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升物語 ~ CHEAT STORY ~  作者: 相山 美都
永遠と一瞬
4/10

a.ba 女王

 


 存在していたくなかった

 存在してほしくなかった


 

 


 どうして何も言わなかったの?

 悲しみに暮れてたってもう遅い。彼はもう行ってしまったのだから。

 彼がこの国を去って1年が経つ。


 12歳になった去年の今日、私にキスをした彼は国境を越えてしまったの。

 結婚するって約束していたのに。


 後悔したってもう遅いのよ。

 どっちにせよ私は第二後継者候補なのだから、王を継ぐ身であることは変わらない。

 …それでいいじゃない。


 彼が私に托した本に書かれていた物語は、ささやかな言い伝えだというのに。

 えぇ、彼はきっとそのことを凄く気にしていたのよ。

 だから私にこの本を渡したんでしょ?


 仕来たりなんて気にするお父様たちが勝手に付けた名前で、どうしてこんな悲しい思いをしないといけないの。

 分からないの。

 どうして私の名前を、彼の名前を、付け間違えたのか…何度も聞いてはみたけれど、お父様やおじ様は苦い顔をして答えをはぐらかしてばかり。

 ならなぜフィアンセなんかにしたのよ。

 私が第二後継者候補だから?


 そんな理由…あんまりだわ。


 

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