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FileNo.0008 受付

 一晩眠った後、朝日が昇るころにフィアの家をでる。あたりはまだ薄暗く、徐々に茜色へと変わっていく森を抜け、一路ロデブラへと向かった。もうろん、ギルドへ資金稼ぎに行くためである。

 朝が早いのは、フィアがおらず、朝食の用意をどうすれば言いかと悩んだ結果、街で食べてみようと思い至ったからだ。

 途中、行きかう人々に警戒されるが、特段何かをされることは無い。少なくとも、ゴーレムの存在自体に脅えていることはなさそうだ。

 馬車では1刻ほどかかる場所だが、「レバリー」では半刻で着くことが出来た。

 門の前には、数台の荷馬車が並んでいるのが見えた。

 

 街の門まで来ると、さすがに警戒を強めたのか、数人の兵士がこちらへ武器を向けている。俺は、右手を掲げ、ギルド所属だと言うことをアピールする。

 それを確認したのか、兵士たちは警戒を解き、各々の業務へと戻って言ったようだ。

 馬車の最後尾に並び、入門の順番を待つ。周りからは、好奇の目で見られているが、気にしないようにする。

 馬車が動き、俺の番になった。俺は、コクピットを開いて外に出る。

 門番は、降りてきた俺に近づいてくる。特に、警戒の気配は無い。

 

 「おはようございます」

 

 「ああ、おはよう。身分証明書を提示してくれ」

 

 俺はポケットからギルド証を渡すと、門番は受け取って、門のそばにある金属板にギルド証をかざす。

 すると、金属板から緑色の光が発せられた。俺は、それを不思議そうに見る。

 門番は、緑色に光ったことに満足した様子で、ギルド証を金属板から離すと、俺へと差し出した。

 

 「問題ない、通っていいぞ」

 

 ギルド証を受け取り、俺はコクピットに戻る。その後、「レバリー」を操作して、ギルドへと歩みを進める。

 朝の時間帯だからだろう、仕事を始めるための人達が多く行きかっているようだ。

 ぶつからない様に操縦するのは、非常に神経を使う。

 そうこうしているうちに、ギルドの前に着いた。ギルドの前では、これから狩にいくのであろう、いわゆる冒険者のグループが何組かたむろしていた。

 俺の機体が近づいていくと、ぎょっとしたようにこちらを見て、臨戦態勢になる。

 俺は門の入り口でやったように、右手を掲げ、ギルド所属だとアピールする。何人かはいぶかしそうにしていたが、一応こちらへの警戒は解いたようだ。

 その様子を確認して、ギルドとなりの馬車止めに機体を進め、そこで停止させる。一応、悪さをされないようにマジックシールドを張るようアイカに指示を出しておく。

 コクピットを開け、機体を降りると、周りには物珍しそうに人だかりができていた。

 何人かは俺に話しかけようとしていたみたいだが、俺はそれを避けるように進み、ギルドの受付へと向かった。

 扉を開けると、前日の静けさがうそのように喧騒としていた。

 テーブルには、グループで話し合いをしているハンターたちが居たり、掲示板前には、何人かのハンターが依頼を物色中のようだ。

 受付のカウンターには、前回は、ガライ一人だけだったが、何人かの受付が居た。そして、一際美人の受付嬢には列が出来ている。

 どこの世界も、美人には弱いらしい。

 とりあえず、掲示板へと向かい、今日受ける依頼を捜すことにした。

 掲示板には、初級向けの依頼が5つ張られていた。内容は次の通りだ。

 

 = ゴブリン 10匹討伐 10日以内 銀貨3枚 =

 

 = ブルファング 5匹討伐 10日以内 銀貨4枚 =

 

 = コボルト 10匹討伐 10日以内 銀貨3枚 =


 = 人食い狼 10匹討伐 10日以内 銀貨5枚 =


 = オーク 5匹討伐 10日以内 銀貨3枚 =

 

 俺は、そのなかからとりあえずゴブリンの依頼を受けることに決めた。俺は、用紙を剥ぎ取ると、空いているガライの列へと並ぶ。

3人ほど並んでいたが、受付は簡単なようで、すぐに俺の番が回ってきた。


 「広太様、いらっしゃいませ」

 

 「すまないが、様付けは勘弁してもらえないか?」

 

 ガライは逡巡した。何か思うところがあるらしい。しかし、納得したのか、普通に話しかけてきた。

 

 「……わかりました、あらためて広太さん、おはようございます。」

 

 「この依頼を受けたいんだが」

 

 そういて、用紙を差し出す。ガライは受け取ると、判を押して何かを書き込み、横にある箱へと移した。

 

 「受理しました。では、依頼のほうをお願いします。」

 

 「すまないが、少し質問をしてもいいか?」

 

 「ええ、お待ちになってる方は居ないみたいなのでいいですよ」

 

 ガライはにこやかに対応する。それを恨めしそうに視線を刺す美人受付嬢。

 右手にずらっと並んでいる、受付嬢の列はなんなのかと問いただしたいところだが、俺は何点か気になっていることを質問することにした。

 

 「依頼の内容以上にモンスターを狩った場合はどうなるんだ?」

 

 「その場合は、依頼の討伐数の単位で、依頼金が増額されます。それ以外の、端数は買取のみとなりますね」

 

 「別のものを狩った場合は?」

 

 「依頼が出ていて、討伐数分狩られていた場合のみ、後でも受け付けています。」

 

 「そうか」

 

 後ろに人が並んだので、それ以上の質問はせずに、その場を後にした。

 

 「さて……」

 

 ギルドを出ると、俺は朝飯を食べるために大通りを歩くことにした。

 よくよく考えれば、どの店がいいか聞いておけばよかったと思ったが、まぁ知らない街を散策するのは嫌いじゃない。

 天気もいいし、のんびり見てまわるかと歩みを進めた。


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