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天災扱いの天才、封印される  作者: モッサン
リヴィウスの血統

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第25話 「血が呼ぶ声」

帝都からの帰還の余韻が残る中、城下町は驚くほど静かだった。


戦いは起こらず、血も流れず、ただ“脅威”だけが消えた。

それだけで、人々の顔が明るい。


アレン

(少しは……落ち着いた、かな)


ふと胸元の封印紋に触れた瞬間――

心臓の奥がズキリと痛んだ。


アレン

「っ……!?」


痛みではない。

いや、痛みよりもずっと深い。


――呼ばれている。


どこか遠くから、何かが脳裏に響く感覚。


黒核

『……ついに、目覚め始めたか』


アレン

「黒核……これ、何?」


黒核

『お前の“血”が応えている。

 封印が弱まったのではない。

 お前自身が“本来の権限”に近づいた証だ』


アレン

(本来……?)



◆ ◆ ◆


その夜。

アレンは静かな書庫で資料を整理していた。


そこへ、ひとりの老人が訪れる。

王城の最古参、図書院の司書だ。


司書

「アレン殿……ひとつ、お聞きしたいことがある」


アレン

「どうしたんですか?」


司書は震える手で、一冊の極秘文書を差し出した。


司書

「これは……“管理者候補”に関わる最古の文献。

 千年以上前に封じられ、誰も手を触れてこなかったものじゃ」


アレン

「僕に……?」


司書

「いや、正確には……

 “お前の血筋が継ぐ者に渡せ”と書かれておる」


アレン

「……血筋?」


文書の表紙にはこう記されていた。


【リヴィウス家系譜記録――禁閲】


アレン

(リヴィウス……僕の家?)


司書

「アレン殿。

 実は王からも、止められておったのだ。

 “アレンの出生には触れるな”とな」


アレン

「……なんで?」


司書はゆっくりと文書を開き、

震える指で一行を示した。


そこには、こう記されていた。


【管理者候補は“リヴィウス血統”より生まれる】

【その力は、世界魔力を揺らす“天災”として扱われる】

【ゆえに――誕生のたび、封印されるべし】


アレン

「……封印……?」


胸の封印紋が熱く脈打つ。


黒核の声が静かに重なる。


黒核

『そうだ。

 アレン、お前は“偶然天才だった”のではない。

 生まれた時から“天災”として封印された存在だったのだ』


アレン

「僕が……“封印されるべき血”……?」


司書

「恐らく、親御さんも……お前を守るために沈黙を貫いたのだろう」


アレン

(僕の力は、僕だけのものじゃなかった……

 “血”から続く……呪い、なのか?)


静かに文書の奥をめくる。


そこには、さらに不穏な一文が書かれていた。


【次代管理者候補が覚醒するとき――

 “封印の守役”が現れる】


アレン

「封印……の……守役……?」


黒核

『アレン。

 その者は“お前を殺すため”に現れる』


アレン

「……!!」


司書

「覚悟しておくことじゃ。

 “血が動いた”ということは……

 間もなく、その者が姿を見せるということだからな」


アレンは深く息を呑んだ。


皇帝。

魔王。

国家の同盟。

世界の魔力網。


それら全てより――

もっと根源的な“自分の謎”が、ようやく目を覚まし始めていた。


アレン

「僕が……封印されるために生まれた存在……か。

 でも……」


ゆっくりと拳を握る。


アレン

「それでも、僕は僕が選ぶ道を歩くよ」


黒核

『……ならば進め。血の謎はまだ序章にすぎん』


静寂の中で、封印紋が白く脈打ち続けていた。


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