おっさんの新しい朝とオリジナルな仲間達
朝を迎えました。
はい。ご想像通り隣には裸でスヤスヤ気持ちよさそうに眠るルファがいます。 ここは覚悟を決めましょう。
私にだって性欲はあります。
それにしてもなんだか若返った気分ですねっ!実際17歳ですけど……。
ピクピクと動くフワフワな耳を優しく撫でていると、ごそごそとルファが動きだす。
おっ起きましたね
「おはようございます。ルファ」
「んにゃ…おはようございま…す?」
目が合い数秒間。寝ぼけているルファも可愛いですね。
「ひゃっ!ごごごご主人様?もももも申し訳ございませんでした!何卒何卒…」
状況を理解したルファが飛び起き、シーツを纏い土下座を始める。
「おっ。その感じがいいですね。無理しないでいいですよ。どういう経緯で奴隷になったかは知りませんが、私はあなたをこの国の奴隷のような扱いをするつもりはありません。だからもっと感情を見せてください。昨日も…なんというかルファが可愛かったから私も我慢できませんでした。こちらこそ申し訳ない。」
御奉仕はあれだけいらないと言っておきながら、我慢が出来なかった私にも責任があります。ルファは私の好みにストライクですからね。そりゃ欲情しますよ。
それにあのルファの発情にしたって、私のブラッシングで発情したワンコやニャンコは1匹じゃないんですよね……。そりゃもう大変な感じに……。
まさか獣人も発情してしまうとは……。我ながら恐ろしいブラッシングスキルだ。はっはっはー……。ホント申し訳ない。
「可愛い…。ああの!ご主人様。私に敬語なんて使わないでください!ご主人様の優しさに甘えてしまっていましたが、奴隷に敬語はおかしいです!」
昨日より表情豊かになったルファが、さらに顔を赤くする。
「ん〜。と言っても長年染み付いてしまった喋り方なんですけどね。」
事務方一筋で、営業の人達と上手くやるためにこの口調が染み付いてしまいましたね。
といっても今は17歳。違和感ありますよね……。私自身だって違和感感じてますしね。
セイドウくんみたいな口調は無理ですが、流石にこの国で奴隷やほかの冒険者にこの口調はまずいですよね。
「じゃあよろしく。ルファ」
「はい!ご主人様」
わー恥ずかしい。恥ずかしいですね。慣れない事はするもんじゃない。まぁでもこれでルファが笑顔になるならば頑張りましょう。
朝食を食べに食堂へ向かう。昨日ルファの分を支払を済ませましたからこの食堂では一緒に食べられます。
女将さんは奴隷差別はないですからね。
「おはよう。タクト。ルファ。ちゃっちゃと食べちゃいな。」
いつもと変わらないやり取りで朝食を受け取る。
あっ……違いますね。女将さんの口の動き……。
昨日は…お楽しみ…だったね。
「⁈」
あぁそれは聞こえますよね。
「もー。タクトくんは私の物だったのにーーーー!」
「わっ。あ…ネルさん。おはようございます。相変わらずですね。あっネルさんのものではないです。」
相変わらず気配なく現れる人ですね。ほらルファも驚きすぎて尻尾がブワァってなってますよ。
結局散々いじられ、真っ赤な顔で恥ずかしさのあまり、動けなくなったルファの手を引っ張りながら部屋へ戻った。
「ご主人様!お腹をお腹を撫でて下さい!」
「はっ?えっ⁈」
部屋に戻ると、意を決したようにルファがお腹を出して目の前に立った。
どうしたのかと心配になりましたが、忠誠を誓う行為だそうです。
天狐族は服従を誓う相手に自らお腹を出し、腹を撫でさせる事で忠誠を誓うそうです。この行為は主従関係の順位づけの行為のようですね。
「奴隷としてではなく、ご主人様を本当のご主人様として仕えたいです。お願いします!」
