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大きな門の隣にある小さな小屋に入った。

中には体の小さなお婆ちゃんがいた。


「ほれてあんさんはしょうかんされたわけたな」


凄く聞き取り難い。

僕がこの国の言葉に慣れてないからじゃあ無くて、

このお婆ちゃんの歯がないのが原因だ。


「たいしょうふ。はんさいれきもない」


「え?!いいの?!!いいんだな!」


憲兵さんが耳の遠いお婆ちゃんの耳元で叫ぶ。

するとお婆ちゃんは大きく頷いた。


「それで!こいつの種族は人間?ドワーフだろ?」


まだ疑っていたのか!


「しんしられんかにんけんたよ。わしもオークかとおもったがの」


「え?!本当に人間なの?」


お婆ちゃんは再び頷いた。

失礼だな。

まぁ確かに僕はずんぐりむっくりでそう言われても仕方ないのかもしれないけど、、、。


それから憲兵さんに送られて冒険者ギルドに行くことになった。

テンプレながらテンションが上がる。

異世界と言えば、冒険者ギルドでしょ!!

これだよこれ!

受付のお姉さんは美人かな?

猫耳かな?

ウサ耳かな?

ドキドキワクワクだ!


「すみませんね。ギルドまで紹介して貰って」


「いや、いいさ。乗り掛かった船だ。それに召喚されたお前さんのスキルや適性も気になるしな」


「適性?」


「あぁ、適性だ。ある程度どんな魔法に適性があるのか、生産系の仕事に向いてるかとか、盾職に向いてるとか、ギルドで教えてくれるんだよ。まぁ、ついでってのと、好奇心だな。気にしないでくれ」


なんだ野次馬か。

でも!魔法!

魔法って言った!!

まさか!

俺も魔法が使えるの?!

テンション上がるぅ~!


ヤバイ!

『魔法剣』とか、もしかして、『かめは◯波』なんてものも出せちゃったり!!

僕は高三だけど心はすっかり中二だぜ!!

ヒャッハ~!



そして、冒険者ギルドに着くと、受付へと早足で駆け寄る!


「初めまして!田中洋一(タナカヨウイチ)です!冒険者に成りたいです!!」


腰を90度に折って言った!


「おっおぅ、まぁ落ち着け。わりいなカーンティ。こいつの適性を見てやってくれ、しかも、どうやらこの世界に召喚されたらしい。出来るだけ内密にしてやって欲しい」


憲兵さん、グッジョブ!


「そうですか。では、此方へ」


テンプレ通り綺麗なカーンティと呼ばれた受付嬢さん(インド系美人さん)の後に付いて扉の中へ入る。

部屋の中央には透明な玉が大切そうに置かれている。


「では、このオーブを両手で挟むようにして持ってみてください。ちなみに落とした割ったら殺しますからね」


物騒だな。

そう言われて、おっかなびっくりオーブを両手で持った。

そしてオーブに何やら模様が現れる、

白色が多く、それにいくつかの色。

赤や、青、緑。

といった色が少し絡み合っている。


「白が神聖魔法の適正なんだけと、神聖魔法の適性がかなり高いですね」


受付嬢さんが言う。


「なるほどな、神様に呼ばれてこの世界に来たってのは伊達じゃあねぇ訳だ」


エロい神様を思い出してテンションが下がる。

どうせなら違う魔法の適性が高い方が良かったが、それはわがままか。


「あとは、少しですけど火魔法、水魔法、風魔法、土魔法にも適性がありますし」


その言葉に期待してしまう。


「え?もしかしてそれって凄いんですか?」


「う~ん、ふつう?神聖魔法の適性が高いってだけで。まぁあとは努力次第ですかね?大きなクランの隊長は皆もっとぜんぜん凄いですよ」


なんだよ。

期待しちゃったよ。


でも、この言葉にやる気が沸いた!

こんな残念『チート』の俺でも頑張れば、努力すれば、

クラスメイトを見返せるかもしれない!

使える『チート』は無いけどこの世界で思いっきり生きてみたい!

そう思った。


「で!どうしたらいいですか?!」


ぐい!

と受付嬢さんへと肉薄すると、


「ちょ!ちょっと待ってください!あと一つ確認したいのですが、召喚されたなら神様から『(チート)』を授かってますよね?」


うっ。

来てしまったか、避けたかったこの話題。


「教えて貰えますか?」


美人さんのお願いを断る事が僕は出来なかった。


「はい。『ラブホテル』ってスキルなんですけど、、、」


「はぁ。聞いた事が無いですね。後学のため、詳細を教えて貰っても良いですか?」


「へぇ。珍しいな。確実に『ユニークスキル』だよな」


『ユニークスキル』凄いのか?

もちろん?この世界にもラブホテルはあるらしく、

意味は通じている。

それより、気持ち悪がられないのに驚いた。


「その。こんな変なスキルで気持ち悪く無いですか?」


「あぁ!そんな事あるわけねぇだろ!神様からたまわったものを笑うとかあり得ねぇし!」


「そうですよ?神様が下さったならきっと素敵なものですし。出来たら頂きたいぐらいですよ?」


「そうだぜ?気持ち悪がったら天罰が下るぞ!」


おぉ。

そういう感じか、、、。

気持ち悪がられなくて良かった。


「では、、、」


そう言ってから、

心の中で、『ステータスオープン』と念じる。


レベル1


田中 洋一


HP21/21

MP15/15


力 9

敏捷 6

体力 7

知力 5

魔力 9


《スキル》

・異邦人の杖・

シューザルド言語・文字収得


・ラブホテル・

ラブホテルを使用できる。初回限定!無料サービス中!!


