110 女王蜂様 出番なし 三俣さん活躍編
「オオズズメバチ」は編隊を組んでやってきた。
「Fire!」
石積さんの指令一下、M1エイブラムスの44口径120mm滑腔砲が火を噴く。
先頭を飛んでいた一匹の「オオズズメバチ」に命中!
ズドドドドドドドーン
轟音と共にその体は四散する。
どうだっ! こっちも考えてるんだぞっ! 前回は全く効果がなかったAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)だが「魔法の矢」と同じ手法で魔法の力を付与したら大当たりだっ!
カチカチ カチカチ
「『オオスズメバチ」の戦意は下がっていないようだね」
残念だけど三俣の言うとおりだ。味方がバラバラになるところを見せつければ戦意も下がるかと思ったけど……
「元々が戦闘的な種族だからやっぱり駄目か」
これはうまく行ったらみっけものくらいだったから、まあ仕方ない。
ひゃおう
ひゃおう
ひゃおう
三人の大暴れ大将軍の放った「魔法の矢」が別の「オオスズメバチ」に向かう。
見事命中! ひゅうううの音と共に垂直に落下。地面に落ちる。あいつはもう放っておいても大丈夫だろう。
他に「ドラゴンコンクエスト」パーティーの魔法使いの田中さんが魔法攻撃をかける。ただ、彼女の魔法の威力では一回で撃墜するのは難しい。繰り返しダメージを与えるしかない。前回はそれでMPが尽きたけど、今度は大丈夫。回復用のポーションもあるけど、歌の力でMPを回復できる。
◇◇◇
だけど、前回より強化してきたのは残念ながら「オオスズメバチ」もだ。何しろ前回は一匹だったのが、今回は三十匹だ。
二匹はM1エイブラムスと三人の大暴れ大将軍が撃墜したが、何匹が急降下してこちらに襲い掛かって来た!
ガツンガツン
もちろん、こっちにだって、その備えはある。猿渡君の如意棒、「ドラゴンコンクエストパーティー」の勇者の伊藤、武闘家の鈴木、更に「バケモンゴーゴゴー」のメンバーがバケモン出して応戦。武器にはみんな昨晩のうちに魔法力を付加してあるんだ。
きつい戦いだけど、何とか持たせている。後ろでは「農場物語」の女の子たちが「傷薬」や「疲労回復薬」を前方の戦闘部隊に飲ませて回る。
ぬおっ、一匹の「オオスズメバチ」が前方の戦闘部隊を突破して、こっちに向かってきやがった。こっちの司令官の紗季未を直に狙ってきやがったのかっ?
だが、舐めるなよ。紗季未は僕と三俣に飛得先輩ががっちり護衛してんだっ! 蜂野先生はただいるだけだけどなっ!
「では、三俣さん、お願いしますっ!」
「ブァカ者がァアアアア 蜂幡の化学は世界一チイイイイ!! こぉぉぉの殺虫剤はァァァァァアァーわーが化学者の最高知能の結晶でありィィィィイィー誇りであるゥゥゥゥゥウゥ!」
ブワワワワワー
三俣特製の巨大殺虫剤が「オオスズメバチ」を直撃!
「オオスズメバチ」は慌てて逃げ出す。普通のスズメバチ用殺虫剤は「オオスズメバチ」には効かないが、これは特別製なのだっ!
それにしても三俣さん、ノリノリですな。