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スルースキルが最強で。  作者: ふぁくとりー
1 巻き込まれたので。
7/43

7 野営をするようです。

前回重複投稿していました、すみません!

今回はグルメ回です。

ルリエと旅をする事になり、夜を明かすための街にはたどり着けなかった。まぁ、僕がおおよその原因なのだが。


というわけで、野営である。キャンプ、野宿。

一見楽しそうに見えて、実は結構辛い。僕が初級魔法を使えるから良いが、他二人は料理もできないという。


「今までは従者に頼ってたのに、殺されちゃったのよ?」

「肉を焼けば大体食える」

とのたまう2人組だ。


というわけで、今は食材を探しに来ている。幸い鑑定を使えば、『毒がある』『食べられる』ような物のみが表示されて、簡単に食料が手に入るのだ。


僕は森に入り、夕闇の中食材を探しているのだった。と、すこしうっそうとした場所に、うっすら白いものが見えた。


「もしや…キノコ!」


果たしてそれは、


======

スマッシュマッシュ キノコ

可食。美味。

食後三時間 AGI +3 (効果重複)

======


見れば群生している。一つ取ろうと手を伸ばしかけて、気配に気がつく。


小動物の気配だ。袖口に指をやり、作り変えた『刺針(ししん)』を手に構え、もう一本を抜きつつ気配のほうへと放つ。


「ぎゅいっ!?」


驚いたような声に怯まず、さらにもう一本を放ち、飛びかけていたそれに止めを刺す。


======

ソルジャーラビット ランクB

HP 0/30

MP 57

STR 5

INT 48

AGI 9800

DEX 432

アイテム ソルジャーラビットの毛皮 肉(美味)

======


土魔法で足元に穴をあけて頸動脈に黒刀『斬』を滑らせると、死体から想像できないほどの血が流れ落ち、穴の中を濡らす。


出切ったところで、落とした首を穴の中へ入れ、器用に皮を剥いだところで、亜空間収納へ。

スマッシュマッシュは取り置いて、また別の料理に使えるように、とりあえずあるだけ確保。


「さてと、帰りますか」



「ただいまー」

「お、火の準備は万端だぞ!」


レイの言葉に、視線を向けるとカマドが出来上がっている。石を組んだだけの代物だが、ありがたい。


「さて、じゃあさっそく作っていきましょう」


この世界では香草が主になり、香辛料は少ないようなので、今回はスマッシュマッシュを香草で炒める事に。持っていた野菜の中からアビルというニンニクと玉ねぎの合いの子のようなものを取り出す。


犬猫だが大丈夫なんだろうか、と思っていたが、普通に食べているらしい。


この世界にはまな板やら包丁という概念も無いそうなので、頑張って作りましたとも。アビルを刻み、油をしいたパンの中へ投入する。その間、スマッシュマッシュを半分にしてどんどん追加。


油が馴染んで来たところで、刻んだレセパ(パセリのようなもの)、胡椒を少し、そして塩をぱっぱと振る。


脇にあった岩の上に置いて、レイに捌かれるソルジャーラビットをかすめ取り、調理開始。


肉質は鳥肉に近そうなので、ちょっと工夫してみよう。

見たところ紫色の醤油の匂いを発する物があったので、店の売り子に声を掛けたところ、売れなくて余っていたので二瓶全部元値で良いという。内心快哉を叫びながらも、それを買うのを渋りつつ、もうちょっと安かったら買ったんだけどを繰り返したらお姉さんが親の敵を見るが如く「……銀貨、5枚」と呟いていた。


それはともかく、味香り共に醤油が(見た目は度外視)手に入ったわけだ。


なら、今は酒と砂糖と醤油もどきを以ってーー


じゅわぁっ!

火から下ろすタイミングを見計らい、手前で作った箸で絡めながら余熱で何とかする。

風魔法を使って火加減の調節をしていたから、MPがすっからかんである。


「出来ました!えっと、パンを出して終わりです」

「い、良い匂いだわ……!」「旨そうだな!」


全員パクリと一口。簡単だったため、煮込みなどは用意できなかったが、どうだろうか。


「う、旨いっ…これはクセになりそうだな。何ていう料理なんだ?」

「照り焼きです。故郷ではみりんを使っていたんですが、この世界には無いんですよ」


ルリエもにっこにこである。よかった…。パパッと作ったからあまり出来栄えは良くないのに。


「いつぞやの高級レストランより美味いのう!」

「仲間内で食べた料理より断然美味いな」


うん?あれ、正直あれやこれやと思うところが多々あったはずなんだけど……この世界ってもしや料理レベルは低いのかな?


「まあ、概念的に無ければ致し方ないのでしょうけど」


スマッシュマッシュはマッシュルームよりは肉厚でコリっとしているが、クセのない味わいがアビルの味を引き立たせる。


ソルジャーラビットの照り焼きは、少し甘みが薄いものの、大分満足できる仕上がりだ。何よりBランクの魔物の肉だけあり、淡白な味わいながら鳥の胸肉のような味わいと、肉汁が溢れ出すほどのジューシーさ。

紫色には物申したくはあるが、甘辛いタレは抜群にマッチしている。


おいしい。


「顔、緩んでるぞ?」

「いえいえ。満面の笑みになるには程遠いですよーールリエ、一つ確認したい事があります。あなたの思い人のことなんですがーーもしかしたら、僕の親族かもしれません」


ルリエの顔が驚きに彩られる。


「いえ、可能性の話です。兄はいなくなりさほど経っていませんから。ですが、そのイチノセシキが(しき)兄さんであった場合……一発殴らせてください」


「そのくらいあたしの許可なんていらないわよ。好きにやりなさい」

「そうですか。あ、気配隠蔽装置と結界警告魔道具は設置したので、安心して寝ましょう」


そう、三人で安心して…。


「オイコラ透……何してる」

「何って(モフモフモフ)、見ればわかるじゃないですか(モフモフモフ)」

「頑張りなさい、レイ……」


あぁ柔らかい……気持ちいい……デュークの毛に、似て……。



そして野営一日目は平和のうちに幕を閉じた。

透「はーい、始まりました!魔王のスリーサイズ公開処刑」

ルリエ「なんてことしてくれるのよ!?この…この!ああもう攻撃できないいいい!」

透「いや知りませんから、それに勇者が手ずから測ってくれるでしょう」

ルリエ「………ッ!?」

あールリエさん背中叩かないで…べふぅ!

透「次回は旅は道連れ世は情けみたいな?」

あっ!?またかこのやろ…男じゃないんだった

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