5話 どうやらたたかうようですよ？
ーーーガサッ
「あ、」
ドロップスライムにばかり目がいってしまい周りへの注意が足りず近くにあった木から伸びる枝にひっかかり思わず声が出てしまった。
「ピュ！？ピュ！！」
ドロップスライムは僕が発した声を聞き逃すことはなく僕の方へと振り向かえり目が合う。
だがドロップスライムは逃げることはなかった。それどころか僕に向かって近づいてきたではないか。
「まさか……」
僕は逃げられてしまうとばかりに考えていたからドロップスライムの方から近づいて来てくれることはありがたかった。
だがつまりこれはドロップスライムの方から近づいてくると言うことはドロップスライムに取って僕は恐れるに足りないと格下だと思われていると言うことになる。
「まぁ、僕に取っては逃げてくれないのならそれはありがたいことだ！こいつを倒して僕は今度こそ戦闘スキルを手に入れて冒険者になるんだ！」
ドロップスライムは普通のスライムよりは強いがそれでもモンスターランクは同じくEランクである。ランクが上がるごとにモンスターの強さも上がっていくが同じランク内だと総合的な強さはほとんど変わらないのだそうだ。
だがドロップスライムは普通のスライムとは違いスキルを使うことがあるのだそうだ。
ドロップスライムが使うスキルには個体によって様々なのでこのモンスターはどんなスキルを使うのかさえ見切り対応することができれば普通のスライムとなんら違いはないと言うことだ。
「よし！こうなったら僕からいくぞ！やぁーー！」
ドロップスライムと見つめ合うこと数分、どちらも睨み合うばかりでは拉致があかないので僕の方から打って出ることにした。
僕はいつも通りスライムを倒す時と同じようにドロップスライムへと一直線に向かっていきそして剣を振り下ろした。
「ピュー！」
ドロップスライムは剣が振り下ろされるよりも早く飛び跳ね僕に向かって体当たりを仕掛けて来たのだ。
「やばい！」
剣を振り下ろすよりも早くに体当たりを仕掛けてくることが分かりどうにか防ごうとするが、勢いをつけ振りかぶった剣は止まることはなく体当たりを防ぐことはできなかった。
「あだっ！」
ドロップスライムの体当たりが僕のお腹にささる。その威力はスライムのプニプニとした体からは想像ができないほどで、まさに鉄の塊が当たっているようだった。
「う、う、痛すぎるだろ！」
僕はあまりの痛みに転げまわりそうになるが、今は目の前に敵であるドロップスライムがいるのでなんとか痛みにこらえ、剣を持ち構える。
「ピューー！」
そして再びスライムは飛んで来た。今度はしっかりと避けることができた。警戒さえしていれば避けることは容易ではないが可能だった。
「ピュ！ピュ！ピュー！」
そしてドロップスライムは何度も僕に向かって体当たりを仕掛けてくるが警戒さえしていれば避けることは可能だったのでなんとか回避や剣で防いだりして耐え凌ぐ。
チャンスが回ってくるまでただひたすらに耐えをしのぐ。
