第十二話「不死のキョンシー」
「ああ!?誰だお前ら。おいガキどもは車の中に入れとけ!」
男のリーダー格の一人がそう発した瞬間、俺は擬似瞬間移動で相手に近づき、その男を殴り飛ばした。取り巻きの奴らはその光景を見て、恐怖し、ガタガタ震えている。
「ば、バケモノ!」
取り巻きの男が「パン」と銃声を響かせ、俺は撃たれたが、すぐに巻き戻して奴の腹に攻撃した。
数分後、全員倒し終わったので、車の中で意識を失っている少女と少年の顔を見た。
少女は間違いなく、暴走していた子だとわかったが、少年の方は全く記憶になかった。その二人を車から出して、安全なところに逃げようとした時、俺の頭に銃弾がめり込んだ。
「戻れ!」
俺は1時間以内なら自由に過去に戻れるから撃たれる前に戻り.....
*
目の前で少女と少年が捕まりそうなところまで戻った。撃たれた方角はあっちの方、
「トウマ、ユイナ、そっちは任せた!」
と言って、敵が撃ったであろう場所に走ろうとした時、
「場所がバレているか.....
良いわあなた達の土俵で戦ってあげる。」
女は呟き急に目の前に来た。それはまるで、自分自身が弾丸だと思わせるほどのスピードで銃を持ちながらこっちに来た。
咄嗟に擬似瞬間移動でその攻撃を避け、横から殴ろうとしたが、女は銃を乱射してきた。
その攻撃は物理法則なんてものはないと言いたげに曲がり、俺らのところにきた。
ユイナは集める能力でトウマを守り、俺は擬似瞬間移動で避けたが追尾してくるので、ひとまず近くにある建物に身を隠して、銃弾の威力を殺した。
「お初にお目にかかります。幹部の九条リンと申します。」
スカートを持ち、あんなことをしておいて、貴族の挨拶みたいに俺らに話をした。
「なんでここに来たんだ?お前の能力は
【狙う】だろ?」
トウマが思考を読むで見たのか、その疑問を相手にぶつけた。
「──なんで私の能力がわかったかはわかりませんが。
私は楽しみたいのですよ。あんな高いところからちまちま撃っても退屈なだけです。相手の殺し方さえ選べる──」
「それが強者の特権ですから♪」
「強者の特権ねぇーあんたの頭をのぞいた感じ強者じゃなく、ただの変人に見えるがな。」
トウマの煽りに少し腹が立ったのか、リンと名乗る女は
「人の頭を勝手に見る方が、よっぽど非常識な変人だと思うのですけど。」
と語気を強めにリンの額からピキピキと血管が浮かび上がってる。
「それにしても.....トワはいないのですね。あの人がいないならなんとかなるでしょう。」
「まるでトワのこと友達みたいに言うんだな。」
「だってあの人は元々アークの人間でしたから。」
あっけらかんとリンは言ったが、その言葉にユイナは酷く動揺した。
トウマは「やはりか」と少し納得してるようであった。
次の瞬間、遊園地方面から爆発音が轟いた。恐らくカイが暴れているのだろう。
「あっちも楽しんでいるらしいし、私たちも楽しみましょう。」
【この狂ったゲームをね!】
リンは手を銃の形にして、瓦礫をこっちに飛ばしてきた。ユイナは集める能力で飛んできた瓦礫を集めて、相手に投げつけた。
リンはその攻撃を避けたが、トウマが思考を読み、回避場所に拳を振り上げた。
見事に当たったが、ダメージはあまりなく、すぐに体制を戻して銃でトウマを撃とうとしたが、
俺は擬似瞬間移動で近づき、リンに触れて、戻しさっきまでいた場所に戻した。
急に場所が変わったことに気づき、
一瞬困惑したが、すぐに理解し距離をとった。
「厄介ね.....」
「ならこれはどう?」
そう言った直後、彼女は空を飛び大量の銃を発射しながら彼女もその銃弾に紛れるように距離を詰めてきた。
さっき、銃弾を避けたが追尾してきた。恐らく何かに当たらなくては威力が落ちずに追尾される。
ユイナは集める能力で対処しているが、問題はトウマと俺だ。
避けることに精一杯で威力の減衰のことを考えていられない。
しまいにはご本人自ら低空飛行で突撃しながら、銃を撃ってくる。
「クソなにか打開策は!」
「──!」
「ユイナ!ありったけの銃弾を集めろ!」
「わかった。」
そう返事をして、銃弾の球が出来た。五百発はくだらないだろう。
その銃弾の球に近づき、俺はそれを過去に戻した。それらは奴の銃に目掛けて飛んでいき、一気に戻ったことで銃が全て壊れた。
「うそ....?私の銃が?」
彼女は絶句し、今の状況を打開しようと考えているが、良い案が思い浮かばないのだろう。真っ青な顔をしている。
