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安藤院は入井の腕の中で目覚めた。ヘルメットは外されている。
「ひいっ!」
「何がひいっ、だぁ――ひひ。アメリカさんにも、やる奴ってのはいるもんだなぁ。まあ、あいつは可哀相に軍法会議だろうけどなぁ」
入井が顎で示した方向に、白い地煙が遠ざかっていくのが見える。機動アーマーは朱色に燃えるブースターを噴射して、輸送ヘリコプター目掛けて跳躍した。
安藤院は言った。
「どこにでも同志はいます。いずれまた闇と対峙するときに会えるでしょう。……それにしても、生きていたんですね」
「操縦士が優秀だったわぁ。ラッキー、ひひ。さて、帰るぞぉ」
「対象はどうなりました?」
「丙と丁が動かなくなって、甲と未が逃げたぁ」
「じゃあ――」
「離脱だぁ。止まった2匹は後続部隊に任せる。俺らは帰って風呂だぁ」
「……分かりました。園田先生のところで、いちから修行です」
「真面目だねぇ」
安藤院は起き上がろうとして体が動かず、狼狽した。
「重っ! そうか、電源が切れたんですね」
「そういうこと。だからぁ――早く脱げよぉ、ひひ」
溜め息をつく安藤院の頭を叩いて、入井は大笑した。




