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おっさんの師匠と魔術学園都市

久々の更新です……。

よろしくお願いします。

 ディート王国が誇る魔導の叡智の集まる都市、そしてその中でも魔術師達の最高教育機関それが「ハルフーレ魔術学園」である。


 ハルフーレ魔術学園は、所属している国家、貴族、平民などの身分を問わず各魔術学校を優秀な成績を修めた者が、さらなる魔術の真髄を求め集う教育と研究の場であり、ここハルフーレ魔術学園都市の人口の実に7割は「ハルフーレ魔術学園」の生徒を含む関係者であった。


 魔術学園都市の6割以上の敷地には、学舎、研究棟、講堂、学生及び職員関係者寮など学園の直接的な建物から書店や食堂、遊技場など学園内だけでも十分に生活できる施設が整っていた。


 ここは、その中の居住区。

 身分を問わない魔術学園ではあるが、ここはその中でも貴族や豪商の子弟など寮住まいを良しとしない者、そして魔術学園でもそれなりの役職につく者達が居を構えるエリアだった。


「これは……」


「タクト様……」


「すごーい おおきーい」


「キィー」


「……」


 ギルドから出たところで迎えに来ていた馬車に乗り、辿り着いた門をくぐった瞬間の感想がこれです。

 何ですかこの場違い感は……。


 目の前には周囲の豪邸とは明らかに違う。柵ではなく石垣の塀で囲まれ、領主の邸宅のように門からは美しい庭園が続き、その先に見える屋敷は歴史を感じる西洋館。領主様ですか!


 は〜。これが師匠の家ですか……。さすがは世界トップの魔術学園の学園長。

 最初に会ったログハウスとの差が激しすぎますね……。


 迎えに来てくれた御者に案内されるまま屋敷に入り、部屋へと案内されると目の前の大きな机に山のように積まれた書類に印を押す幼女がいた。


 この見た目完全に可愛らしい幼女こそ、私の魔法の師匠であり恩人。そしてハルフーレ魔術学園学園長 兼 魔術師協会会長 兼 調薬師協会名誉顧問という肩書きを持つ齢80以上のロリバ……《魔子族》のジーマ・フレシカリア・エンバードその人であった。


「おー。ヌシらギルドでの手続きを終えたようじゃな。ちょっと待っておれよ。全くちょっと出かけるだけでこの有様じゃ」


 ブツブツと言いながらも、物凄い速さで押印済みの書類が高く積み上げれていきますね。押しちゃいけない書類とか紛れ込ませてたら案外いけるんじゃないでしょうか。


「ふん。またおかしな事を考えているね。この私がそんなヘマするわけないだろ。失礼な弟子だね。まったく」


 おっとまた顔に出ていましたか。ポーカーフェイスと言うスキルが身につくまでの道は険しいですね。


「よし!終わりじゃ」


 最後の書類にバンっと力強く押印した師匠が、書類の山をそのまま魔石布に収納する。

 おぉ一瞬で机の上が綺麗になりましたね。


「お疲れ様でした師匠」


「うむ。ヌシ達が来る前に終わると思ったんじゃがの。」


 そう言ってもう当たり前のように椅子の上に乗り、胸を張る師匠。やはり可愛らしいですね。


「さてトゥール殿とトゥーレ殿をあまり2人で待たせるのも何じゃし、早速本題といこうかの。と言ってもこれからの事じゃがの。伝えてあった通りヌシにはこのハルフーレ魔術学園に通って貰う」


「はい」


 そう言って1枚の冊子を差しだす。

 どうやら試験要項のようなもののようですね。


「ただし試験はきっちりを受けてもらう。その方が面白そうじゃしの。くっくっく。まぁヌシの実力なら問題なく受かるじゃろう。まっ最終判断はどうせワシじゃしの」


 んっ師匠?何だか私の試験で何か企んではいませんか?

 そしてまさかのデキレースとは……。


 まぁそれでもしっかりと受けますけどね。


「まぁ普通に頑張りたいと思います。はい。」


「うむ。まぁワシの直弟子じゃし、特待生扱いじゃ。授業は普通に1年生に混じって基礎的な講義を受けな。ヌシはそこが圧倒的に足りてないからの。まぁ学友と普通の学生生活を送るのも良いじゃろ。」


 そう言って師匠はニヤリと笑う。


「ありがとうございます。ところで師匠。冒険者の活動は続けるべきでしょうか?身分証を得る為と従魔登録の為というそもそもの目的は達してしまっているわけでして」


 アルグレント王国に召喚されて、巻き込まれのカス扱いで勇者としての身分証の代わりに得た身分証です。そもそも本気で冒険者稼業をやる予定なんてないんですよね。


「おぉそうじゃったの。ここはもうあの国の影響を殆ど受けないからね。ヌシは他国へ行けるDランク。これ以上ランクを上げる必要も利点もはないの」


「なら続ける必要はなさそうですね……」


「まぁDランクあれば十分じゃの……そうじゃ!」


 一瞬考え込んだ師匠がポンっと拳を手のひらに乗せる。


「ヌシよ。この魔術学園都市で店を出す気はないか?」


「店……ですか?」


「そう。ポーションさ。ここは魔法都市。これだけの冒険者や魔術師がいる都市だ。薬が不足気味なんだよ。それにヌシの魔力ポーション!あれなら大流行り間違いなしさ(あれは甘くて美味いからの。ワシも定期的に仕入れれるようになるしの。くっくっく)」


 おぉ珍しく師匠の欲望がダダ漏れですね。そんなことをしなくてもいつでも作るんですけどね。

 それにしても店ですか……


「考えてもみませんでした。あまり留まる事を考えていませんでしたから。そう……ですよね。これからここで暮らせるんですよね。」


 ルファや折角従魔登録をしたリィス達を、いつまでも宿で暮らさせるわけにはいかないですしね。


「前向きに考えてみます」


「おぉそうかそうか。まぁ色々準備もあるじゃろ。当分はここに泊まるがよいさ。……ん?」


 師匠が言い終えると同時に、コンコンコンと丁寧にノックされメイド姿の女性がドアを開ける。


 どうやらトゥールさん達の迎えが着いたようだ。


正月から3ヶ月……。

ちょいと色々ありすぎて、すこーし更新が遅れました。


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― 新着の感想 ―
[一言] 再開を待ちに待ってました。 とても楽しみです
[一言] 店で売り子担当の奴隷が必要やな、ついでに用心棒も コイツの出会い運から考えると ウェイトレス姿が似合う少年と男装の麗人とぶつかりそうだが
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