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神田彩香(カンダサヤカ)視点


何でこんな事になっちゃったんだろ?

洋一君が城を飛び出てしまった。

洋一君を追い出した空城君はそれを笑ってるし、

本当に好きになれない。

こんな所に急に呼び出されて、

そのクラスメイトを追い出すような事を普通言う?

全く理解出来ない。


「ふうっ!」


怒りを込めて息を吐く。


「ねぇ、これから私達どうなっちゃうのかな?」


高坂みゆき(コウサカミユキ)が私の近くに来て言った。

みゆきは眉間に皺を寄せて心配そうに私を見てくる。


「うーん。この国の人は割と良い人っぽいからこのまま様子見かな?でも、空城君達とは距離を取った取った方が良さそうだね」


「え?なんで?だって空城君は勇者なんでしょ?側にいて守ってもらった方が良いんじゃないの?」


「ダメダメ!召喚されて最初に勇者判定付いてる奴なんてろくなやつじゃないんだから!!」


「そ、そうなの?」


「そうなの!そんな事も分からないの?これ、テンプレだよ?!テ・ン・プ・レ!」


みゆきはポカンと口を開けて、


「はぁ」


と言った。

あぁ!洋一君だったら絶対に分かってくれるのに!!

私も洋一君を追って出れば良かったかな?


「ちょっといいか?神田、お前は何様なんだ?!」


後ろから突然話し掛けられた。

振り向くとそこには、秋元杪(アキモトコズエ)が居た。

空城君に笑うのを止めるように言ったのが気に入らなかったのだろう。


「何?何が?誰が何様だって?」


秋元が喧嘩腰で言いがかりを付けてくるが、

私だって負けてられない。


「お前だよ、お前。(ツルギ)にいちゃもん付けて生きていけると思っているのか?!」


「ばっかじゃないの?!それはこっちのセリフ!まぁ、捨てられるまでわせいぜいあのバカな男に腰でも振ってれば良いわ!」


「なにを言っている!剱が私を捨てる筈が無い!」


「あはは、おめでたい。今頃あの男はさっきの王女様と良い感じに成るため今頃せっせこ、尻尾か腰か、振ってんじゃないの?」


「はっ!勝手に言ってるがいい!剱にかぎってそれは無い」


「いや、絶対に狙っている。そして確実に捨てられる」


「どうしてそう思うんだよ!」


こいつ!

わかりきった事を!!


「テンプレだからだ!」


「は?」


二度と言わせるかよ!!


「それがテンプレだからだ!!」


私がドヤ顔でそう言うと、

何故か秋元は笑って去っていった。


「ふっ、、、なにそれ、、、」


いつの間にかいた、吉田聖子(ヨシダセイコ)はボソボソと喋ってから去っていった。

黒田彩(クロダアヤ)は遠くからこっちを見て微笑んでいる。

なんだあいつ、気持ちわるい。


こうやって絡まれて。

何だか嫌だな。

私、立ち位置が完璧に脇役じゃん。

このままじゃヤバイ、早く

神様に貰ったあの良く分からんスキルを伸ばすとしようか。

《魔道技師》だったっけな?



「ええ!ちょ?!」


「はっはっは!まだまだだぞ?!」


憲兵さんに貰った装備の上からしこたま木製の剣で殴られる。


憲兵さんにしごかれていた。

憲兵さんに剣術を教えて貰う時に、


『どう?がっつり強くなりたい?それともぼちぼちでいい?』


と聞かれ。

中二病が悪化していた僕は『メチャメチャ強くなりたいです!!』と言ってしまったのだ。


後悔先に立たず。


憲兵さんの指導は過酷だった。

『もうダメだ。そう思った時からが剣術です』

これが標語。

『コンディションが一番良いときにだけ戦うのは冒険者では無い!』

のだそうで、フラフラになっても剣を振っている。

まぁ。そりゃそうだけどさ。

習い初めぐらいは良いと思うよ?


そんな感じで毎日ズタボロなんだけど。

おかげ様?で、少しづつ強くなっていた。

ゴブリンなら3体ぐらいまでなら同時に相手出来る。

それ以上になると微妙。

まぁ、全然倒せるんだけど、

少しでも傷を付けられて、ポーションとか使ってたら全然採算が合わないからダメだ。

効率良く魔石を稼がなくちゃな。

欲しい物はいっぱいあるし、

僕のユニークスキル、『ラブホテル』に泊まるには魔石が必要だから。


「よぅ~し!今日はそろそろスキルの練習でもやってみっか?」


「マジっすか!師匠!」


「おう!簡単な『二段突き』からな。でも、これを覚えれば、剣術のレベルが1になるぞ。頑張れ!んで、前にも説明したが、剣術のスキルには魔力を使う。ようは、魔力を使った剣術をスキルって呼んでいるわけだ」


それから憲兵さんが動きを見せてくれた。

剣を抜いて腰を落として、

剣を引いてから剣を繰り出す!!


『シュ、シュバ!』


おお?!

音が二回した!


「こんな感じだ。スキルを使うとき大声でスキルの名前を叫びながら使うとカッコいいぞ!」


それは置いといて、

かなり格好よかった!


「凄いッス!師匠!ではお願いします!!」


それから何回もやってもらい。

やろうとしたんだけど、

全然上手くいかなかった。

一応僕にもMPはあるし使えるはずなんだけどな。

師匠には、僕自身に魔力というものが良く分かっていないんじゃあないかと言われた。

確かになぁ、魔法を習い出して四日絶つけど、未だにどれも全然使えてないし。

魔力を理解するには適性が高いものから始めた方が良いらしい。

って事は『神聖魔法』かぁ。

この世界に来た召喚された時のイメージがあるから何か嫌なんだよな。

僕のスキルを見て散々笑ったあの『(ヒト)

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