白雪の教育方針
ご覧いただきありがとうございます。
王妃は心が折れて鏡に頼ります。
「鏡よ、鏡。
この世の全てが見渡せる鏡よ。
次代を育てるために
力となるものはおるか?」
もう、ぶっちゃけお手上げである。
乳母に任せたら、喜んで働く乳母兼メイド気質の娘になっていくし、
執務のかたわら自ら教育しようとすると継子苛めと言われる上に、片手間故に乳母の影響から抜け出せていない。
乳母すげぇ。
マジ良い指導者。
とりあえず侍女、メイド教育の責任者にしておいた。
『あぁ、逸材が……!』とかなんとか言っていたが、知らんし、アレは王になるの!国が併合されたりなんかしたら上手く逃がしておくから、そのスキルで生き抜いてくれる筈だ。
きっと無駄にはならん。
あと、何気に侍女やメイドの働きっぷりに目がいくようだ。
審査基準が出来たからね。
体験しているからこその目線でね。
うん。
これはこれで良いのかもしれぬ。
姫には色んなことをさせてみるか。
今まで可愛い可愛いお人形だった分、多くの人間に出会い、物を見て、国を知らねばならぬ。
年齢的に
立場的に
常識的に
は、普通の王族としていきていたらの話だ。
アレは大きく違う生き方をしている。
まだ、人形から人間になりかけ、
自我も芽生えないところ。
並みのやり方では
白雪を王として国を任せるまでに、
私の一生が終わってしまう!!
まだ、乙女なのに‼︎
考えに没頭していると
いつのまにか鏡には
1人の老女の顔が浮かんでいた
乙女なのに⁈