1話 スライム退治は日課だそうですよ?
サブタイトルは気にしないで下さい。
「や、やったー!やっと落ちた!」
今日も今や日課となりつつあったスライム退治をしていると、ようやく僕が求めていたモノがドロップしたのだ。
「これで僕もスキルを覚えることができる!」
スライムがドロップしたのはスキルカードだった。
この世界では神様がスキルを与えてくれるのではなく、モンスターを倒すことでスキルカードを手に入れることでスキルを覚えることができるのだ。
一説にはモンスターは神様が人間に与えた試練だからそれを乗り越えて欲しいからスキルは直接与えずモンスターを倒すことで手に入るようにしたと言う人もいた。
「長かったな~半年もかかっちゃったもんな~」
モンスターを倒すことで必ずスキルカードをドロップするわけではない。そもそもモンスターがドロップすると言う現象が起こる確率が低いのだ。
モンスターにはランクがあり基本そのランクが低ければ低いほどドロップする確率が低く、ランクが高ければ高いほどドロップする確率が高くなるのだ。
そしてスライムのモンスターランクは最下位のEランクであり、100体倒して一回ドロップするかもしれないといった確率だった。
しかもドロップするのはスキルカードだけではなく、何がドロップするのかはわからないのだ。
だから僕はスキルを手に入れたくて毎日スライムを倒し続けた。スライムは中々ドロップしないのでドロップするまで何体も何体も倒し続けた。それはもう毎日毎日、日課になるほどに倒し続けた。
そして今日ようやくその頑張りが実りスキルカードがドロップしたのだ。
「これで僕も冒険者になれる!」
僕がこれほどまでにスキルカードを求めていた理由が冒険者になるためだった。
冒険者の仕事は多岐にわたるが主な仕事はモンスターと戦うことだ。そのためスキルがなければ人はモンスターと戦うこと、戦おうとすることさえ不可能なので冒険者になるには最低でもスキルを1つ覚えておくことが必須になっているのだ
そのため僕は冒険者になるにスキルを覚えようとスライムを倒し続けたのだ。
「よし!それじゃ早速習得するか!」
僕は早速スライムからドロップしたスキルカードを習得することにした。
スキルカードはドロップさせただけでは覚えることができない。しっかりと『習得』と唱えるもしくは念じる必要があるのだ。
「『習得』」
僕は祈るようにして『習得』と唱えた。スキルカードは習得してみないと何のスキルかは分からない。冒険者ギルドにはスキルカードを判別する人や機械があるらしいけど、僕はこのスキルカードが何のスキルだったとしても習得するつもりなので今ここで『習得』することにしたのだ。
ーー『スキル:《自動回復》を習得しました』
「あ、消えていく」
習得したスキルカードは役目を果たしたかのようにして光の粒となり消えていった。
「それにしても《自動回復》のスキルを習得出来たのか!」
僕が習得したのは《自動回復》と言うスキルだった。習得したスキルは何となく理解できるようになっているのでこのスキルがどんな効果なのか理解することはできた。
「そう言えば、冒険者ギルドの本に《自動回復》のスキルは珍しいって書かれてたような気がするような気がするな」
冒険者になれなくても冒険者ギルドの中に入ることはできなので冒険者ギルドにあるスキル大百科を見てどんなスキルがあるのか、冒険者に取って有用なスキルは何なのかを調べていたのだ。
その中に《自動回復》は自動でかかるパッシブなのでとても有用で珍しいと書かれていたような気がする。スキル大百科にはたくさんのスキルが書かれていて全部は覚えきれてないのだ。
「よし!それじゃ今日はもう遅くなっちゃっうし、明日に冒険者になるためにギルドへ行こう!」
冒険者ギルドは一日中空いているので夜になっても閉じることはないのだけど、冒険者になればワクワクしてすぐにでも依頼を受けたくなりそうなので今日はもう宿へと帰り明日の朝にギルドへ登録しに行くことにした。
あ、ちなみに今日の夜はようやく冒険者になれると思ってなかなか寝ることは出来ませんでした。
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