守ってくれたお礼だと言って、食べ物と飲み物をたくさん持って来た。


 それに対しては、紗季未(さきみ)は丁寧に頭を下げた後にこう言った。

「お気持ちは大変ありがたいのですが、そういうのはやっぱり良くないと思うんです。お代はお支払いさせてください。蜂野先生がお支払いしますので。ええ、蜂野先生がお支払いします」


 蜂野先生、紗季未(さきみ)に向かってダッシュ。

「北原さん、あなたね~」


 紗季未(さきみ)は至って冷静。

「あら、先生。いいんですか? 回転寿司店さんは『ビール』も持って来てくださったのですよ。ええ、『ビール』もっ!」


「うっ、うぐっ」


「蜂野先生がお支払いがお嫌とおっしゃるなら、『ビール』はお返しするしかありませんね。『ビール』はっ!」


「わわわ、分かったわよん。その代わり『ビール』はあたしが全部もらうからねん」


 蜂野先生、つかつかと山と積まれたビールケースに向かい、ビール瓶二本を取り出して、歯で栓を抜き、一本ずつ双方の手に持って、交互にラッパ飲みを始めた。


「ウィ~、ヒック。飲まなきゃやってられないわよ」


 それだけやりたい放題やって、飲まなきゃやってられないはないでしょう。


 それにしても、厳しい戦い乗り越えて、紗季未(さきみ)、たくましくなったね。こりゃ尻に敷かれそう。


 ◇◇◇


 祝勝会は大賑わい。


 そのうちに興の乗った三人の大暴れ(おおあばれ)大将軍(だいしょうぐん)がどこからか持ち出した的に三方向から矢を放ち、ど真ん中に三本とも命中させる技を披露。


 これに触発されたか片葉(かたしは)兄弟に節藁野(ふしわらの)君がハチロクとRX-7が見事なドリフトを見せる。


 プロ野球選手はストラックアウト、プロサッカー選手はキックターゲットを開始。


 反対側では 「のぼり坂くだり坂ま坂46(フォーティシックス)」「(からし)」「ジ・エンカーズ」がいつの間にか組み立てられた舞台の上でライブ。


蜂幡(はちまん)プロレス」も急遽興行を始めちゃって、蜂幡市()中の人が集まって来てる。


 まるで学園祭。本当にみんな楽しそうだ。


 ぐいっ


 僕の袖が引かれる。


 あっ、紗季未(さきみ)


「こうちゃん。一緒にいろいろ見て回ろ」

 

 なんつー笑顔を見せてくれるんだよ。(とろ)けそうだよ。


 ◇◇◇


 楽しい時間はあっという間に過ぎる。


 既に陽はとっぷりと暮れた。


 ドーンドドーン


 M1(エムワン)エイブラムスが爆弾の代わりに夜空に花火を打ち上げている。


 この花火。何を隠そうこの僕が錬金術(アルケミー)で調合したものなのだ。


 やっぱ平和利用はいいよね。


 ◇◇◇


「ふっ、ふああああ~」

 頭をボリボリ搔きながら蜂野先生がこっちにやってくる。また、寝てたんですか?


 蜂野先生は僕の問いに答えず、紗季未(さきみ)の方に歩み寄る。

「どう? みんな、楽しんでたのん?」


「はい」

 紗季未(さきみ)は神妙に答える。


「北原さんは楽しかったのん?」


「はい」

 やはり、紗季未(さきみ)は神妙だ。何か緊張感が漂う。


「でもまあ、そろそろ、大トリであたしが出るとするかねん」


「そうですね。もう蜂野先生に出てもらわないとですね」

 どことなく紗季未(さきみ)は寂しそうだ。何かが起こるのか?

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― 新着の感想 ―
[一言] 次回……気になりますねぇ( ´∀` )
[良い点] ついにフィナーレですね!! この物語自体がお祭りみたいな感じでしたね~。
[一言] 楽しそうな雰囲気ですね (*´▽`*) ……にしても、先生飲みすぎw
感想一覧
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