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おにごっこの夢(下)
桜吹雪の中を、僕はぐんぐんと上昇した。
夢の中なので、寒いとか暖かいとは感じなかったが
凄く気分がよかった。
隣の校舎の屋上に降り立つと、校舎全体がピンク色に染まった。
さてと、時間稼ぎにはなっただろう。そう簡単には追い付けまい。このあと、どこへ逃げようか考えていると、ふと思う。
果たして二宮と河野は追ってくるだろうか。
僕は何故かこっそり戻って様子を伺ってみようと考えた。
元の校舎に飛び、壁に張り付いた。
しばらく待っていると、話し声が聞こえてきた。
「見て!隣の校舎の屋上に飛んでるよ。私たちじゃ無理じゃない?」
「絶対無理じゃん。このままほったらかしにしようか」
やはりだ。勝負を放棄しようとしていた。
いーね、いーねと言いながらケラケラ笑う声に頭にきて、僕は二人の前に出てひと言、こう言った。
「お前、追いかけろよ!!」
....どういう夢だったんだろうか。