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勇者

珍しい黒髪に黒の鎧……

勇者がこんなところで何をしているんだ……?


「ありがとう……アリスは!アリスは無事ですか!」

「ああ、アリスは僕の仲間が村まで送っている。」


良かった……

俺は自分のけがのことなど忘れて心底ほっとしていた


「彼女のためにこの村へ訪れたしね」

「それってどういう……」

「そんなことよりも君のけがだ出血がひどい。聖女だから欠損も問題なく回復するさ。急ごう」


勇者は血で鎧が汚れるのも気にせず俺を背負うとものすごい速さで走りだし、村へと到着した。


「ありがとうございます……」


これが勇者か……


「いいんだ。僕は当然のことをしただけだよ。と、セリア!この子の手当てをしてやってくれ」

「勇者様。ご無事でしたか。……これはひどい、すぐ治療に入ります。」


セリアと呼ばれた聖女は癒しの力を使い少しすると肉も元に戻り、傷がふさがっていた


「す、すごい……」

「一応治りはしましたがしばらくは安静に、3日程度したら違和感もなくなるでしょう」

「わかりました。ありがとうございます」

「レン君助かったよ。君がアリスをかばって更に魔獣を引き付けてくれていなかったら間に合わなかった。」

「そういえば勇者様はさっきアリスのためにこの村に来たとおっしゃっていましたがアリスが何か……?」

「ああ、ん~ちょっと今は言えないんだ。1週間後にはわかると思うけどこれは極秘なんだよ。ごめんね」

「……わかりました」


1週間後?洗礼式の日か?そんな日に勇者が一体何の用なんだ……


「レン!」

「ア、アリス!よかった。無事だったんだね」

「こっちのセリフ!無茶なんかして……」

「勇者様がたまたまいて本当に助かったよ……」

「さすが勇者様ね……」


その後おばさんとおじさん、そしてアリスのおじいちゃんである村長にアリスと2人で説教をされた後無事を喜んび温かい食事を頂いた。


勇者一行は村の中でも一番大きな村長の家に泊まることとなった。





「勇者様黒髪なんて珍しいですよね」


アリスが勇者と話しているときにふとそんな疑問を口にする


「ああ、僕はこの世界の人間ではないんだ」


!?!?


「それってどういう……」

「地球っていう場所から来たんだけどこことは全く違うところでずっと遠く……もう帰れない場所なんだけどそこから来たんだ。」


勇者が俺と同じ地球人だったとは……しかも黒髪ってことは日本人か……?


「そうなんですね……」

「そういえばレン君も黒髪だね。僕が言うのも変だけどほんとに珍しい……もしかして君も……」


まずい……前世の記憶があることをアリスには知られたくはない……どうにかしてごまかさなければ……


「いえ、僕は両親と全く違う黒髪のせいで異端児扱いされて両親を殺されてしまいまして……」

「そうなのか……すまないことを聞いてしまったな。お詫びと言ってはあれだが何か僕にできることはないか?」

「そうですね……少し二人で話がしたいです。」

「……!」

「えーずるい!アリスもお話ししたいよ!」

「アリス、男同士の秘密の会話なんだ。わかるだろ?」

「む~!」


いつも女の子同士の会話とか言ってのけ者にする意趣返しだ


「ははは、アリス、レン君と話している間にセリアやほかのみんなと話してくるといいよ」

「わかりました……」


少し不満そうに勇者パーティのメンバーのところへアリスが向かう。これで話ができるな。


「さて、きみはやはり日本人で間違いないかな?」

「はい……といっても自分の名前や前世があるっていうことがわかうだけなんですが……9割ほど記憶が欠落してます。」

「敬語はやめてもらってもいいよ。同じ日本人じゃないか。」

「……わかった。」

「それにしても記憶の欠落か……地球へ戻る方法を知ってるかと思ったんだけど……」

「どうしてここにいるのかだってわからないんだ。役に立てなくて申し訳ない」


地球に戻れるとしてもきっと地球の俺は死んでるだろうから帰ったところで意味がないんだが……


「機密事項なんだけど実はここに来た目的はアリスが勇者パーティにふさわしいという占いが出てね、明後日の洗礼式で彼女は強力な職業を授かる。その勧誘に来たんだ。」

「そ、そんな……!」


「幼馴染と離れるのはつらいだろうし同郷のよしみだ。君の職業はなにか明後日にならなきゃわからないから何とも言えないけど最悪荷物持ちという形でついてくるつもりはないか?もちろん強ければ戦闘に参加してもらうことになるが……」

「……アリスを戦いに参加させるのは嫌だ。」

「しかしアリスは勇者として果たさなければならないことに必要なんだ。わかってくれ」

「…………」

「まぁ出発は洗礼式の翌日だ。それまでに答えを出しておいてくれ」

「わかった……」

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