知力が一番低かったのに若干ショックを感じつつ。


「スキルなんですけど、初回無料で使えるみたいなんですけど、、、」


「へえ!変わってんな。さすがユニークスキルだぜ!いいじゃねえが!使ってみろよ!」


「是非!私にも見せて貰っても良いですか?」


美人さんにそう言われると弱い。


「じゃ、じゃあ使ってみますか?」


二人が大きく頷くので早速使ってみることに。


心の中で『ラブホテル』を強くイメージする!

すると!手の中にドアノブが現れた!


銀色の何処にでもあるドアノブだ!


そのドアノブを回すと、扉が現れる!


そして扉を押すと異空間へと繋がっていた、、、。


「なんだこりゃ!!」


憲兵さんが驚いた様で大きな声を出した。

そりゃそうだろう。

この世界にも『ラブホテル』は有るようだが、

この僕のスキルのラブホテルは地球の日本のラブホテルだったのだから。


「すげぇな!このベット!五人は寝れるぞ!!こんなベット、国王でもなきゃ使ってないぞ!」


「え?!なにこの箱!中が冷たいんですけど、、、」


憲兵さんがベットの上に倒れこみ、

受付嬢さんは冷蔵庫を物色している。

僕はベットサイドに置かれたコンドームを発見し思わず顔を赤くした。


「ねえ!この液体はなんなの?!!」


受付嬢さんがコラ・コーラのラベルの張ってある、黒いペットボトルを持ち上げて言った。


「あぁ、コラコーラですね」


僕はそう言ってコラコーラのペットボトルを受け取ると、蓋を外して渡してあげる。

初回限定で無料って書いてあったし大丈夫だろう。


「え?何これ?」


受付嬢さんは、スンスンと匂いを嗅いでいる。


「飲み物ですよ。炭酸が強いので気を付けてくださいね」


そう言いながら冷蔵庫の中に缶ビールを見付ける。

それを取って、『プシュ!』と蓋を開けると、

それは憲兵さんに渡した。


受付嬢さんはおっかなびっくり一口口に含むと、


「うっまー!」


と、叫んだ!

憲兵さんも、僕が渡した缶ビールを一口飲むと、


「なんじゃこりゃあ!!」


と驚いていた。


「これはビールか?!こんな旨いビールは初めてだぞ!!」


憲兵さんの形相に思わず後退りした。

よっぽど気に入ったのか、飲み口から中を覗いている。


「なんなんだ!ここは!」


「どうやら僕がいた世界の『ラブホテル』みたいです」


「スゲェ所から来たんだな、、、」


憲兵さんは室内を見渡しながら言った。

それから二人に質問攻めにされながら一つ一つ説明した。

トイレにお風呂。

それにテレビとゲーム。

どれもこの世界には無いみたいで二人は呆然としていた。


一通り観賞した後、

さて、帰ろうかというその時。


「今回は無料みてぇだが、次はいくらくらいかるんだ?」


そう憲兵さんが言った。

確かに。


「そうですね。そのへんは確り把握した方が良いですよね」


困ったな。

確かにそうなんだよね。一泊いくらかなのか分からなければ使えないし、、、。

そう思っていたら、このラブホテルのハウツー本を発見した。



宿泊(12時間)中魔石1個 小魔石なら10個

休憩(二時間) 小魔石5個

延長(二時間) 小魔石1個

チェックアウト時に精算機で清算お願いします。


有料冷蔵庫

チェックアウト時に合わせて清算。

テイクアウトOK


無料冷蔵庫の物は全て無料、テイクアウトOK


アメニティ

ジャンプー、リンス、ボデイーソープ、タオル類以外、テイクアウトOK



注意!!

備品を破壊しても直しません!

大事に使って下さい!!


男性二人以上での利用厳禁!


持ち込みOK


ポイントカード始めました。

たくさん使えばたくさん使うほど良いことがあります!

どんどん使ってくださいね!


このスキルは一度使うと、メンテの為6時間使用出来ません。


このスキルは『田中洋一』様限定のスキルですので、レンタルは不可となっております。


お忘れ物は此方で処分いたします。

ご注意下さい。



「なんだかスゲェな」


憲兵さんがそう言って唸った。

手には2本目の缶ビールが握られている。


「そうですね」


そういう受付嬢さんの手にはコラコーラがしっかりと握っている。

二人ともかなり気に入ったようだ。


「これからお前さんはどうすんだ?」


「僕ですか?僕はもちろん冒険者になります!」


「でも、剣の心得はねぇんだろ?それに剣も防具も安かぁねぇぞ?」


「うぅ、どうしたら一番良いですか?」


「そこで提案だ!俺にこのビールを1日一本!一本くれれば、とりあえず剣を毎日教えてやる!そして、剣と防具一式も俺のお古だがやるよ!どうだ!!」


願ってもない提案だった。

僕が乗らない訳が無い!


「良いんですか!!是非お願いします!!」


「よっしゃ!!」


憲兵さんと『ガシ!』って感じで握手した。


「えっ!じゃあ私も!私も魔法を教えてあげるよ!!」


カーンティさんがコラコーラの目の前に持ち上げて言う。

コラコーラと交換でって事だろう。


「ほんとですか!ありがとございます!」


おぉ!

一気に未来が明るくなった!!

剣を振り回しながら魔法を放つ自分を想像する。

くぅ~!

たまらん!

夢にまで見た異世界生活に心を踊らせていた。

通貨は後程訂正あるかと思います。

スミマセン、その辺は流してもらえると助かります。

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