表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ECHO-記憶の残響-  作者: GODS04


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/77

第18章:奪われた声

悲しみは、いつしか怒りへ。そして刃へ。

平和的な支援団体だった「NOISE」が、牙を剥く理由がここで明かされます。



◆ 【行方不明の報せ】


2046年、夏。


NOISE拠点の空気が張り詰めていた。


「……一家全員、行方不明?」


佳乃がモニター越しに警察発表を睨みつけた。


「馬鹿な……光生さんが?そんなわけ……」


灯は両手を握りしめ、震える声を絞り出した。


「数日前まで……普通に出勤していて……私と話してたんです……」


透也は何も言わなかった。

ただ、壁に貼られた光生の写真をじっと見つめていた。


隣で真田が低く呟く。


「警察は“家庭内トラブルによる失踪”で片付ける気だ。

何の捜索指令も出ていない。」


「……そんな……」


灯の目から、悔し涙が溢れた。



◆ 【回想 -最後に見た光生】


「灯ちゃん、これお願いね。」


笑顔でカルテ整理を頼む光生。

だが、その微笑みの奥に、ほんの僅かな翳りがあった。


(……今思えば、あの時……

光生さん、翔真さんのことで悩んでたような……)


「……何か、翔真の様子が変だったとかは?」


透也の問いに、灯は首を振った。


「分かりません……でも……」


「でも?」


「……光生さん……怖いって、言ってました。」



◆ 【疲弊するNOISE】


連日、近隣への聞き込みが続いた。


「見てないってさ。」


真田が肩を落として戻ってくる。


佳乃も、端末を閉じため息をつく。


「データも監視網も抜けてる……

完全に“消された”としか思えない。」



◆ 【甲斐の接触】


夜。


古い診療所跡地の外階段。

透也は薄い夜風に髪を揺らしながら、建物を見上げていた。


(光生……どこだ……)


「……朝比奈透也さんですね?」


静かな声に顔を上げる。


白衣の裾を翻し、黒髪を後ろで束ねた眼鏡の男が立っていた。


「……あんたは?」


男は静かに名刺を差し出した。


【甲斐 仁 – 元RE:CODE研究所協力医師】


透也は一瞥し、低く問うた。


「……何の用だ。」


「不破光生さんのことです。」



◆ 【甲斐の告白】


診療所の奥。


甲斐はタブレットを差し出した。


「これは……」


画面には、血のついた床に倒れる光生の写真。

そして、彼女の頬に触れながら無表情で立ち尽くす翔真。


「これは……なんだ……」


声が震えた。


「これが、彼女の最期の姿です。」


「……どうして、あんたがこんなものを……!」


「私は……彼女を助けられなかった。」


甲斐の指が、僅かに震えた。


「だが、真実を知ってほしかった。」



◆ 【真羽の行方】


透也は涙を流しながら、甲斐の胸倉を掴んだ。


「……真羽は!?光生の娘はどこだ!!」


甲斐は顔を伏せ、微かに首を振った。


「分からない……私も……それが知りたい。」



◆ 【決意 – NOISE始動】


診療所を出る頃、夜が明け始めていた。


冷たい朝焼けの下で、透也は空を見上げた。


「……光生。」


灯が涙を拭い、佳乃と真田が並び立つ。


透也は振り返り、僅かに笑った。


「……始めるぞ。」


「リーダー……」


「NOISEは、ここからだ。

奪われた声を、取り戻す。」


静かなその声は、

夜明け前の空気に溶け込み、やがて力強い決意となって響いていった。


市民団体NOISEが、武装団体NOISEとしての始まりでも、あった。



第18章・完


お読みいただきありがとうございます!


最愛の妹・光生の死を知った透也。

その怒りと絶望が、NOISEを「武装集団」へと変貌させました。

リーダーとしての決意、そして復讐への道。


そして、その引き金を引いたのは、スパイとして送り込まれた甲斐仁。

彼は「真実」を伝えましたが、その裏にある研究所(結城)の思惑通りに事が運んでいるようにも見えます。

しかし、行方不明となった娘・真羽まうの存在が、計算外のノイズとなるかもしれません。


ここまでの過去編で「物語の深みが増した!」「続きが読みたい」と思っていただけましたら、

下にある【☆☆☆☆☆】からポイント評価や、ブックマーク登録をしていただけると執筆の励みになります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