第1話 始まりの日
主人公…冴えない人生を全うした冴えない男。好きなものはオクラ。
神様…いろんな世界の神様を兼任してる。最近の悩みは抜け毛。
前世は、ネットの世界に熱中するあまり寿命が尽きるまで彼女なるものが
全くできず、実に冴えない人生だった。
断片的にしか覚えていないのだが、ライトノベルなるものが好きでもあった。
読む度に、自分も勇者と呼ばれるような存在になりたいと思っていた。
天寿を全うした後、死後の世界で神様に願いを叶えてやろうと言われた。
生前に良き行いを続けてきた魂には、神様が直々に願いを叶えてくれるらしい。
余談ではあるが、来世は性別が違うようにしてほしいなどの願いが結構多いらしい。
自分は特に良くしていたそうなので、3つ叶えてもらえた。
1つ目は、魔法などが存在するファンタジー小説のような世界に転生したいと言った。
上手く説明はできなかったが、神様にはお見通しのようなので大丈夫だった。
2つ目は、前世の記憶とここでの記憶を少しだけ残してほしいと頼んだ。
快くとはいかなかったが、渋々承諾してくれた。目的を忘れては意味がない。
3つ目は、転生後の自分の能力を全てランダムに決めてほしいと頼んだ。
神様には考えていることはお見通しのようなので、お前は珍しいなと言われた。
14歳の誕生日に、最後である2つ目の願いが叶えられたことにより
全ての願いが叶えられたことを確認できた。
転生するならチート能力!ってよく何かで見ていた気がするが、自分はそうは思わなかった。
神様にレールを敷いてもらうのではなく、自分の力で道を切り開いていきたいと思った。
だから、自分の能力はランダムにしてもらったのだ。
結果は、平凡と言える能力になった。
突出した能力もなければ、目に見えて弱いところもない。器用貧乏と言うやつだろう。
もし能力が全体的に高ければ万能型になるのだろが、いい感じに普通だ。
ちなみに顔も、良くも悪くもなく普通だ。さすが神様。
自分では揃えられない、最低限の環境は用意してもらえた。
あとは自分の力で、勇者と呼ばれるような存在まで成り上がるだけだ。
14歳の最初の朝。
顔洗いを済ませて、パシッと両頬を叩き自らを鼓舞する。
「よし、行こう」
明確になった目標を目指して、さっそく愛剣を片手に森へと向かうことにした。
どうも、ユーリ@うどんと申します。
まずは読んでいただきありがとうございます。
そして次回もよろしくお願いします。
余談ではありますが、神様は最近トラックなるものが関係した転生者が急増していることにお困りのようです。