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おっさんの土地と土魔法

「ん?」


 おかしなテンションのまま新たな家に背を向けると、キュリにローブの裾を引かれる。


「……壁。」


 どこかムッとした表情のキュリが家の周囲をグルリと指差す。


 あー。忘れてましたね。確かに帰る前に敷地を壁で囲うから手を貸して欲しいとお願いしてました……。


「ごめん。キュリ……。落ち着いた。手伝ってくれますか?」


「ん。」


 許す。

 というように一言発するキュリと目を合わせ、頭に手を置く。


『融合』キュリ


 光と共にキュリと重なり、身体中がキュリの魔力で満たされる。

 キュリとは、キュリがレッサーリッチユニークとなった時から度々融合し、魔力操作を訓練を手伝ってもらっている。

 多少慣れたとはいえ、膨大な魔力は少し気を抜くと上手く制御出来なくなり、まるでマグマのように暴れ出そうとする。


 魔骨によって蓄えられていた膨大な魔力をいつものように循環させ、地面に手を置く。


 土属性魔法

『クリエーション アースウォール』


 防御的な足元から迫り上がるアースウォールと違い、範囲と壁の高さや硬さをイメージして土の塀を作る建設魔法。クリエーションホームと同種のこの魔法により、イメージした範囲に土の塀がせり上がっていく。土といっても地中の鉱石も含ませ、更に魔力で強化する。

 ワイバーン戦で大きく伸びた現在の融合可能時間、15分をフルに使い敷地を囲う。


 欲張って野球場くらいの広さを確保するようにして迫り上がる塀は、現在のキュリとの融合で拡げられる限界の広さであり、魔骨に蓄えられた魔力の7割を消費し、敷地内を覗かれないようイメージされ3m程の高さで止まった。


「ふー。これで見られる心配はないね。立派な門と塀の完成です。」


「タクト様もキュリちゃんも!凄い!凄い!」


「ボク達の家ー。スゴイねペルちゃん!」


「キッキ!」


 新居をぐるりと囲む塀とは別に、家の正面には鉱石を固めた頑丈な門を設置しました。

 勿論塀は只の土壁ではなく、塀に相応しい装飾もイメージしてみました。お陰でいくらレッサーとはいえ、魔法のスペシャリストであるリッチのキュリのおかげで魔力の無駄が減っているとはいえ、余計な魔力を一気に消費してしまいましたが……。


 ただ。これで、所有する土地の範囲はOKですね。それにこれだけの塀で囲めば、外から見られる心配もないでしょう。

 明日ベニーさんに確認してもらい、登録すればこの範囲の敷地の所有権は全て自分の物になるわけですね。


「ありがと。キュリ」


「ん。」


 喜ぶルファ達に囲まれ満足気なキュリの頭を撫でると、僅かに表情をくずしキュリが頷いた。


 仕上げに皆に手伝って貰い、敷地の境界に結界石を配置する為に散らばって貰う。

 そして渡された結界石と元々あった結界石を配置し直し、角に置いた結界石の一つに手を触れると魔力が自動で吸われていく。


「どうやらこれで機能したみたいだね」


「はい」


 1つ目の結界石が薄っすらと光を放つと、2方向に光の線が伸び全ての結果石を経由しながら敷地を光の線で囲い。全ての結果石がに光が灯ると、薄っすらと空間が歪んだ。


 結界が正常に作動した事を確認し学園都市へと戻ると、ブラシ作りの依頼を明日に決め師匠の家へと戻る。


「師匠!住む家を決めました。」


「なんだい、なんだい。帰ってきたと思ったら騒々しいね。ヌシの従魔達が消えたと報告を受けたからね。何事かと思ったがそういう事だったのかい。で?どこにしたんだい?」


 図面と共に師匠に家を決めた事を報告する。


「なんだい。結局外にしたのかい。それにそこは噂の幽霊屋敷じゃないかい。ありゃあ、あの家限定で不死の存在だったからね。まぁヌシの事だリッチの子、キュリだったかい。その子で何とかしたんだろう?」


 聞けば師匠も商業ギルドの依頼で、調べた事があるらしく結果あの家限定であのアンデットメイドは家と共に不死不壊の存在になっていたため手がつけれなかったらしく、ヌシらしいと呆れていた。


 あぁだから壊そうとしても失敗したんですね。

 あれ?これってメイドさんを吸収しない方が家が頑丈だったんじゃないでしょうか?


「はぁ〜。また馬鹿な事を考えている顔だねぇ。大方その子に退治して貰ったもののそのままでも良かったと思っているだろうがね。常にその子を家に待機させておくのかい?アンデットの力なんて目的を失ったらそれ程の力、続かないよ」


 うむ。また顔に出ていましたか。

 たしかにあのメイドの女性の目的は主人と同じ調薬師に住んでもらう事でしたからね。私がそれと分かればどちらにせよ目的は達成して、力を失ってしまうんですね。


「たしかにそうですね。まぁお陰で安くて良い物件が手に入りましたし、落ち着いたら師匠も歓迎しますよ」


「うむ。勿論じゃ。弟子の新居に師匠が行かずして何になる。ワシの引越し祝いを期待してるが良い!」


 腰に手を当ていつものポーズで、胸を張る師匠。

 やはり幼女が偉ぶってるようにしか見えなくて可愛らしいですね。


「はい。勿論ですよ」


 そう言って、このチャンスにさりげなく自然と手を頭に……。


 ペチっ


 はい。ダメでした。まったく油断も隙もないですね。


「それはワシのセリフじゃ。まったく!」


 そうですね。はい。


「そういえば明日から引っ越すんですが、魔術学園の試験っていつでしょうか。試験要項にも書いてなかったですが。そろそろ準備が必要かと」


「ん?なんじゃ。言っとらんかったか。あぁ試験は1週間後じゃ。まぁ前にも言った通りヌシなら受かるじゃろう」


「1週間後!?」


 はぁそう言う事はもっと早く言って欲しいですね……。



先日初めてレビューを頂きました。

ありがとうございます。

これからも楽しみにして貰えるように、物語を進めていければいいなと思ってます。


これからも応援よろしくお願いします。



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[気になる点] 防音は大丈夫なんだろうか? 夜な夜な如何わしい声がすると討伐対象になってもしらんぞ?
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