表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/14

FileNo.0001 プロローグ

 漆黒の闇の中を4機の機体が飛んでゆく。

 先頭の機体をトップとし、雁行の陣形だ。

 俺のポジションは最後方、左前を行く僚機を基準に飛んでいた。


 「後15分で現場に到着するぞ」


 隊長のやっさんこと、八尋さんから声がかかる。

 俺は、レーダーを広域範囲に設定し、辺りに敵がいないかを確認するため、機体のレドームの位置を調整し始める。


 「しっかし、時代も変わったもんだ・・・」



 年度末に発売された、VRゲーム機「フォトン」。

 『破格の性能を注ぎ込み、VRの性能を追求した究極のゲーム機』というキャッチコピーを元に、某先駆者的な大手電機メーカーが開発した。

 発表後に行われたゲームショーでは、その圧倒的な迫力に関係者たちは絶句し、一般来場者たちは、とうとう小説の中のことが現実となると大喜びした。

が、さすがに『破格の』とキャッチについただけあり、値段が高く、おいそれと買えない代物だった。

 学生の俺には、ただ指を咥えてみているだけかと思っていたが、どうしてもやりたかった俺は、ゲーム誌やテレビ番組に応募をしまくった。

 そして、視聴者プレゼント当選し、運よく手に入れることが出来た。

 やりたいタイトルは決まっていた。

 『メタル・バイオ・スラッシャーズ』

 SF風MMORPGだ。

 『自分の機体をカスタマイズ、並み居るモンスターを倒していこう!!』と言うコピーの通り、ベースとなる機体にさまざまな武装などを取り付け、自分好みの機体に仕上げて、ファンタジー風のモンスターを倒していく。

 ゲームショーで体験した、本当に機体に乗っている感覚が忘れられず、また、ミリタリー好きの俺としては、飛びつかずにはいられないタイトルだったのだ。



 そんなことを考えていると、やっさんの声が耳に入る。


 「なにじじむさいこと言ってやがる。そんなだから、彼女も出来ないんだよ」


 「うっせ」


 「「わはは」」と残り2機のやつらが笑っている。ちきしょー、妻帯者のリア充たちめ、もげちまえ!!


 「それより広太」


 急に声を真面目なトーンに落とし、こちらに向けて語りかけてくる。


 「なんだ、やっさん」


 「今日の獲物は、スケイルドラゴンらしい。」


 「まじか?ICE作り変えたばっかだってのに・・・」


 ICE。InfiniteConstitutionElementの略で、このゲームの世界、ナリディアの戦闘機械の通称だ。

全高約3メートル、自重3トンほどのどちらかというとパワードスーツに近い形態だ。

 フライトユニットを搭載すれば、飛行が可能になり、飛行するモンスター相手でも戦闘をこなすことが出来る。

 やっとこさ溜めた稼ぎで、ほしかった汎用型ICE-GP07「レバリー」を手に入れた矢先、厄介な敵とあたってしまった自分を呪う。


 「索敵のほう密に頼むぞ。あいつは、子飼いのリザードがごろごろ出てくるからな。」


 「了解。」


 今回は、索敵機としての役割のため、EV-181索敵ユニットを搭載しているため、小隊の哨戒を担っていった。

 俺は、やっさんに返事をすると、管制サポートの相棒を呼び出した。


 「アイカ。調子はどうだ?」


 「はい、マスター。全方位、感度良好。問題ありません。」


 戦闘管制用AI、アイカと名づけたそれは、心地よい人気声優の音声とともに、俺に答えてくる。


 「そいつは重畳。」


 操縦桿を再度握りなおし、索敵用レーダーの光点を見逃さないように目を凝らす。

 それから数分後、レーダー画面の左上から敵を指し示す赤い光点が現れ、徐々に編隊に近づいてきた。


 「小隊全機へ、10時方向、数10。1こ、大きいのが混じってる!」


 「聞いたとおりだ。今日も稼ぐぞ!!」


 「「「ヤー!!」」」


 俺たちは、やっさんの旋回を皮切りに、次々と左旋回をしていく。


 「小隊全機へ、距離3000で《スプラッシュ》発射。発射後、各機ブレイクし、まず雑魚を叩き落すぞ。」


 「「「了解」」」


 俺は、左手でコンソールパネルを操作し、《スプラッシュ》の安全装置を解除する。


 「アイカ。ターゲットマーク。」


 「イエス。マスター」


 目の前のモニターに、複数の攻撃目標が映し出され、当たりそうな奴に狙いを絞り、ロックオンする。


 「3000まで、3、2、1、発射!!」


 やっさんの掛け声と共に、全機体から4本のミサイルがフライトユニットのパイロンから発射されていく。

 それらは、一直線に飛んでいったかと思うと途中で複雑な軌道を描き出していく。

 向こうも気付いたのであろう。回避行動をはじめたようだ。

 普通に考えると、生物、しかもホバリングができ、性急な機動が出来るのにミサイル?と思うかもしれない。

 が、さすがにそこはファンタジー。ミサイルはオリハルコンの合金で出来ており、ちょっとやそっとの負荷では折れ曲がらない。さらに、ベクタード・スラスト(推力偏向できるロケット)付のものを使っているので意外と当たる。

 そうこうしているうちに、9匹のリザードのうち、この攻撃で5匹が撃ち落された。

 チロリリーララー。

 コクピットの中に軽快な音が鳴り響く。

 モニター脇のログ情報に、レベルアップの1行が出ている。

 やっと、60か。これでさらに上のグレードの機体を設計することが出来る。

顔がにやけてくるが、次の瞬間、ファイヤーボールが機体を掠めていった。


 「広太!油断すんな!!」


 「了解!!」


 やっさんの怒鳴り声に我に返る。

 僚機が7体目のリザードに向かっていくのを確認し、機体を加速させようとしたところで、大きな物体がこちらに近づいてくる。


 「アイカ、マジックシールド展開!」


 「イエス。マスター」


 機体の椀部に位置するジェネレータから、盾のように広がる虹色の光。MPを変換して魔法系の攻撃を吸収してくれる。

 機体の前に掲げると、目の前に迫ったスケイルドラゴンからブレスが飛んできた。

 ドラゴンのブレスは、広域に吐かれるため、機動での回避は不可能だ。そのため、通常はシールドを展開して防ぐのが一般的だ。

 俺もセオリー通りにしたつもりだった、が、


「なに!?」


 ブレスに包まれたと思った矢先、目の前のモニターが、いや、視界がブラックアウトした。


 「どうなってる!!」


 急いでログアウトしようともがくが、今まで感じていた操縦桿も、フットペダルも、いや、座っている感覚さえ消えている。


 「アイカ、どうなってるんだ!!」


 叫んでみても返答は無い。

 言い知れぬ恐怖が湧き上がって来る。


 『どうなるんだ・・・』

 

 そして、段々と感覚が薄くなっていき、俺は意識を失った。

書き始めてしまいましたが、構想も何にも無く、ただただ徒然なるままに書いてこうと思っております。

生温かい目で見てやってください(笑)。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