31話
お久しぶりです。テストは無事に無残な結果になりそうです。
「ところで、ゴブリンってどこで出るんですか?」
「さあ?街から離れたところならどこでもいるしちょっと歩いてたらすぐ見つかると思うよ?」
ギルドを出て街の外に向かいながら話す二人。
「さあって…そんなんで大丈夫なんですか?」
「一匹見つかればあとはどこにいるかはわかるからね。問題ないでしょ。それよりもさ、アンジュってずっと敬語で喋ってるじゃん?疲れたりしないの?」
「まあ、もう慣れてますからね…むしろ戻そうとする方が疲れます。ときどき口調が崩れることはあるかもしれませんけど変えるつもりはありませんよ」
「ふーん。そういうもの?」
「そういうものです」
話しながら街を出て歩いて行く。少し進むとセレナ道から外れて進み出したのでアンジュもそれについて行く。
「ところでどこに向かってるんですか?」
「とりあえずゴブリンがよくいるって噂のとこに向かってるよ。アンジュも周りとか見て何かいたら教えてね〜」
「わかりました。魔物がいたら伝えますね」
そうして、アンジュが少し周りに気を配りながら歩いていると、小さい子どもぐらいの大きさの生き物が目に入った。
ーー遠くてよく見えないけどあれがゴブリンかな?
「あの、あれがゴブリンですか?」
見つけた小さな影を指差して尋ねる。
「ん?んん…ああ、よく見つけたね〜。あれはゴブリンであってるよ」
「そうですか。じゃあ倒しますね」
「わー!ちょっと待って!まだ倒さないで!」
魔法でゴブリンを殺そうとしたアンジュを慌てて止めるセレナ。
「なんですか?」
「倒す前にやらなきゃいけないことがあるんだよ。私のスキルって視界に入ったものとならなんでも念話出来るって言ったでしょ?これって魔物も例外じゃないんだよね。しかも弱い魔物だったら命令をきかせることも出来るから……うん。これでよし」
セレナがそう言ったかと思うとゴブリンが手に持っている何かを首に刺し、崩れ落ちた。
「…何したんですか?」
「ただあのゴブリンに仲間の場所を教えてもらった後持ってたナイフで自害してもらっただけだよ?」
「だけだよって…それ人間に使ったら完全犯罪になるじゃないですか」
「大丈夫、大丈夫。人みたいに知能が高い生き物だと誘導するぐらいしか出来ないからね。だから心配しなくても君にそんなことしないし、したとしても死ぬことはないよ」
「そうですか。まあいいです。それよりも、あのゴブリンは放置するんですか?」
「いやいや、魔石を取らないとアンデットになっちゃうし、魔石は売れるからね。ちゃんと取っとかないと」
魔物の体の中には魔石という宝石のような物質があり、強い魔物ほど大きな魔石を持っている。死体に魔石が残っているとゾンビやスケルトンなどのアンデットになってしまう。アンデットに殺された生物は魔石が無くてもアンデットになってしまうので魔物を倒したら余程の事情がない限り魔石を取るのがこの世界の常識となっている。
「知ってますよ。放置するって言ったら魔石は私が貰おうかと思ってました」
「アンジュちゃんなかなかいい性格だよね…前世じゃそんな性格じゃなかったよね?」
「前世って言っても小学生の頃の話ですよね?そりゃあ少しぐらい性格変わりますよ。そんなことを言うセレナだって小学生のときはもっとおとなしかったでしょ?」
「いや、私がこんな性格になったのはこの世界に来てからだよ?元の世界だとちゃんとお淑やかで可愛い女の子だったんだよ?」
「馬鹿なこと言ってないで魔石とって他のゴブリンのとこ行きますよ」
「アンジュちゃんひどい!」
そんな会話をしているとゴブリンの死体がある所まで来たのでセレナが魔石を取る。
「さて、セレナさん。次行きましょう」
「はいはーい。じゃあついて来てね〜」
まさかどう森があのタイミングで出るなんて...