一同勝ちを確信した瞬間、
「ぶーん」と荒い運転をしている
古びた車から、もう顔さえ見たくないクソガキが現れた。
「ネクロ!!」
俺は憎たらしく、されど忌々しくやつの名を吐き捨てた。
「なんですか?この様はこいつらはあの方に能力を強くしてもらったわけでもないのに。」
そう言い、まるで先生が生徒に怒られているような構図になっていた。
──最悪だ。
今回のループで全て終わると思っていたのに、足りなかった。
──いやまだ諦めるな。俺はあいつの能力を知っている。前に洗脳を打破した時、俺は頭を過去に戻し続けた。まだ勝てる。そう思いやつを再び睨み返した。
やつは俺を見て、「なるほど」と、リンが負けたのにどうも納得した様子だった。
「サクさんこんにちは。あのメールを見てくれましたか?」
「ああ、見たよ。」
「それでお返事は?」
「その件はだいぶ前に交渉決裂されたさ。」
と吐き捨てながらネクロに近づき、殴りかかろうとしたが、
リンが間に入ってきた。
「ネクロ様はわたしがまもる.....」
と言いながら倒れていき、ネクロは「ご苦労」とだけ返して、
【なら再び交渉の時ですよ。私たちの仲間になりましょう♪】
ネクロの目が怪しく光ると同時に俺は頭を戻し続けていた。
「クッ」
リン戦で能力を使いすぎたか。一度は致命傷を負ったせいで、それでかなり持っていかれたか。
──だが戦える。
俺は頭を押さえて立ち上がった時、トウマの拳が俺の顔に当たった。
体制が崩れた俺はユイナの能力でブラックフォールみたいのに吸い込まれたが自分の体を過去に戻して、脱出した。
──忘れていた。あの時、トワも洗脳されていた。勝手に俺だけを洗脳してくると思っていた。
もう時間的にあいつらを戻しても、洗脳前に戻らない。
──ならネクロ自身を叩く!
俺は擬似瞬間移動をしてネクロに近づいて殴ろうとしたが、ユイナの集めるで引かれて、空振ってしまい、ネクロに殴られた。吹っ飛んだ場所にトウマがいて。蹴られて壁に衝突した。
クソ!まだネクロの能力が未知数だ。前に一人で廃墟に行った時、洗脳せず一度死を受け入れた。
その後は蘇ったかのように俺に銃を当ててきた。
考えろ、考えろ!突破口を探せ!
俺は取り巻きたちが落としていたであろうナイフが目に映った。一度死に戻りをするか?と考えたが。
「クソ、最後までやってやる!」
俺はナイフを持った。銀色に輝くナイフに今はひとりぼっちになってしまった僕が映った。
怖い、苦しい、助けてほしい。
昔の僕ならそう言うだろう。
だから今だけは、今だけは!
「俺が相手してやるよこいよ。ド三流!」
もう何度目かわからないネクロへの挑発をした。
俺はナイフをネクロに投げた。
ネクロはつまらんといいたげの顔して避けた。俺はニヤリとして、
「後ろがお留守なんじゃないか?ネクロさんよー!」
と戻す能力で戻し、やつの心臓に刺した。戻ってくるナイフを持ち、止めてくるユイナとトウマからの攻撃を受け一瞬で戻し、
やつに何度も、何度も、何度も突き刺した。
肉片がバラバラになるほどの斬撃、
──勝った....?
再生不可能にしたらどんな能力者でも絶命するだろう
それに例外はなく。僕でも恐らくツムグでも、
初めて感じた微かな手応え、周りを見たら、ユイナとトウマは倒れていた。
僕は二人の元に近づき、赤く染まったその手でそっと抱き寄せた。
──その時銃声が轟いた。
「私のもう一つの特性を知られてなくて良かったですよ。」
やつは血塗れになりながら、そう語りかけてきた。
「ですが、もう知られたもの同然ですね。いい機会ですし教えてあげましょう。」
「私はあの方に能力の強化ともう一つ──」
【種族改変】
「してもらったんですよ。その種族は.....」
【キョンシー──絶対に死なない能力】
「バラバラにすれば倒せると思いましたか?みんなを守れるとでも思いましたか?」
「残念!!私は生きており死んでいません!!」
「ゴフッ」俺は吐血をし、撃たれた腹を押さえ込むように考えていた。
「詰みか.....」
能力は使い切り、最大限のことをやった。
絶望している横でユイナが起きようとしていた。
「ふむ、あなたの妹が起きた時にサクさんが死んだら、あなたの妹はどんな顔をするんでしょう?」
「外道が....!」
「外道で結構。それでは次の世界で会いましょう。」
「お兄ちゃん」
と寝ぼけた声が聞こえた。次の瞬間、俺の心臓は銃弾によって撃ち抜かれた。




