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おっさんの大森林デートと成長する仲間達

達人達はおっさんを見過ごせない。 〜雑魚だと捨てられたおっさんはゴミスキルだと言われた『融合』と仲間達と共に異世界を冒険す〜


からタイトル変更しました。

 今日は融合の素材を求め、森の奥へ行く予定です。


 剛棒を背負い大森林に入る準備を整え、ワイリナ大森林へと向かう。


「おっ今日も大森林かい。無理はしないようにな」


 今日もアグリさんは元気に優しい笑みを浮かべる。


「おはようございます。アグリさん。行ってきます!」


 そう言って街を出るだけで、やる気が2段階くらい変わるのが不思議ですね。

 人から優しく背中を押される。前の職場じゃ考えられなかった事ですからね。


 ワイリナ大森林へ着くともう一つの目的の為、道を外れて森へと入る。


『召喚』

 ペル


 森に少し入ったところで、召喚を実行すると足元に出来た魔法陣から大蝙蝠のペルが召喚された。


「キッキー♪」


 ははは喜んでますね。


 召喚と送還は今は1日に1体につき1度きり。

 緊急の時のために使わないようにしてたので、会えるのは下水に行った時くらいだったから寂しかったんですね。


 擦り寄せてくるふかふかなシルクのような極上の毛並の頭を撫でると、ペルも気持ちよさそうに目を細める。


 そしてそのまま。

 融合してからリィスのもと、下水でLv上げをしていたペルのステータスを確認する。


 種族:大蝙蝠 Lv9

 名前:ペル

 スキル

 夜目

 索敵


「おっもうすぐLv10ですか。直接アシッドスライムを吸収しているリィスよりはLvの上がりが遅いですが、頑張りましたねペル」


 そう言って柔らかなペルの胸の毛を撫でる。


 ペルには直接的な攻撃スキルがないですからね。

 そのためにアシッドスライムは倒せませんが、大ネズミはなんとかリィスの力を借りて倒している。リィスは面倒見が良いですから安心して任せられます。


「さあ行きましょうか。今日はお願いしますね」


「キキー」


 私に頬擦りしながら喜ぶペルが、気合を入れる。

 羽を大きく広げ、任せてと言っているようだ。


 ええ任せましょう!やる気のある子には仕事をどんどんふる。久野木課長仕込みの部下の育成術です。

「ではペル。索敵お願いします。」


 今日の目的の1つは、あまりこれまで構ってあげられなかったペルと一緒に、ペルの索敵スキルで森を探索することです。


 ギルドでゴブリン討伐の依頼も受けましたからね。索敵でゴブリンが引っかかれば、討伐しながら進みましょう。


 森に入り、ペルと共に川へと向かう。

 今回の目的地はこの川の上流にある湖。どうやらこの湖の周辺にはジョイニ草という関節によく効く調合薬の材料があるらしいので、同時に錬金術の素材でもあるこの薬草なら『融合』の素材になると踏んでいます。


 最近ニイナさんが偶に膝を押さえていますからね。その材料さがしです。


 しばらく地図に従い川の上流へと沢を登っていく。


「キキッ」


 鳴き声とともにペルが道を変える。

 途中、毒はないが2m程もあるリダスネークという魔物、お馴染みのホーンラビットと刺激しなければ敵対しない魔物はペルの索敵で避け、ゴブリンは絶滅させる勢いで狩ります。


 そして2時間ほど歩いた頃。


「キキー」


「おー着きましたか。」


 目の前には、向こう岸が見えない程大きな湖が広がっていた。

 それは波がなく空の雲をはっきりと反射させる美しい湖だった。


 おっあれはブルースライムですか。

 水属性を持つブルースライムが湖の淵の湖面に浮き、漂っている。


「これはリィスにもよい場所ですね。アシッドスライム以外にもそろそろ吸収するバリエーションが必要ですからね。」


「キッキ」


「そうですね。今度一緒に来ましょうか」


「!ッキキ!」


 湖面を眺め、その美しさに見惚れているとペルが反応し、反応の遅れた私の胸を押すように飛び込んでくる。


「ぐぁっ!」


 しかしそれでも間に合わず、肩に激痛が走った。


 嘴が異様に長い鳥。ストローバードだ。


「上空から急降下してきましたか。それならばペルが気付かないのも無理ないですね。」


 すぐにポーションバッグからポーションを取り出し、肩へとかける。


「キキィ」


 落ち込んだ声のペルが、心配そうに服の穴の空いた部分を見つめる。


「大丈夫ですよ。落ち込まないでください。ペルが狙われなくてよかった。といってもペルだけなら避けれたでしょうけどね。」


 上空を旋回しチャンスを伺うストローバードを見上げる。

 あの魔物は、上空の高い部分で旋回し長細い嘴を刺すように攻撃してくる。そして同時に魔力も吸っていくのだ。


 あまり上空を警戒しない低ランクの冒険者にとって、非常に厄介な魔物です。


 あのスピードでは範囲攻撃がいいんでしょうけど、警戒して降りてこないでしょうね。

 さらに厄介なのは、魔法を使おうと魔力を操作すれば逃げ、近寄ってこないのだ。


 もちろんペルだけで勝てる相手ではない。


 それならば


『召喚』

 リィス


 魔法陣とともにリィスが召喚される。


(マスター来たよー)

  (マスターその肩!)


「あぁちょっと油断しました」


  (むー!許さないよ!)


 種族:オリジナルスライム Lv21

 名前:リィス

 スキル

 同族吸収

 物理衝撃耐性

 再生(極小)

 念話

 溶解液

 保護色

 ★粘液操作


「うん。リィス手伝ってね。」


 リィスがピョンピョン飛び跳ね怒りを露わにする。


 スライムであるリィスを召喚したところで、それを隙と見たのか、獲物が増えたと思ったのか、いつのまにか増えたストローバードが一斉に急降下をはじめた。


 Lv21ですか。強くなりましたね。新しいスキルは粘液操作。さっそく使ってみましょう。


 ではいきますよ。

 そんなリィスを一撫でしスキルを発動した。

『融合』


 からの

 スパイダーネット !


 魔法と違いスキルは魔力の動きがない。

 つまりは発動しても警戒されない。


 粘液を蜘蛛の巣のように網目状にイメージし、放射状に上空のストローバードに向かい放出する。


「「「「「ゲー ゲー ゲー」」」」」


 そして投網のようなスパイダーネットは、見事に5羽のストローバードを一網打尽にしていた。


「よし。ペル!トドメを!」


 暴れた事で、さらに粘液が羽に絡み動けなくなった5羽をペルがトドメをさしていく。


「キ!」


 そしてペルが喜色の声をあげた。


 おっとペルがLv10になったみたいですね。今回の経験値は美味しかったみたいです。


 種族:大蝙蝠 Lv10

 名前:ペル

 スキル

 夜目

 索敵

 ★毒牙


「おお。はじめての攻撃系スキルですね。ペルやりましたね。」


(やったねー)


「キー!」


 ウリウリと頭を撫でるとやはり気持ちがよさそうに、目を細め。ペルは指に体を押し付けてきた。


 うちの子はやっぱり可愛いですね。




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