2話 冒険者にはルールがあるそうですよ？
「よし！それじゃ行くか！」
昨日はなかなか寝られなかったけど、しっかりと朝に起きることは出来ていた。どうやら毎日朝起きていると、寝るのが遅くなってもしっかりと起きられるように体が覚えているようだ。
今日はいつものように日課であるスライム退治に向かうのではなく、冒険者になるために冒険者ギルドへ向かう。
「冒険者ギルドはこっちだったな！」
冒険者ギルドは日課であったスライム退治を行う場所とは反対側なので、ぼぉーっとしていたらスライム退治に向かってしまうほど体に染み付いちゃっているので、しっかりと地図を確認しながら冒険者ギルドへ向かう。
「よし！到着！」
無事に冒険者ギルドへ到着することができた。今日から僕も冒険者になれるんだと思うと何だか緊張する反面これからのことを考えるとワクワクしてきた。
「ようやく僕も冒険者になるんだ！」
僕が冒険者に憧れ目指した理由は子供の頃に読んだ絵本の影響だった。
その読んでいた絵本の主人公がまさに冒険者だった。
その主人公は強くてカッコよかった。
子供の頃に読んでいたからか感想はそれぐらいだった。
だが子供だったからか素直にその主人公のようになりたいと思い憧れ目指し始めたのだ。
そしてようやく僕はその主人公と同じく冒険者になることができるのだ。
そしてその第一歩として僕は冒険者ギルドの扉を開け中へと入って行く。
………そしてすぐに僕は冒険者ギルドから出てくることになった。
「…まさか……そんなルールがあったなんて」
冒険者ギルドに入ると中には受付嬢と呼ばれる人たちがいて、その人たちが冒険者になるための受付をしてくれるので僕は「冒険者になりたいです！」と声をかけ受付嬢の人は冒険者登録のため作業を行ってくれたのだが、ここで問題が発生したのだ。
どうやら僕は冒険者になるための条件を満たしていないようで冒険者になることができないと言われてしまったのだ。
僕が冒険者になるために必要だと思っていた条件は最低でもスキル１つを習得していることだと思っていたのだが、どうやらそれは少し違っていたようなのだ。
詳しく受付嬢の人に聞いてみると冒険者になるために最低でもスキルを１つ習得しているのは間違ってはいないけど、どうやらその習得しているスキルにも条件があるようなのだ。
その条件が戦闘スキルであること。
僕が持つスキルは《自動回復》このスキルは戦闘スキルかどうかと言われれば難しいところで、戦闘に関係ないこともないけど、そして最終的に冒険者ギルドが下したのは《自動回復》のスキルだけでは登録するのは無理だという判断だった。
ようやく冒険者になれると思っていた僕はそんな簡単に受け入れることができず、どうにか冒険者になれないかと受付の人にお願いしたんだけど、結果はご覧の通り無理でした。
「はぁ～ようやくなれると思ったんだけど仕方ないよね～」
僕の口から何度もため息が出る。まさか冒険者になれると思っていただけになれないとなると余計に落ち込んでしまう。
「うん！落ち込んでいても仕方ないよね！よし！今からいつものように日課であるスライム退治をするだけだ！」
このまま落ち込んでいても何も変わらないので卒業したと思っていたいつもの日課であるスライム退治をしてまたスキルを落ちるのまで行うことにした。
