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27/30

1:30 A.M.

 公園に戻ると、栗原は相変わらずブランコに乗っていたが、狐酔酒は軽く準備運動のようなことをやっていた。

多分体を温めるためだろう。


狐酔酒は僕の手元を見て顔を綻ばせた。

「お、コンポタか。いいなぁ。ナイスチョイス」


「妖風チョイスだよ。さっき火傷したけど、これおいしいね。おいしかったからキレない。命拾いしたね妖風」


「あっそ。そりゃ良かったわ」

妖風は素っ気なく言うと、公園内の滑り台の方を向いてどこか感傷的に言った。


「子供の頃はさ、滑り台とかで遊んで楽しかった記憶あるけど、なんであんなに楽しかったのかしらね」

「私たちが大人になったからじゃない?」

栗原は答えながら、小走りに滑り台に近づいて階段を上り、控えめに

「ヒーハー」

と言いながら滑った。


「うん。今でもなかなか楽しいよ? 緋彗も滑ってみなよ」

「いや、遠慮しとく」

「なに恥ずかしがってんだよ~。オレは滑るぞ~」

狐酔酒も滑り台に上った。


「僕も滑ろーっと」

僕もその後に続く。


「ふ~」

「ほ~」

あんまり叫んだら近所迷惑なので、控えめに声を出しながら滑ってみた。

楽しい。


僕たちは妖風に無言の圧力をかけた。


「わ、わかったわよ。滑りゃいいんでしょ」

妖風は気まずそうな表情で滑り台に上り、なにも言わずに滑った。


「……意外と楽しい。こんな時間だからかな。テンションがおかしくなってるのかも。もっかい滑ろ」

妖風は僕たちに見守られながらもう一度滑った。


「……楽しい」

「あら~。緋彗ったら滑り台ではしゃいじゃって可愛い~」

栗原が妖風を煽った。


「緋彗ちゃんかわい~」

「可愛い~」

僕と狐酔酒も一緒になってからかった。


「なんなのよみんなして!」

妖風は恥ずかしそうに俯いた。

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