「わかりまし…わかった。ルファはそれでいいんだね?じゃあ撫でるよ…」
「はい!」
言われた通り、ルファが出したお腹を撫でる。この行為はルファ自らが自らの意思を持ってお腹を出すことが重要で、無理やりお腹を出させて撫でても意味がない。
本当の意味で忠誠を誓うという天狐族における契約を意味する。
これは私も応えないといけませんね。
私はお腹をしまったルファから一歩後ろへ下がる。ルファの忠誠に応えましょう。
「ルファ。ルファの信頼に応えて私も私の能力の一端をルファに見せようと思う。私の秘密も含めてね。ビックリすると思うけど慌てないでね」
驚いた様子でコクリと頷いたルファを確認し、そのまま手をかざし、いつものように呼ぶ。
召喚
リィス
召喚
ペル
召喚
キュリ
3つの魔法陣が床に描かれた瞬間。
オリジナルスライムのリィス、大蝙蝠のペル、そしてフードを被り杖を持ったスケルトン。スケルトンメイジユニークのキュリ。
3体の融合魔物が召喚された。
「まっ魔物!」
ルファが驚き声を上げ私とリィス達の間へと入る。
「怖がらないで。これが私の能力の一つ。彼らは味方だよ。」
そう言うと警戒しながらも、元の場所へと戻った。
召喚と同時にステータスを確認したが、リィスとペルは昨日と変わらず、キュリもかなり順調にレベルが上がっていた。
墓地で随分頑張ってたようだ。
種族:スケルトンメイジユニーク Lv25
名前:キュリ
スキル
骨結合
夜目
炎属性魔法
★闇魔法
★魔力増加(大)
★魔力回復(小)
★魔骨
「25レベルですか、頑張りましたねキュリ」
最近出番のなかったキュリのレベルアップが凄かった。こんなにレベルが上がるほど墓地にスケルトンはいないはずですが……?
カタカタカタカタ
「そうですか。散らばっていた骨も結合していったんですね。新しく覚えたのは10レベルで闇魔法、15レベルで魔力増加、20で魔力回復、25で魔骨ですか。やはり魔法関連のスキルが多いね。キュリは優秀な魔道士さんですね。ところでキュリ?魔骨ってなんですか?」
カタカタ!
「ほう。骨に魔力を蓄積できるんですか!そりゃ便利ですね。しかも魔力を蓄えた骨は強度が増すんですね。」
「あの……。さっきから何を話しているんですか?ご主人様」
キュリと話していると、ルファが怪訝な目で見てくる。
「えっ?なんか伝わってこない?」
「いえ…カタカタ言ってるだけですね。」
(マスター。ボク達の声はマスターにしかわからないよ!)
「そうなんですね。リィスの念話もですか?」
(いまはそー。とくにボクは音が出せないから揺れてるみたいにしかみえてなーい)
「キィキィ」
「なるほど。マスターだし、私の魔力の一部で生まれているから違いがあって当たり前……って事ですね。」
「あ…あの。ご主人様。カタカタとかキィキィとか…プルプルしているのは、何かお話を?」
「あぁごめんねルファ。そうだよ。あまりこの子達も呼べないからね。紹介するね。オリジナルスライムのリィス。大蝙蝠のペル。そしてスケルトンメイジユニークのキュリね。みんな私の大切な仲間だよ。」
「よっよろしくお願いします。ご主人様の奴隷のルファです」
ぺこりとお辞儀をするルファ。
「……」
「キィキィ」
「カタカタ」
それに答えるように、リィスが一生懸命体を左右に振り、他の2体が声を出した。
うん。だいぶ賑やかになってきましたね。
連載開始1カ月。
皆さんの応援のおかげでモチベーション高く書き続ける事が出来てます。ありがとうございます。
プロットは先の方まで出来てますが。いかんせん小説の形にするのにモチベーションが必要で…
これからも楽しんで頂ければ嬉しいです。




