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嵐の夢(上)
それは帰りのホームルームでの事だった。
どんよりと真っ暗な空から
激しい雨風が窓に降りつけ、雷様がゴロゴロと怒りを貯蓄している様に低い音をたてていた。
これはホームルームが終わっても暫く帰れそうもないな。
ーーーーー!!
バリバリと何かを裂くような雷鳴がこだまし、辺りが一瞬見えなくなる位明るくなった。
近くに落ちたようだ。
間も無く蛍光灯がチカチカ言って消えた。
みんなざわめき出しホームルームが中断した。
「静かにしろ。たかだか停電だ。」
たしかに、それだけならば何の心配もいらない。
しかし皆は気付いていた。
校庭の向こうにある、黒い雲の竜巻の中に、何本もの稲妻がはしっているのを。
そしてそれがコチラに近づきつつある事を。
このまま逃げなかったら巻き込まれるのは明白だった。
先生もそれに気づき、少し考えた後に言った。
「体育館に避難するから、全員廊下に並べ!」
しかし、その判断も時既に遅しと言った感じになっていたのだ。