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洗礼式

返事を考えるうちに洗礼式の日になった。

15歳になると洗礼式で神から職業補正を受けられる職を与えられる。例えば戦士の職業を与えられたとして、非戦闘職の人がどれだけ修練を積んでも同じだけ修練を積んだ人には逆立ちしても勝てないほどの力差になる。職業補正なしでも凄腕の商人や剣の達人もいるがかなり少数であることは言うまでもない。


「うん!にあってるよ!二人とも!今日は神様にいい職業与えていただけるよう祈ってきな!」

「ありがとうおばさん……でもちょっと派手じゃない?」

「これくらい派手なほうがいいもんさ!」

「お母さんありがとう!すっごくかわいい!」

「夜なべして作った甲斐があるってもんだ。さあさあ、教会へ行くよ!」



神官のながくてありがたーいお話を聞かされた後いよいよ天職の儀が始まる


そして俺の番……


「この水晶に触れて神へ祈りをささげてください」


祈ると言われても前世の家は無宗教だったからどう祈ればいいのやら……神官の言うとおりに水晶に触れてなんか念じたりいろいろしてみたがどれが正解かわからない


そんなことを考えているとぽぅと水晶の中に光が生まれた


「あなたの天職は……


頼む……せめて戦闘職に……


……下級シーフです。偵察やトラップの解除などに補正がかかる職業です」


戦闘……向きではないが生産職ではなくてよかった……しかし……


アリスの番が来た


「では水晶に触れて祈りをささげてください。」

「はい!」


少しすると俺の時とは比べ物にならない光が水晶から放たれた。


「こ、これは!すごい……ここに勇者様がお越しになられた理由か……!」

「え?え?」


アリスは神官の様子に戸惑っているようだ


「あなた様の天職は精霊剣士……最上位職であります!」


まさかうちの村から!

おお……神よ!


教会内がざわめきだす


「アリス」

「勇者様!」

「僕たちは君が最上位職に目覚めることが予言されたから勧誘に来たんだ」

「勧誘……」

「そう。僕のパーティに入ってくれないか」

「嬉しいです!……けど、すこし……考えさせてください」

「わかった。明日には出発する予定だそれまでに決めておいてほしい」

「ありがとうございます」




少し予想はしていたがいざ圧倒的な才能の差を形として見せられるときついな……



洗礼式は無事の絵終わり、アリスが俺のところへやってきた。


「レン……私すっごい職業が天職だったよ」

「ああ」

「私ね、レンのお母さんとお父さんが盗賊にその、殺されちゃってからいろいろと考えてたの。髪の色が変だからレンがいじめられたりそのせいで人が死ぬなんておかしいと思う……!だから私、勇者様のパーティに入って世の中を変えたい!」

「そうか」

「だから安心して、絶対レンが生きやすい世の中にして見せるから!」

「俺が……

「……?」

「俺がどんな気でいるのかも知らないで……!」

「れ、レン?」

「お前になにがわかる!努力したところで結局才能の前にはかなわないんだ……!俺がどれだけみじめかわかるか?お前を守るためにトレーニングだって毎日欠かさなかった。それなのに熊の魔獣に殺されかけあまつさえ幼馴染の女の子に守るなんて言われて、俺はなんッッッにもできないんだ!!」

「ご、ごめん。でも……

「でもじゃねぇ!!さっさと勇者サマと旅にでも冒険にでも出て行けよ!」

「きゃッ」


怒りに任せてアリスを弾き飛ばし転ばせてしまった


「……ッ!」


ばつの悪くなった俺は早足でその場を後にした


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