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FileNo.0011 戦果

その後、リーダーを突然失い、状況が分からなくなったほかの5匹は、その場で右往左往する。

 あるものは、どこからの攻撃だったのか確認しようとあたりを見回し、

 あるものは、戸惑いその場で動かなくなっていた。

 統制の取れていない今がチャンスと、さらに5連射を行って、すべてのオークが沈黙した。

 そして、あたりに沈黙が訪れる。

 あっけないくらい簡単に終わってしまった。

 ほっとすると同時に、なにか拙い事をしているような気持ちにもなる。

 レーダーを見ると、オークの数はのこり2匹まで減っており、街から遠ざかって逃げようとしているのが見て取れた。

 周りを警戒しながら、その場の状況が落ち着いたのを確認し、俺は「レバリー」を起立させると、オークの元へと歩みを進める。

 オークの死体を目の前にする。

 前のゴブリンほど吐き気がこみ上げてくるわけではないが、未だに嫌悪感が取れない。

 徐々にだが慣れてきているのは分かるが、どこかで忌避感があるのだろう。

 とはいえ、この世界で生きるため、覚悟はしたのだ。

 俺は、「レバリー」を操り、魔石を回収する。

 魔術師風のオークのものは、青色が濃くなっていて、普通のオークのものより大きかった。

 そのため、それ1つで1ヶ月は「レバリー」の燃料の心配は要らないだろう。

 

 「終わったか……」

 

 とりあえず、生き残ったことに感謝しつつ、「レバリー」を街へと向けると、3人ほどの冒険者がこちらへと向かってくるのが分かった。

 俺は、アサルトライフルをバックパックに収納し、使った武器がばれないようにする。

 近づいてきた冒険者は、警戒しながら近づいてきている。

 俺は、「レバリー」の右手を掲げながら、そちらへと機体を向けた。

 冒険者達は、恐る恐るこちらに近づいてくる。一応、ギルド所属の証を掲げているため、攻撃を仕掛けてくるそぶりは無いが、この状況はまずいと思った俺は、「レバリー」を駐機状態にし、ハッチを開けてその場に降り、冒険者たちへ声をかける。

 

 「応援の人たちですか?」

 

 「ああ」

 

 先頭を歩いていた剣士の男が返事をする。

 

 「こちらは、片付きましたので、他への応援をお願いします。」

 

 「え、オークが5、6匹向ってるって聞いてきたけど?」

 

 弓を抱えた女性がいぶかしそうに聞いてきた。

 

 「ええ、とりあえず全部倒したので、問題ないです」

 

 「そうか……」

 

 何かを思案し始めた剣士に、なんとなく居心地が悪くなったので、俺は「レバリー」へと引き返し、そのまま急いで乗り込んだ。

 

 「おいっ」

 

 引きとめようと声をかけてきたが、俺はかまわず機体を起動させ、街へと歩き出した。

 

 「では、報告があるので先に戻りますね」

 

 そう言い残して、「レバリー」を加速させた。

 

 

 街に入ると何事も無かったかのように平穏を取り戻していた。俺は、そのままギルドの建物へと向う。

 ギルドの前では、テントのようなものが張られており、今回の参加者であろう返り血(なのか自分の血なのかわからないが)を浴びた冒険者や、腕に布を巻いた冒険者などがたむろしていた。

 臨時の応急処置所なのだろう。

 俺は、その光景になんとなく罪悪感を覚えつつ、先ほど止めていた場所へ「レバリー」を進め、駐機させる。

 ハッチを空けて「レバリー」から降りると、報告のためギルドの内部へと向かった。

 受付では、忙しそうに職員たちが右往左往している。

 俺は、あたりを見回し、ガライがいるか確認する。

 ちょうど、受付カウンターで書類を確認し終えたのか、下を向いていたガライが顔を上げるのが見えた。

 あちらでもこちらを見つけたのか、俺を手招きし呼び寄せる。

 

 「広太さん。お疲れ様でした」

 

 「ああ、なんとか撃退したようだな」

 

 「ええ、対応した人数の割には死者が出ず撃退できましたし、御の字でしょう」

 

 「そうか……」

 

 先ほどのギルド前の光景を見ると、本当に御の字だったかと思ってしまうが、この世界ではそうなのであろう。平和な日本という環境の中で育った身として、誰かが傷つくのは気分のいいものではなかった。

 

 「戦果の確認をいたしますので、ギルドカードを提出してください」

 

 「ギルドカード?」

 

 「えぇ、討伐されたモンスターの情報はギルドカードに記載される様になっていますので」

 

 「そうなのか」

 

 どのような仕組みで登録されるのだろうと疑問に思ったが、そういうものだと納得することにし、ギルドカードを懐から出すことにした。

 そういえば、依頼を受けた時、討伐証明はどうするのか聞き忘れていたな。向こうも説明をしなかったが、こういう仕組みがあるのなら納得だ。

 ガライは、俺からギルドカードを受け取ると机の下にあるであろう読み取り機らしきものにカードをかざす。

 カウンタの上に設置してあるモニターらしきものに数行の文字が浮かび、それを確認してガライは数枚の書面を取り出すと、印を押して俺に差し出した。

 

 「オーク6匹の討伐確認しました。お請けになっている討伐依頼が完了になります。それとは別に、今回の襲撃防衛参加の依頼達成となりまして、別途報奨金中銀貨2枚が出ますので、お渡しした書面をもって、出納カウンターへお持ちください」

 

 「出納カウンターはどこだ?」

 

 「ああ、すいません。ご説明してませんでしたっけ。一番右側のカウンターです」

 

 「そうか、わかった」

 

 俺は、書面を受け取ると出納カウンターへと並び、報酬の受け取ってギルドを後にした。


だいぶ間が開いてしまいました。

仕事の都合です。ごめんなさい。

もうちょっと、ペース上げられるようがんばりますんで、今後ともよろしくお願いします。

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